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ー鼓動ー182

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 ……え? 額!?

 ちょっと期待した俺が恥ずかしいと思ってしまった。

「俺、今はこれだけで満足やで」

 と言ってそう一人満足してるような雄介。

 でも俺の方は満足はしてない。

「ちゃんとキスしるならしろよっ!」

 そう起き上がってまで抗議する俺。

 でも雄介の表情はこの暗闇の中では見えていない。

 だから今は言葉だけが頼りって事だ。

「……へ!?」

 そう雄介の声が裏返る。

「だからだな……キスするって言ったら普通は唇だろ!」

 そう俺は自分の唇を指差したのだけど、この暗闇の中では見えていないだろう。

 ……あ、そっか。

 気付くと俺は何となくの場所で雄介の位置を探り、そして雄介の肩に手を置くと俺の方から雄介の唇へと唇を重ねる。

 俺からのキスは本当に唇を重ねるだけだ。 それ以上の事は俺からはあまりした事がない。

 俺は雄介から離れるとまた体をベッドへと預ける。

 これで俺は満足した。

 だが雄介が何か喋る気配がない。

 今、雄介は何を考えているのであろうか?

 人の心なんて超能力者以外の一般人には分からない事だ。

 それがいいのか悪いのかは分からない所なのだけど。

「今ので十分満足出来たし……ほなら、寝ようか?」
「え? あ、ああ……」

 やっと雄介が言葉を発したかと思えばごく普通の言葉だった。

 ……本当に!? これでいいのかな?

 と疑問に思う所なのだけど雄介がそう言うのなら、それしか今はないだろう。

 体を重ねる行為は昨日十分過ぎる位にしたのだから流石にシようという気にはならない。

 なら、もう電気は消してしまった今はもう寝るしかないよな。
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