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【番外編】恋心は桜色3
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そして、この辺いったいに明るく元気な声が響いていたのだろうと思いながら俺はまだ完全に整備されていない砂利道の上をリズムよく音を鳴らしながら歩き続ける。
子供達の気配がなくなってしまった散歩道は、今はもう静かな感じがするのだが、夕方になると仕事帰りのサラリーマンや犬の散歩をするおばさんや仕事が終わってからなのかジョギングをしている男性の姿も見える。
この川沿いの道は子供達が帰ってしまい寂しい道かと思ったが、夕方以降になっても今度は大人達が利用して賑やかな感じがする。
そんな中、先程正面から走って来た男性の姿が徐々に俺に近付いてきていていた。 そしてリズムよく走り続けている姿が視界に入ってきて来るのだ。 その男性は紺色のジャージを着て頭までジャージの帽子を被り走っていた。
その男は俺との距離が五十メートル位になると何故か俺に向かい手を振ってくる。
俺は目を細め段々と近づいて来る男性の顔を見ていると、誰だかと思えば、それは雄介だった。
「なーんだお前か……」
「そりゃないやろー? 朝、お前が歩きが憂鬱そうやったし、ジョギングついでやったから、お前んこと迎えに来たんや……」
「よくこの道で帰って来るって分かったな」
「前に言うてたやろ? 歩きやと、この道が一番近いってな……」
「言ったか?」
俺はそんなことを雄介に告げた覚えはなく、首を傾げながら雄介のことを見上げる。
「……って、それはいいんだけどさぁ、そんなに汗を流して、どんだけお前走ってんだ?」
「ん? もう、一時間位は走ってんで……」
「はぁ? 一時間も!?」
「当たり前やんかぁ、そん位走らんと鍛えられへんしな……」
……雄介は日頃からこれだけ鍛えているからこそ、あの逞しい体を保っていられるんだな。
「もう、いいのか?」
「望と一緒に帰るんやったら……歩きで構わへんよ。 それに十分走っておったしな」
「ま、まぁ……」
一時間も走っていたというのに雄介はあまり息が上がっていなかった。
それだけ毎日のように鍛えているのであろう。
「……って、雄介! そんなに走ったんだから、帰って直ぐに水分とるんだからな!」
「分かっとるがなぁ」
その雄介の答えに俺は幸せそうな笑みを雄介へと向ける。
まさか今日は帰りは歩きで憂鬱だと思っていたのだが、雄介が迎えに来たことで憂鬱ではなくなったような気がする。
そう雄介が迎えに来てくれるとは思ってなかったから。 やっぱり、たまにはこういうのもいいかもな。
アイツのおかげで歩くのが楽しくなったしな。
子供達の気配がなくなってしまった散歩道は、今はもう静かな感じがするのだが、夕方になると仕事帰りのサラリーマンや犬の散歩をするおばさんや仕事が終わってからなのかジョギングをしている男性の姿も見える。
この川沿いの道は子供達が帰ってしまい寂しい道かと思ったが、夕方以降になっても今度は大人達が利用して賑やかな感じがする。
そんな中、先程正面から走って来た男性の姿が徐々に俺に近付いてきていていた。 そしてリズムよく走り続けている姿が視界に入ってきて来るのだ。 その男性は紺色のジャージを着て頭までジャージの帽子を被り走っていた。
その男は俺との距離が五十メートル位になると何故か俺に向かい手を振ってくる。
俺は目を細め段々と近づいて来る男性の顔を見ていると、誰だかと思えば、それは雄介だった。
「なーんだお前か……」
「そりゃないやろー? 朝、お前が歩きが憂鬱そうやったし、ジョギングついでやったから、お前んこと迎えに来たんや……」
「よくこの道で帰って来るって分かったな」
「前に言うてたやろ? 歩きやと、この道が一番近いってな……」
「言ったか?」
俺はそんなことを雄介に告げた覚えはなく、首を傾げながら雄介のことを見上げる。
「……って、それはいいんだけどさぁ、そんなに汗を流して、どんだけお前走ってんだ?」
「ん? もう、一時間位は走ってんで……」
「はぁ? 一時間も!?」
「当たり前やんかぁ、そん位走らんと鍛えられへんしな……」
……雄介は日頃からこれだけ鍛えているからこそ、あの逞しい体を保っていられるんだな。
「もう、いいのか?」
「望と一緒に帰るんやったら……歩きで構わへんよ。 それに十分走っておったしな」
「ま、まぁ……」
一時間も走っていたというのに雄介はあまり息が上がっていなかった。
それだけ毎日のように鍛えているのであろう。
「……って、雄介! そんなに走ったんだから、帰って直ぐに水分とるんだからな!」
「分かっとるがなぁ」
その雄介の答えに俺は幸せそうな笑みを雄介へと向ける。
まさか今日は帰りは歩きで憂鬱だと思っていたのだが、雄介が迎えに来たことで憂鬱ではなくなったような気がする。
そう雄介が迎えに来てくれるとは思ってなかったから。 やっぱり、たまにはこういうのもいいかもな。
アイツのおかげで歩くのが楽しくなったしな。
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