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ー至福ー14

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 そしていつものように雑談しながら夕飯を口にする俺達。

「なぁ、俺はまだ雄介と結婚っていうのは、考えてないっていうのか、やっぱ、世間的に考えて、まだ、そんなに認められてない事だし、結婚についてはまだなんだけどさ……和也達はどうするつもりなんだ?」

 と俺の方はごく普通に聞いたつもりだったのだけど、その俺の質問に注目が集まってしまっていた。

「はぁ!? 俺、また変な事言ってたのか? 別に普通の事だと思うんだけどよ」

 注目が集まってしまうと、やはり恥ずかしい。 だからなのか俺は変にご飯の方に集中してしまっていた。

「あー、だから、望がそういう風な事を質問してくるのって珍しくねぇか? って思ってな」

 ……やっぱ、そういう事なのかよ。

 と心の中で思う俺。

「あのな……俺だって聞きたいと思った事は聞くんだよ」
「だから、そういう事に関して聞いて来る、お前っていうのが珍しいっていうの?」
「あのさ……そこは、もういいって……」

 そう俺の方は呆れたように言うのだ。

「ま、そこは確かにいいんだけどさ……そうだなぁ? 確かに、俺達の方はその事についてはあまり考えてなかったのかもしれねぇな。 確かに、俺的には裕実と結婚したいと思ってるよ。 だけど、やっぱ、まだこう引っ掛かるもんがあるんだよなぁ? 望の意見と同じかもしれないんだけど、まだまだ世間一般的には同性同士の結婚っていうのは認めてくれる人も居れば認めてくれない人もいるっていう事だろう? それにここは島なんだから、人口だって少ない地域でもあるし、診療所っていうのはここしかない訳だし、もう島の人達は俺達の事を知ってる訳だし、もし、俺達全員が結婚して役場に婚姻届を出した場合、そういう話っていうのはこの小さな島では直ぐに回る訳だろ? それでまだ同性婚について認めてない人の耳に入ってしまったら、いざっていう時に診療所に来てくれなくなってしまったら困るんじゃねぇかな? って思ってよ。 だからもっともっと世間様が同性婚について認めてくれるようになってからでもいいのかな? って思ったんだけどな」

 そう和也にしては珍しく反対な意見を言っているようにも思えるのだが、確かにそうだ。 そこは俺も和也の意見に同意見なのだから。 そう俺が思っていると、雄介が、

「あのな……そうは言うけど、俺等って、もういい歳やろ?」

 確かに雄介の言う通り俺達の歳っていうのは本当にいい歳だ。 もう四十歳近いんだと思う。 だけど歳っていうのは、結婚には関係ない事のような気がする。 年の差婚っていうのもあるし若い人だけが結婚したいと思っている訳ではないのだから、歳というのは関係無さそうな気がするからだ。
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