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 なんだかんだでとりあえずコース料理を食べたのだけど僕のお腹には本当にいっぱいいっぱいだった。

 でも緊張し過ぎてって感じでお腹に入っていかなかったのかもしれない。

 食後にジュースが運ばれて来て聖の前にも薄黄色の何かが運ばれて来ていた。 その中では炭酸ジュースのように泡ぷくぷくとしているのが見える。

 僕は未成年だから、お酒とかいうのは分からない。 だから聖が頼んだ飲み物の種類は分からなかった。

 ……色からしてアップルの炭酸ジュース?

 っていう感じだ。

「聖の飲み物は?」

 そう僕が聞くと、

「シャンパンだよ……」

 と答えてくれる。

「とりあえずさ……今日は、聖の高校卒業お祝いだろ? 乾杯しようか?」
「あ、うん……」
 
 そこで僕は頭を頷かせる。

 ……聖のはやっぱ、お酒だったんだ……。 ま、たまにはいいよね? 昼間にお酒飲んだって……。

 と思いながら僕はグラスを少し掲げると聖の方もグラスを掲げてくる。

 そして、2人で声を合わせて、

「乾杯」

 聖も僕もシャンパン、ジュースを一口口にすると急に聖が真面目な顔をして僕の事を見つめてきた。

 その聖の表情に僕は目をパチクリとさせる。

「それと……」

 で、言葉を止める聖。

 更に僕の頭の中ではハテナマークだ。

 きっと卒業お祝いと……という事だろうか?

 ……僕、卒業祝いの他に何かあったかな?

 そう少し考えていると、急に聖が内ポケットに手を入れて、

「これ……」

 そう言って僕の前に聖は箱らしき物を出してくる。

 ……こ、これ!?

「卒業祝いのプレゼント?」
「まぁ、そうとも言うのかな? ってか、この箱で聖は気付かないのかい?」

 そう言われて僕は頭の中でその箱について検索してみる。

 ……どっかで見た事あるような?

 でも僕の頭の中ではなかなかピンと来るもんではなかった。

 ……あ! ドラマとかで見た事あったなーー。

 あるドラマのシーンを思い浮かべて、頭の中にあるドラマはゆっくりとそのシーンが進んでいく。

 ……あ、あーーそうそう! その小さな箱っていうのは……!?
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