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ー至福ー86

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 いつも以上に俺の鼓動が早く波打っているようにも思える。 何だか急に初心に戻ったような感じにだ。

 本当に人を愛するっていうのは、こういう事なのかもしれない。

「なぁ、雄介……今日はこのままの状態で、お前のを俺のココに挿れてもいいのか?」

 その言葉に雄介の方が目を丸くしていた。 寧ろ、そんな反応をする雄介に俺の方が目を丸くしたくなる。

 だって今日はある意味、記念すべき日じゃないのであろうか。 だってやっとお互いの事がわかって、結婚すると決めた日なのだから。 そう言えば、雄介はわりと記念日というのを大事にしていた人間だったのだが、こう和也達と一緒に住むようになってからは記念日をあまり気にしなくなったようにも思える。

 それは流石に俺が和也達の前で祝われるのを嫌うからなのかもしれないのだが。

 それに都会に住んでいる時よりも島での暮らしは自由に買い物が出来る訳でもないのだから、そう簡単にプレゼントを用意出来る訳ではないのもある。 確かにあるのは小さな雑貨店みたいな所だけなのだから。

 確かにそれでは記念日とか祝う場合じゃないのかもしれない。

 とりあえず、それは置いておいて雄介はさっき俺が言った事を考えてくれているのか、天井の方へと視線を向けてしまっているようだ。

 本当に雄介は優しい。

 こういう行為っていうのは本来色々な体位があるらしいのだが、雄介だと殆どが正常位だった気がする。 次に四つん這いで俺の後ろから挿れるのが多いのだが、雄介はどうもその体位は好きではないような気がする。 きっと俺の顔が見れないからであろう。 後は立ってお互いの顔が見える状態でとかであろうか。 少なくとも俺が雄介の上に乗っかって挿れるのはあまりなかった事だ。 まぁ、俺が酔っ払っててとか記憶が無い時にとかだったらあったかもしれないのだが、素面の状態では初めての挑戦なのかもしれない。

 だが雄介はなかなかそれを許してはくれないようだ。 俺のその言葉になかなか首を縦に振ろうとしないのだから。

 本当に雄介は俺に負担が掛かるような事はさせてくれない。 もう、俺的には全然それはいいと思うのだけど、きっと雄介の中ではさせたくはないのであろう。 実際、雄介のモノを咥えたり舐めたりするのも雄介的にはダメだっていう事が多いのだから。

 こう俺が動く事に関して、雄介は毎回渋っているようにも思える。

 だけど俺はそんな雄介を好きになったのだから、雄介の意見も大事な所だ。

「今日はある意味、俺達からしてみたら記念日みたいなもんなんだからさぁ、たまには変わった体位っていうのもいいんじゃねぇのか?」
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