60 / 881
ー鼓動ー60
しおりを挟む
今度は雄介の方が俺のその言葉にむせそうになっていた。
そして雄介の方は今度心配そうに顔を上げて来て、
「ちょ、今日の望……ホンマ大丈夫なんか!?」
「お前に心配される程じゃねぇよ……至って俺の方は真面目に言ってるんだからさ」
雄介はまた「ん?」っていう表情をすると、俺の額へと手を当てて来る。
「あ……確かに熱の方は無いみたいやわぁ」
「俺の今までの言葉、疑るのか?」
「あ、いや……そういう訳っていう事じゃなくてな、今日の望があまりにも素直過ぎて……あ、いやー、スマン、ほんの少しだけだけど、疑ってもうてたわぁ。 前に熱出した時に素直になったって事あったやんか」
「あ、まぁ……あったみたいだけどな」
「でも、熱が無いって事は、ホンマのホンマに本心やって事やろ?」
「あ……」
「まぁ、そういう事やんなぁ」
今雄介に疑われてしまった事で喧嘩しそうになったのだが、雄介の今の言葉で回避する事が出来たようにも思える。
雄介って凄いと改めて思った瞬間だったのかもしれない。
……医者になって、前よりも頭の回転が良くなったって事なのか? それとも今はもう俺と喧嘩したくは無いと思ったからなのかな?
ま、どっちにしても喧嘩を回避する事が出来た事が良かったのかもしれない。
そして食事を終わらせる俺。
「ごちそうさまでした」
そう真面目に言えたのも久しぶりなのかもしれない。
いや毎日のように食事を作ってくれている雄介には感謝しているのだけど、今までの日々が忙し過ぎて忘れ掛けていた一つだったのかもしれない。
「俺の方もごちそうさまでした」
そう手を合わせていう雄介に、
「結構、雄介って真面目なんだな」
「へ? 何がや?」
「最後にそうやって手を合わせてみる所とかさ」
「へ? 俺の方は毎日やってる事やで」
そうさらりと言っている雄介に、
「ゴメン……そんな事、今まで全くもって気付いてなかった事だからさ」
「ま、しゃーないよ……ホンマ島での生活も含めて忙しかったんやからなぁ」
そう言われて、俺の方は反省する。
「島に居る時っていうのは、特に……みんなと居る訳やろ? せやから、気付かないって事は気付かへんやろな?」
「え? あ、うん」
「あ、いや……そこ、ヘコむとこ違うで……逆や逆。 今、こうやってゆっくりと東京に来れて、心にも余裕が出来て来て気付けた事なんやろ? ほな、それはそれでええ事やんか」
そう笑顔で言って来てくれる雄介に俺の方も何だか安心してきたようにも思える。
そして雄介の方は今度心配そうに顔を上げて来て、
「ちょ、今日の望……ホンマ大丈夫なんか!?」
「お前に心配される程じゃねぇよ……至って俺の方は真面目に言ってるんだからさ」
雄介はまた「ん?」っていう表情をすると、俺の額へと手を当てて来る。
「あ……確かに熱の方は無いみたいやわぁ」
「俺の今までの言葉、疑るのか?」
「あ、いや……そういう訳っていう事じゃなくてな、今日の望があまりにも素直過ぎて……あ、いやー、スマン、ほんの少しだけだけど、疑ってもうてたわぁ。 前に熱出した時に素直になったって事あったやんか」
「あ、まぁ……あったみたいだけどな」
「でも、熱が無いって事は、ホンマのホンマに本心やって事やろ?」
「あ……」
「まぁ、そういう事やんなぁ」
今雄介に疑われてしまった事で喧嘩しそうになったのだが、雄介の今の言葉で回避する事が出来たようにも思える。
雄介って凄いと改めて思った瞬間だったのかもしれない。
……医者になって、前よりも頭の回転が良くなったって事なのか? それとも今はもう俺と喧嘩したくは無いと思ったからなのかな?
ま、どっちにしても喧嘩を回避する事が出来た事が良かったのかもしれない。
そして食事を終わらせる俺。
「ごちそうさまでした」
そう真面目に言えたのも久しぶりなのかもしれない。
いや毎日のように食事を作ってくれている雄介には感謝しているのだけど、今までの日々が忙し過ぎて忘れ掛けていた一つだったのかもしれない。
「俺の方もごちそうさまでした」
そう手を合わせていう雄介に、
「結構、雄介って真面目なんだな」
「へ? 何がや?」
「最後にそうやって手を合わせてみる所とかさ」
「へ? 俺の方は毎日やってる事やで」
そうさらりと言っている雄介に、
「ゴメン……そんな事、今まで全くもって気付いてなかった事だからさ」
「ま、しゃーないよ……ホンマ島での生活も含めて忙しかったんやからなぁ」
そう言われて、俺の方は反省する。
「島に居る時っていうのは、特に……みんなと居る訳やろ? せやから、気付かないって事は気付かへんやろな?」
「え? あ、うん」
「あ、いや……そこ、ヘコむとこ違うで……逆や逆。 今、こうやってゆっくりと東京に来れて、心にも余裕が出来て来て気付けた事なんやろ? ほな、それはそれでええ事やんか」
そう笑顔で言って来てくれる雄介に俺の方も何だか安心してきたようにも思える。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる