333 / 834
ー至福ー52
しおりを挟む
「はぁ!? 俺がそないな事する訳ないやんか……」
雄介の方は落ち着いたと同時にそう言葉を発するのだ。
だけど逆に言えば、雄介以外は今の雄介の行動でバレバレっていう所だろう。 視線だって完全に逸らしてしまっていたのだから。
って、事は今の雄介というのは俺等に隠し事をしているっていう事だ。 さて和也の事だから何か他にも考えているのであろう。 それに雄介からしてみたら、こっから逃げる術というのは無いのだから。 雄介と和也の攻防でも聞きましょうか。
「……ホント、お前って分かりやすい奴なんだな」
そう呆れたような言い方で責める和也。
「そ、そんな事はないって……それになぁ、望にホンマ隠し事なんかないって……」
「本当にソレ言い切れるのか?」
「そこはホンマやって……」
そう言い切る所を見ると、どうやらそこは本気らしい。 じゃあ、何で今さっき雄介は食べ物を咽せるような行動をしたのであろうか。 そこは疑問に残る所だ。
「じゃ、何で、望とか俺等には自分の事を話ししてくれないんだ? まぁ、俺等の方は別にいいんだけど……望には話してもいい事っていうのは沢山あるんじゃねぇのかな? それにさ、結婚する前に隠し事とかって嫌じゃん……だから、望だって雄介との結婚を決意してくれねぇんじゃねぇのか?」
……あ。
俺が雄介に言いたい事を完全に和也が言ってくれている。 って事は和也もそう思っているっていう事なのか。 いや和也の場合には違うのかもしれない。 ただ単にこの前、話してくれた通りで今すぐに結婚するのはこの島では難しいからであろう。 だけど何で和也は俺が雄介に思っている事が分かったんだろうか。 ホント、そういう所、和也っていう人間は敏感なんだと思う。
「いや……別に……そこは……まぁ、何て言うんか? なんや自慢みたいな感じになってまうし、人間、自慢話してくるような奴っていうのは嫌われてまうやろ? せやから、自分の事はあんま話さないようにしてるだけなんやって……」
こう視線を天井の方に向けて考えるように話している所を見ると少し嘘みたいなのを混じって話しているのか、恥ずかしいから視線を逸らして話しているのか今の所は分からない所だ。
「雄介って、ホント、そういう所あるよなぁ。 ある意味、俺達の事を信じてないっていうのかな? 昔さぁ、よく望とその事でぶつかり合った事があったけど、要は雄介もそうだっていう事だろう? 俺達の事を信じてないから自分の事を話してくれないんじゃねぇのか? 信じてくれていたら、俺達がそんな事で嫌うような奴ではないって事位分かってくれてるだろ?」
雄介の方は落ち着いたと同時にそう言葉を発するのだ。
だけど逆に言えば、雄介以外は今の雄介の行動でバレバレっていう所だろう。 視線だって完全に逸らしてしまっていたのだから。
って、事は今の雄介というのは俺等に隠し事をしているっていう事だ。 さて和也の事だから何か他にも考えているのであろう。 それに雄介からしてみたら、こっから逃げる術というのは無いのだから。 雄介と和也の攻防でも聞きましょうか。
「……ホント、お前って分かりやすい奴なんだな」
そう呆れたような言い方で責める和也。
「そ、そんな事はないって……それになぁ、望にホンマ隠し事なんかないって……」
「本当にソレ言い切れるのか?」
「そこはホンマやって……」
そう言い切る所を見ると、どうやらそこは本気らしい。 じゃあ、何で今さっき雄介は食べ物を咽せるような行動をしたのであろうか。 そこは疑問に残る所だ。
「じゃ、何で、望とか俺等には自分の事を話ししてくれないんだ? まぁ、俺等の方は別にいいんだけど……望には話してもいい事っていうのは沢山あるんじゃねぇのかな? それにさ、結婚する前に隠し事とかって嫌じゃん……だから、望だって雄介との結婚を決意してくれねぇんじゃねぇのか?」
……あ。
俺が雄介に言いたい事を完全に和也が言ってくれている。 って事は和也もそう思っているっていう事なのか。 いや和也の場合には違うのかもしれない。 ただ単にこの前、話してくれた通りで今すぐに結婚するのはこの島では難しいからであろう。 だけど何で和也は俺が雄介に思っている事が分かったんだろうか。 ホント、そういう所、和也っていう人間は敏感なんだと思う。
「いや……別に……そこは……まぁ、何て言うんか? なんや自慢みたいな感じになってまうし、人間、自慢話してくるような奴っていうのは嫌われてまうやろ? せやから、自分の事はあんま話さないようにしてるだけなんやって……」
