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ー鼓動ー149
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雄介の言葉に俺は暫く考える。
いや、答えは分かっているのだけど、どうしても俺の性格からしてみたら、そういう事が上手く言えないと言った方が正解だという事だ。
でも雄介には何か言わないと……って思うようにはなってきた。
俺はベッドの上に座り直すと口を開く。
「ゴメン……あ、んー……あ、あのさ、俺は雄介とは全然ヤりたいとは思ってるんだけど、その……俺の性格が邪魔して……っていうのかな? その……まだ、そういう事に関して素直になれないっていうのかな? 俺はその……別に……雄介がしたいようにしてくれてもいいんだけど……あ、うん……ただ、素直になれなくて恥ずかしくて、そう言っちまうだけだからさ」
俺が雄介に言いたいのはそれだけだ……。 これで、雄介にちゃんと伝わったかな?
「んー……まぁ、望のそういうとこ分かってんねんけどな。 前にも言うた事あったやろ? たまには望からそういう事聞きたい事やってあるって事……あ、ぅん……違うかな? いや、望やって大分俺に対しては素直になってきたと思うし……あ、そういう事やなくて……」
と頭を掻いている雄介。
もうそこが雄介の焦れったい所で優しい所なんだろう。
俺は仕方なく雄介の手を取ると、
「じゃあ、逆に俺が前に言った事があるだろ? お前がしたいんなら、したいようにすればいいってさ」
その言葉に雄介は俺の方へと振り向く。
「あ……そうやったな」
「やっと、思い出したか?」
俺にしてはちょっと挑発的な言葉だったのかもしれない。
「ほなら、ホンマにええねんな?」
「だから、いいって言ってるじゃねぇか」
「そうやなくて……その、ええっていう言葉がな? ええっていう風にも取れるし、ダメっていう風にも取れてまうっていうんかなぁ?」
「あ! そういう事か!! 要はハッキリしない言葉だっていう事を言いたいんだな!」
「そういう事やねんって、ええってどっちにも取れる言葉やろ?」
「じゃあ、こういう場合、大丈夫だ! とか……うん! とハッキリと言って欲しいっていう事か?」
「え? まぁ、そういう事やねんな」
「じゃあ、分かった。 雄介のしたいようにしていいから」
「それやと今ひとつやねんなぁ?」
「……はぃいい!?」
「こう言葉がハッキリとしてないやんか、せやから、こうこっちも納得して出来るっていう風にはならんっていうんかな?」
「じゃあ……」
と俺は雄介が納得いきそうな言葉を考える。
もう今の俺には恥ずかしさとかいうのはどっかに飛んでしまったようだ。
「分かった!」
「雄介……俺は雄介の事が好きだから、雄介のやる事に関して文句は言わない!」
そう俺は真剣な瞳で雄介の事を見上げながら言うのだ。
いや、答えは分かっているのだけど、どうしても俺の性格からしてみたら、そういう事が上手く言えないと言った方が正解だという事だ。
でも雄介には何か言わないと……って思うようにはなってきた。
俺はベッドの上に座り直すと口を開く。
「ゴメン……あ、んー……あ、あのさ、俺は雄介とは全然ヤりたいとは思ってるんだけど、その……俺の性格が邪魔して……っていうのかな? その……まだ、そういう事に関して素直になれないっていうのかな? 俺はその……別に……雄介がしたいようにしてくれてもいいんだけど……あ、うん……ただ、素直になれなくて恥ずかしくて、そう言っちまうだけだからさ」
俺が雄介に言いたいのはそれだけだ……。 これで、雄介にちゃんと伝わったかな?
「んー……まぁ、望のそういうとこ分かってんねんけどな。 前にも言うた事あったやろ? たまには望からそういう事聞きたい事やってあるって事……あ、ぅん……違うかな? いや、望やって大分俺に対しては素直になってきたと思うし……あ、そういう事やなくて……」
と頭を掻いている雄介。
もうそこが雄介の焦れったい所で優しい所なんだろう。
俺は仕方なく雄介の手を取ると、
「じゃあ、逆に俺が前に言った事があるだろ? お前がしたいんなら、したいようにすればいいってさ」
その言葉に雄介は俺の方へと振り向く。
「あ……そうやったな」
「やっと、思い出したか?」
俺にしてはちょっと挑発的な言葉だったのかもしれない。
「ほなら、ホンマにええねんな?」
「だから、いいって言ってるじゃねぇか」
「そうやなくて……その、ええっていう言葉がな? ええっていう風にも取れるし、ダメっていう風にも取れてまうっていうんかなぁ?」
「あ! そういう事か!! 要はハッキリしない言葉だっていう事を言いたいんだな!」
「そういう事やねんって、ええってどっちにも取れる言葉やろ?」
「じゃあ、こういう場合、大丈夫だ! とか……うん! とハッキリと言って欲しいっていう事か?」
「え? まぁ、そういう事やねんな」
「じゃあ、分かった。 雄介のしたいようにしていいから」
「それやと今ひとつやねんなぁ?」
「……はぃいい!?」
「こう言葉がハッキリとしてないやんか、せやから、こうこっちも納得して出来るっていう風にはならんっていうんかな?」
「じゃあ……」
と俺は雄介が納得いきそうな言葉を考える。
もう今の俺には恥ずかしさとかいうのはどっかに飛んでしまったようだ。
「分かった!」
「雄介……俺は雄介の事が好きだから、雄介のやる事に関して文句は言わない!」
そう俺は真剣な瞳で雄介の事を見上げながら言うのだ。
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