上 下
11 / 881

ー鼓動ー11

しおりを挟む
「ほなら、みんなでソファの方で食べたらええんと違う? あっこでなら、大人五人でやって食べる事が出来るしなぁ」
「それもそうだな」

 と和也はその雄介の意見に素直に従ったようだ。

「んじゃあ、ご飯にしようか? 全員、ここに居んだから、自分のは自分ので持っててなぁ、そしたら、早いし」
「そうですよねぇ、さっさとご飯を食べて診療所の用意しなければなりませんしね」
「そういう事」

 和也と裕実の言葉で俺達は自分で食器を運び、それをソファへと持って行くのだ。

 そして全員がソファへと着くと「いただきます」と言って食事を始める。

「俺達は朔望の言う通りに明日から東京の方に行く事になったし、明日からは暫く朔望と歩夢とで、診療所の方を見てくれるっていうし、とりあえず、今日は朔望と歩夢で診療所の方をやって欲しいねんけど」
「あ、成る程ねぇ。 で、どんな感じにやってくれてるのか? っていうのを雄兄さん達は見たいっていう訳ね」
「ま、そういう事やねんなぁ。 ほら、診療所と病院ではシステムみたいなのは違うやろうしな」
「ま、そうだよね」
「せやから、今日は朔望達に診療所の方を任せたいんやって」
「うん! いいよ。 僕的にはね、動かないより動いていた方がいいしね」
「ほなら、今日は診療所の方を朔望達に任せるな。 ほんで、歩夢にはもうこの事を知らせておるんか?」
「ま、ねぇ……もう、その事をさっきメールで伝えておいたけど、ま、そろそろ来るんじゃないのかな?」

 その朔望の言葉に俺達は朔望の方に視線を向ける。

「……へ? だって俺達と話ししてる時にだろ?」
「うん! 携帯弄りながら僕話ししてたしね。 もしかして、全くもってそこに気付いてなかったの!? 僕、話しながら携帯でメール打ってたんだけどなぁ」

 朔望という人間はそこの所は本当に器用だと思う。 普通、話しながら携帯を弄るって事出来るのであろうか。 そこは俺には出来ない所だ。

「病院で働いているなら、そういう事、しょっちゅうでしょう? だからさ……だから慣れたっていうのかな? だって、話をした後にメールするとかっていうにめんどくさくない?」

 ま、確かにそうなのかもしれないけど。 普通の人間っていうのはあんまりそこまで器用じゃないと思う。

 とその時玄関のチャイムが部屋内に響き渡る。

「ほな、俺、出て来るな」

 そう言って玄関の方に向かったのは雄介だ。 本当に雄介って体を動かす事が好きなのか、そういう事は率先してやる方なのかもしれない。

 そして雄介がここに連れて来たのは歩夢だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

少年達は淫らな機械の上で許しを請う

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...