【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

【番外編】白い天使が舞い降りた夜3

　確かにマフラーというのは本当に暖かい物ではあるのだけど、もしかしたら俺達の場合っていうのか、恋人同士の場合には温もりとか愛情とかのおかげで暖かいのもあるのかもしれない。

「ホント……雄介って何でも出来るんだな……」

　そう俺は誰もいない車の中で独り言を呟き、暫くの間、車の中でボッーとしていた。

　もしかしたら、色々な想いに浸っていたのかもしれない。　嬉しい想いや温もりや雄介の優しさやら……あ、それを総合して幸せな気分に浸っていたのであろう。

　だが急に誰かに車の窓ガラスをノックされて現実へと戻されてしまった俺。　ノックされた方へと視線を移すとそこには警察官が立っていた。

　そこに一瞬ヒヤっとしながらも、自分は特に悪い事はしていないと思った筈だったのだが、よくよく考えると、ここは消防署の前で警察官に軽く注意を受けてしまう。　警察官もクリスマスだというのに休みが無い事に気付きながらも車をやっとの事で発進させる俺。

　家に向かって車を走らせていると、チラチラと白い妖精が舞い降りて来た。

「ホワイトクリスマスかぁ……」

　こんなロマンチックな事、雄介と付き合ってなかったら何とも思ってなかった事なのかもしれないのだが、雄介という恋人が出来てからは少し自分の中で何かが変わってきているのかもしれない。

　来年のクリスマスは一緒にいたいよな？

　いや、今の俺達のサンタさんへの願いは、

『雄介と一緒にクリスマスはいたい』

　だな。

　あ、でも……サンタさんの場合は願い事ではなくて、欲しい物だったかな？　それでも、来年はそう願いたい。

END