上 下
117 / 881

ー鼓動ー116

しおりを挟む
「え? ぁあ! そうみたいやんな。 せやけど、気にする事ないやろ? 一緒に入るんやしな」
「え? あ、まぁ、そうなんだけどさ」

 確かに雄介の言う通りだ。 もう二人で入るのであれば確かに気にする所ではないのかもしれない。

 それに俺はさっきこういう所に来た事を吹っ切った筈だ。

 俺はいつものように雄介の目の前で洋服を脱ぎ始める。

 そう島にいる時だって、和也と裕実は一緒にお風呂に入っているんだから、俺達の方もそこは遠慮無しに一緒にお風呂に入っている。 そこはもう慣れていたからなのかもしれない。

 ただココがホテルだという事を意識しなければ普通に脱ぐ事が出来る筈だ。

 そして俺は眼鏡を取って洗面台へと置くと、雄介と一緒にお風呂場へと向かうのだ。

 お風呂場からだって、当然お風呂場の部屋面の壁がガラスになっているのだから部屋内が見えるという所だろう。

「へぇー、やっぱ、中から部屋が見えてしまうんだな」
「ああ、そうみたいやね」

 そう言いながら雄介はシャワーの蛇口を捻るのだ。

「望……先にお湯浴びてええで」
「え? あ、おう」

 そう言われて俺はシャワーのお湯を頭から浴びる。 汗でべた付いていた体にはホント丁度いい温度だ。

 そして汗を掻いた体に泡を付けるともっとサッパリとした気分になる。

「ふぁぁ!! マジ気持ちいい!!」

 それが今の俺の素直な感想だった。

 最後に顔と頭を洗ってスッキリとする俺。

 そして浴槽へと入る。

 しかしこういう所の浴槽というのは一般家庭のより少し大きめのような気がする。 当然、浴槽も広いんだからお風呂場だって広いようだ。

 大人でも悠々入れるような広さはあった。

 雄介が体を洗っている中、俺はそのゆったりとした浴槽の広さに体を完全に委ねて浸かっていた。

 そう俺は浴槽に浸かるのは苦手だったのだけど、雄介は浸からないと疲れが取れた気がしないという人間だったから雄介とお風呂に入る時というのは浸かる事が多くなった為慣れたという事だ。

 それからは確かに浴槽に浸かった方が疲れが取れるような気がして、雄介と入る時というのは浴槽に浸かるようになったのかもしれない。

 そして雄介の方も体を洗い終えたのか雄介も浴槽へと入って来る。

「はぁー、ココの風呂……めっちゃ広いやんか」
「あ、そっか、雄介は普通の人より背が高いから、家の風呂だと足とかって伸ばせてなかったしな」
「そういう事やんな、ここの風呂やと足伸ばせるしなぁ」

 そう正面同士で会話する俺達。

 雄介の言う通りで雄介が浴槽に入って来ても二人共、足を伸ばせる広さがある。

「やっぱ、たまにはこういう所に来てみたいもんだな」
「それは流石に無理だろ?」
「まぁな……」
「今回の場合には特別だったし、それに、朔望達もたまたま島に来てくれたおかげで俺達の方は東京に来れたんだしな」
「ま、確かにそうだったな」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

少年達は淫らな機械の上で許しを請う

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...