308 / 898
ー至福ー27
しおりを挟む
気付いた時にはもう雄介はベッドの上へと横になっていた。
もう雄介はあの事故から十日位経ってるけど、まだ疲れが取れてないのか。 それとも流石の雄介も歳を感じてる頃なのであろうか。
そう今の時刻というのは夜の二十一時過ぎたばかりなのに雄介の方はもうベッドの上に横になってしまっているのだから。
しかしどう雄介の事を誘ったらいいのであろう。 本当に今の俺からしてみたら未だに迷う所だ。
きっとそういう事に関して雄介の方は歳的にも落ち着いて来てしまっているのかもしれない。
本当にこういう行為に関してある意味自分だけこうも熱くなってきているのであろうか。
もう一度俺は深い息を吐く。
「……って、望……何してるん?」
俺が悩んでいるのを知ってか知らずか雄介は優しく俺にそう声掛けて来てくれる。 なんかホントその優しさっていうのが今の俺からしてみたら苦しい位だ。
これでお酒の一杯でも飲んでいたなら、きっと雄介の事を誘う事が出来るんだろうけど、お酒の方に関しては最近全然飲んでいない。
行為の事に関してだって、あれだけ悩んでみんなで相談して『出来る時にはヤるようにしよう』とは決めたのだけど、お酒に関しては流石に飲める訳が無い。 いや飲む時間が無いと言った方が正解なのかもしれない。 ま、そこは俺達というのは常時飲んでいる訳じゃないから無くても大丈夫だっていう所なのだから気にしてないだけだ。
俺が色々と悩んでいると、雄介がいきなり俺の耳側で、
「早よ、寝よ」
と言ってくる。
その行動に俺の方は一瞬体の方が跳ね、雄介の事を目を丸くしながら見上げるのだ。
「……へ? 何? 俺、何か悪い事したん?」
と逆に雄介の方が慌てたように言って来るのだ。
「あ、いや……別に……」
そう俺の方に慌てたように雄介から視線を外し再び顔を俯けてしまう。
「なぁ、望……それならそうと言ってくれれば良かったのに」
「はぁ!?」
その雄介の言葉に俺の方は再び目を丸くしながら、今は俺の真後ろにいる雄介の方に顔を向ける。
今の雄介の言葉というのは一体どういう意味だったのであろう。
「せやからな……今の望の顔っていうのは、こう、もう! 色っぽかったって言うんかな? 瞳なんかうるうるってさせておって、頰の方は気持ち的に赤いじゃなくてピンクかかっておったしなぁ、そしたら、もう俺からしてみたら望から誘われてるー! って感じがしたんやけどなぁ」
「……!?」
その事を雄介に知られてしまい俺は一瞬言葉を失い掛けたのだけど、
「わ、悪ぃかよ……こんな歳になって、まだまだ欲情してしまうっていうのはさ……」
今日はなんか勢いでそんな事言ってしまっていたようだ。
もう雄介はあの事故から十日位経ってるけど、まだ疲れが取れてないのか。 それとも流石の雄介も歳を感じてる頃なのであろうか。
そう今の時刻というのは夜の二十一時過ぎたばかりなのに雄介の方はもうベッドの上に横になってしまっているのだから。
しかしどう雄介の事を誘ったらいいのであろう。 本当に今の俺からしてみたら未だに迷う所だ。
きっとそういう事に関して雄介の方は歳的にも落ち着いて来てしまっているのかもしれない。
本当にこういう行為に関してある意味自分だけこうも熱くなってきているのであろうか。
もう一度俺は深い息を吐く。
「……って、望……何してるん?」
俺が悩んでいるのを知ってか知らずか雄介は優しく俺にそう声掛けて来てくれる。 なんかホントその優しさっていうのが今の俺からしてみたら苦しい位だ。
これでお酒の一杯でも飲んでいたなら、きっと雄介の事を誘う事が出来るんだろうけど、お酒の方に関しては最近全然飲んでいない。
行為の事に関してだって、あれだけ悩んでみんなで相談して『出来る時にはヤるようにしよう』とは決めたのだけど、お酒に関しては流石に飲める訳が無い。 いや飲む時間が無いと言った方が正解なのかもしれない。 ま、そこは俺達というのは常時飲んでいる訳じゃないから無くても大丈夫だっていう所なのだから気にしてないだけだ。
俺が色々と悩んでいると、雄介がいきなり俺の耳側で、
「早よ、寝よ」
と言ってくる。
その行動に俺の方は一瞬体の方が跳ね、雄介の事を目を丸くしながら見上げるのだ。
「……へ? 何? 俺、何か悪い事したん?」
と逆に雄介の方が慌てたように言って来るのだ。
「あ、いや……別に……」
そう俺の方に慌てたように雄介から視線を外し再び顔を俯けてしまう。
「なぁ、望……それならそうと言ってくれれば良かったのに」
「はぁ!?」
その雄介の言葉に俺の方は再び目を丸くしながら、今は俺の真後ろにいる雄介の方に顔を向ける。
今の雄介の言葉というのは一体どういう意味だったのであろう。
「せやからな……今の望の顔っていうのは、こう、もう! 色っぽかったって言うんかな? 瞳なんかうるうるってさせておって、頰の方は気持ち的に赤いじゃなくてピンクかかっておったしなぁ、そしたら、もう俺からしてみたら望から誘われてるー! って感じがしたんやけどなぁ」
「……!?」
その事を雄介に知られてしまい俺は一瞬言葉を失い掛けたのだけど、
「わ、悪ぃかよ……こんな歳になって、まだまだ欲情してしまうっていうのはさ……」
今日はなんか勢いでそんな事言ってしまっていたようだ。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる