上 下
100 / 898

ー鼓動ー100

しおりを挟む
 本当に雄介は好きになったのが俺で良かったのであろうか? そう言う事っていうのは本当は女性に言って上げた方がいいんじゃないかと俺は思う。

 そこで俺は……

「な、本当にお前は俺でいいのか?」

 その質問に雄介の方は目を見開いてまで俺の事を見上げて来る。

「……へ? 何言うてるん?」
「えー、うーん……だからさ……本当にこのままずっと恋人っていうのは俺でいいのかな? って思ってさ」
「そんなん決まっておるやんか、もう、俺は望以外の人は絶対に好きになる事はないってなっ!」

 そう強く俺の方を向いて言ってくる雄介に嘘偽りなんて事は無さそうだ。

 寧ろ聞いた俺の方がバカみたいに思えてしまったからだ。

「ゴメン、そういう意味で聞いた訳じゃないんだけどさ。 なんていうの? ん……その、雄介って、男としてカッコいいって言うのかな? だからさ、俺の方が申し訳ないって思えてくるっていうのか」
「それこそ何言うてるん!? って感じになってくるんやけどな。 そこは、俺が望の事を好きになったんやから、望がそこ悲観するとこじゃないんやないの?」
「え? あ、まぁ、それもそうだよな?」

 やっぱ、俺、変な事、雄介に聞いてたのかもしれねぇよな。

「あのさ、最初、雄介は俺に一目惚れだったんだろ? 何処を好きになったんだ?」
「一目惚れって言うのは、見た瞬間から好きになったって事やで、せやから、それを一目惚れって言うねんやろ? んー、だからな、何処を好きになったっていう訳やないと思うねんなぁ?」
「あ、そっか。 もう、俺を見た瞬間から好きになってたっていう事なんだもんな」

 少し俺の言葉に呆れている雄介が少し可愛く見えてしまっているのは気のせいであろうか。

「あ、いや……その……俺が恋愛不足でゴメン」
「あ、いや……そういう事じゃないと思うねんな。 分からない事に関しては俺が教えるし。 ま、そういう俺も恋愛不足だけどな。 そうそう! 俺は望でまだまだ二人目やったしなぁ」
「ぁあ! 消防時代に居たって言ってたっけ?」
「でも、それは……俺から好きになったっていう訳じゃなくてな、相手から告白して来たっていうだけであって、好きになったっていう訳でもなかったような?」
「それでも、そいつとはシたんだろ? そういう事ってさ、相手の事好きじゃないと出来なくないのか?」
「え? あ、それは、どうなんやろ? え? あ、うーんと……そん時っていうのは、女性不足してシたくれシたくて……っていう時期やったからなぁ、そこっていうのはホンマ周りは男性しかおらんかったしな。 その……処理のはけ口みたいなもんやったし」
「それは、流石に失礼なんじゃねぇのか? そいつは雄介の事が好きでやらせてくれたんだろ?」
「え? あ、まぁ」
「それに、その人って、前に死んだって言ってなかったか?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...