こう視線を天井の方に向けて考えるように話している所を見ると少し嘘みたいなのを混じって話しているのか、恥ずかしいから視線を逸らして話しているのか今の所は分からない所だ。
「雄介って、ホント、そういう所あるよなぁ。 ある意味、俺達の事を信じてないっていうのかな? 昔さぁ、よく望とその事でぶつかり合った事があったけど、要は雄介もそうだっていう事だろう? 俺達の事を信じてないから自分の事を話してくれないんじゃねぇのか? 信じてくれていたら、俺達がそんな事で嫌うような奴ではないって事位分かってくれてるだろ?」
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
セーリオ様の祝福:カムヴィ様の言う通り
あこ
BL
人が思う以上に不器用で、真面目だと言われるけれど融通が効かないだけ。自分をそう評する第一王子マチアス。
外見に似合わず泣き虫で怖がりなのは、マチアスの婚約者カナメ。
マチアスが王太子にならないと決まったからこそ結ばれた婚約だったのだが、ある日事態は急転する。
✔︎ 美形第一王子×美人幼馴染
✔︎ 真面目で自分にも他人にも厳しい王子様(を目指して書いてます)
✔︎ 外見に似合わない泣き虫怖がり、中身は平凡な受け
✔︎ 美丈夫が服着て歩けばこんな人の第一王子様は、婚約者を(仮にそう見えなくても)大変愛しています。
✔︎ 美人でちょっと無口なクールビューティ(に擬態している)婚約者は、心許す人の前では怖がりの虫と泣き虫が爆発する時があります。
🔺ATTENTION🔺
この話は『セーリオ様の祝福』では王太子にならない第一王子マチアスが『王太子になったらどうなるのか』という「もしも」の世界のお話です。
キャラクターの設定などは全て『セーリオ様の祝福』そのままで変わりありませんが、『セーリオ様の祝福』に比べればシリアスなお話です。
【 一部番外編の掲載先について 】
『セーリオ様の祝福』と『セーリオ様の祝福:カムヴィ様の言う通り』共通の番外編は『セーリオ様の祝福』コンテンツ内にあります。
【 感想欄のネタバレフィルターについて 】
『1話〜3話目』までの感想は基本的に設定は致しません。
それ以降の話に関する感想につきましては、どのようなコメントであってもネタバレフィルターをかけさせていただく予定です。
ただ物語に触れない形の感想(誤字のご連絡など)についてはこの限りではありません。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
女子に間違えられました、、
夜碧ひな
青春
1:文化祭で女装コンテストに強制的に出場させられた有川 日向。コンテスト終了後、日向を可愛い女子だと間違えた1年先輩の朝日 滉太から告白を受ける。猛アピールをしてくる滉太に仕方なくOKしてしまう日向。
果たして2人の運命とは?
2:そこから数ヶ月。また新たなスタートをきった日向たち。が、そこに新たな人物が!?
そして周りの人物達が引き起こすハチャメチャストーリーとは!
ちょっと不思議なヒューマンラブコメディー。
※この物語はフィクション作品です。個名、団体などは現実世界において一切関係ありません。
貧乏大学生がエリート商社マンに叶わぬ恋をしていたら、玉砕どころか溺愛された話
タタミ
BL
貧乏苦学生の巡は、同じシェアハウスに住むエリート商社マンの千明に片想いをしている。
叶わぬ恋だと思っていたが、千明にデートに誘われたことで、関係性が一変して……?
エリート商社マンに溺愛される初心な大学生の物語。
【R18】平凡な男子が女好きのモテ男に告白したら…
ぽぽ
BL
"気持ち悪いから近づかないでください"
好きな相手からそんなことを言われた
あんなに嫌われていたはずなのに…
平凡大学生の千秋先輩が非凡なイケメン大学生臣と恋する話
美形×平凡の2人の日常です。
※R18場面がある場合は※つけます
婚約破棄と言われても・・・
相沢京
BL
「ルークお前とは婚約破棄する!」
と、学園の卒業パーティーで男爵に絡まれた。
しかも、シャルルという奴を嫉んで虐めたとか、記憶にないんだけど・・
よくある婚約破棄の話ですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
***********************************************
誹謗中傷のコメントは却下させていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる