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【番外編】天使が舞い降りた夜1
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今日は十二月二十五日。
世間ではクリスマスというキリストの誕生祭と言われている日である。
何十年前位までは日本にクリスマスなんていうのは浸透してなかったのだが、いつの頃からか日本にもそのクリスマスが浸透していた。 きっと日本の場合には誕生祭という訳ではなく子供達がサンタさんから一年間頑張って来たご褒美としてプレゼントが貰える日という事で祝うようになったのかもしれない。
俺は仕事を終えた後に和也と一緒に帰るかを迷っていた。 そう今日という日はクリスマスで子供達もサンタさんが来るのを待ってる日でもあるのだけど、大人達は恋人達や家族達と一緒に過ごし楽しむ日だろう。
恋人達は二人でいつもとは違い高級レストランに行って、恋人にプレゼントを渡したり、家族が集まりパーティーを開いたりと一年で一番街がこう賑やかでみんながみんなウキウキとするという日というのは今日だけなのかもしれない。
だが俺の恋人である雄介はクリスマスも関係なく働いていた。 いや俺だってクリスマスなんか関係無しに働く職業ではあるのだが、こういう時に限って夜勤ではなかったのだ。
このまま家に帰っても恋人いない家というのはただただ寂しいだけだ。 きっとテレビを付けたってクリスマス一色だろう。
なら今日という日は急いで帰宅する事もなく、俺は椅子に座ってパソコンを使い勉強をした方がいいと思い視線を向ける事にする。
その間に和也はさっさと着替え、和也の方はどうやら恋人の裕実と今日はクリスマスデートに出掛けるようだ。 いつものように着替えの為にロッカールームに入ったもののいつも以上に時間も掛かってる事もあるのだが、そこから出てくると新調したばかりのスーツ姿で出てきたのだから。
そして和也の方は俺に向かって、
「お疲れ様ー!」
と言って部屋を出て行く。
俺はそんな和也の後ろ姿に息を吐くのだ。
確かに俺は本当に小さい頃からクリスマスに興味はなかった。 サンタさんを信じないという冷めた小学生だったのかもしれないのだけど、サンタさんを信じる信じないというお年頃にはもう両親の方はもうアメリカに行ってしまっていたからなのかもしれない。 親がいないパーティーっていうのは何かが足りない気がする。 だから、あんま楽しくはなかった筈だったのだけど、雄介と付き合い出してからは、そういうイベント毎というのは気になるようになってきていた。
フッと掛け時計の方に視線を向けると、もう八を回っていた。 後もう少しでクリスマスが終わってしまう。
まぁ、誰もいない部屋に帰宅しても仕方がないのだけど、とりあえず帰宅して体を休ませた方がいいと思い、俺は着替える為にロッカールームへと向かう。
ロッカーを開けるとつい癖で携帯を開いてしまうのだ。 確かに今日は誰からもメールは来てないと思いながらももう癖であるのだからこう無意識に携帯を開いていたのかもしれない。
すると今日はもう誰からもメールが来てないと思って携帯を開いたのだが、その画面には、『メール一件』の文字が俺の目に飛び込んで来た。
ま、迷惑メールの類いだろうと思いながら来ていたメールを開くと思いもしなかった人物からのメールで一瞬鼓動が早くなったのが分かった。
久しぶりの鼓動の速さに呼吸までも乱れそうになったのだが、内容を読み始める俺。
『十二月二十五日 19時四十五
今な……休憩中やねんけど……春坂消防署の前まで来てくれへんか?
って、あ! スマン! 休憩時間の方が残り三十分からあらへんから急いで来て欲しいねんけどな……』
その雄介からのメールに慌てて時間を確認すると既に二十時を回っていた。
世間ではクリスマスというキリストの誕生祭と言われている日である。
何十年前位までは日本にクリスマスなんていうのは浸透してなかったのだが、いつの頃からか日本にもそのクリスマスが浸透していた。 きっと日本の場合には誕生祭という訳ではなく子供達がサンタさんから一年間頑張って来たご褒美としてプレゼントが貰える日という事で祝うようになったのかもしれない。
俺は仕事を終えた後に和也と一緒に帰るかを迷っていた。 そう今日という日はクリスマスで子供達もサンタさんが来るのを待ってる日でもあるのだけど、大人達は恋人達や家族達と一緒に過ごし楽しむ日だろう。
恋人達は二人でいつもとは違い高級レストランに行って、恋人にプレゼントを渡したり、家族が集まりパーティーを開いたりと一年で一番街がこう賑やかでみんながみんなウキウキとするという日というのは今日だけなのかもしれない。
だが俺の恋人である雄介はクリスマスも関係なく働いていた。 いや俺だってクリスマスなんか関係無しに働く職業ではあるのだが、こういう時に限って夜勤ではなかったのだ。
このまま家に帰っても恋人いない家というのはただただ寂しいだけだ。 きっとテレビを付けたってクリスマス一色だろう。
なら今日という日は急いで帰宅する事もなく、俺は椅子に座ってパソコンを使い勉強をした方がいいと思い視線を向ける事にする。
その間に和也はさっさと着替え、和也の方はどうやら恋人の裕実と今日はクリスマスデートに出掛けるようだ。 いつものように着替えの為にロッカールームに入ったもののいつも以上に時間も掛かってる事もあるのだが、そこから出てくると新調したばかりのスーツ姿で出てきたのだから。
そして和也の方は俺に向かって、
「お疲れ様ー!」
と言って部屋を出て行く。
俺はそんな和也の後ろ姿に息を吐くのだ。
確かに俺は本当に小さい頃からクリスマスに興味はなかった。 サンタさんを信じないという冷めた小学生だったのかもしれないのだけど、サンタさんを信じる信じないというお年頃にはもう両親の方はもうアメリカに行ってしまっていたからなのかもしれない。 親がいないパーティーっていうのは何かが足りない気がする。 だから、あんま楽しくはなかった筈だったのだけど、雄介と付き合い出してからは、そういうイベント毎というのは気になるようになってきていた。
フッと掛け時計の方に視線を向けると、もう八を回っていた。 後もう少しでクリスマスが終わってしまう。
まぁ、誰もいない部屋に帰宅しても仕方がないのだけど、とりあえず帰宅して体を休ませた方がいいと思い、俺は着替える為にロッカールームへと向かう。
ロッカーを開けるとつい癖で携帯を開いてしまうのだ。 確かに今日は誰からもメールは来てないと思いながらももう癖であるのだからこう無意識に携帯を開いていたのかもしれない。
すると今日はもう誰からもメールが来てないと思って携帯を開いたのだが、その画面には、『メール一件』の文字が俺の目に飛び込んで来た。
ま、迷惑メールの類いだろうと思いながら来ていたメールを開くと思いもしなかった人物からのメールで一瞬鼓動が早くなったのが分かった。
久しぶりの鼓動の速さに呼吸までも乱れそうになったのだが、内容を読み始める俺。
『十二月二十五日 19時四十五
今な……休憩中やねんけど……春坂消防署の前まで来てくれへんか?
って、あ! スマン! 休憩時間の方が残り三十分からあらへんから急いで来て欲しいねんけどな……』
その雄介からのメールに慌てて時間を確認すると既に二十時を回っていた。
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