1,932 / 2,140
ー希望ー86
しおりを挟む
まさか雄介の父親が居るとは思っていなかったのであろう。 だからなのか二人の間には沈黙が流れてしまう。
雄介も雄介の父親も何を話たらいいのか、どうしたらいいのか迷っているのかもしれない。
そんな中、雄介は気になったことを美里へと問うのだ。
「今回は何で、あの飛行機に乗っておったん?」
「お父さんは東京に居るからいつでも会えるんだけど、お母さんに暫く会ってなかったでしょ? だから、会いに行こうとあの飛行機に乗ったら、事故に巻き込まれてしまったって訳よ」
「そうやったんか……」
それが気になっただけで雄介は他に聞きたいことはなく再び病室内に沈黙が流れてしまったようだ。
そんな中、望が美里の病室に現れ、美里と琉斗以外の知らない人物に歩みを止めてしまう。 しかも空気が悪い事にも気付いたのかもしれない。 望はそこで動きを止めてしまったのだから。
雄介はそんな望の気配に気付き、
「望……?」
「ああ、おう……」
望はそう答えるだけで、この重たい空気にどうしたらいいのか戸惑ってしまったようだ。 この見えない重たい空気に望は完全に飲まれてしまっているという事だろう。
きっと美里や琉斗だけなら、こんな空気はないのかもしれない。 だが今はその二人の他にもう一人居て、その男性が居るだけで、いつもと空気が違うのも望にも分かってしまったのだから病室に入る前に足を止めてしまったという事だ。
そんな中、まだ幼い琉斗はそんな空気を読める訳もなく足を抱え、
「足が痛ーい」
と訴えるのだ。
「……へ? ああ……」
その琉斗の訴えに雄介は琉斗の背丈に合わせ座ると、
「鎮痛効果がなくなってもうたんやな。 ちょっと待っててなぁ、痛め止めの注射したるし、それとも注射が嫌やったら薬にすんねんけど……? どないする?」
「注射は嫌だから、薬でいい!」
「せやな……やっぱり、琉斗位の年やと注射は嫌いやんなぁ」
雄介は琉斗に笑顔を見せると、琉斗の頭を撫でその場に立ち上がるのだ。
「ほな、薬持ってくるし、待っておって……」
そう言うと雄介は病室を出て行こうとしたのだが、望は病室を出て行こうとする雄介の腕を引き、小さな声で、
「俺が行って来るよ」
「ええって……俺、あの空気に耐えられそうもないし」
「そんなこと言ったら、俺の方が居心地悪いじゃねぇか」
「ほなら、とりあえず望も行くか?」
「ああ、そうだな」
そう言うと二人は美里の病室を出て行く。
雄介も雄介の父親も何を話たらいいのか、どうしたらいいのか迷っているのかもしれない。
そんな中、雄介は気になったことを美里へと問うのだ。
「今回は何で、あの飛行機に乗っておったん?」
「お父さんは東京に居るからいつでも会えるんだけど、お母さんに暫く会ってなかったでしょ? だから、会いに行こうとあの飛行機に乗ったら、事故に巻き込まれてしまったって訳よ」
「そうやったんか……」
それが気になっただけで雄介は他に聞きたいことはなく再び病室内に沈黙が流れてしまったようだ。
そんな中、望が美里の病室に現れ、美里と琉斗以外の知らない人物に歩みを止めてしまう。 しかも空気が悪い事にも気付いたのかもしれない。 望はそこで動きを止めてしまったのだから。
雄介はそんな望の気配に気付き、
「望……?」
「ああ、おう……」
望はそう答えるだけで、この重たい空気にどうしたらいいのか戸惑ってしまったようだ。 この見えない重たい空気に望は完全に飲まれてしまっているという事だろう。
きっと美里や琉斗だけなら、こんな空気はないのかもしれない。 だが今はその二人の他にもう一人居て、その男性が居るだけで、いつもと空気が違うのも望にも分かってしまったのだから病室に入る前に足を止めてしまったという事だ。
そんな中、まだ幼い琉斗はそんな空気を読める訳もなく足を抱え、
「足が痛ーい」
と訴えるのだ。
「……へ? ああ……」
その琉斗の訴えに雄介は琉斗の背丈に合わせ座ると、
「鎮痛効果がなくなってもうたんやな。 ちょっと待っててなぁ、痛め止めの注射したるし、それとも注射が嫌やったら薬にすんねんけど……? どないする?」
「注射は嫌だから、薬でいい!」
「せやな……やっぱり、琉斗位の年やと注射は嫌いやんなぁ」
雄介は琉斗に笑顔を見せると、琉斗の頭を撫でその場に立ち上がるのだ。
「ほな、薬持ってくるし、待っておって……」
そう言うと雄介は病室を出て行こうとしたのだが、望は病室を出て行こうとする雄介の腕を引き、小さな声で、
「俺が行って来るよ」
「ええって……俺、あの空気に耐えられそうもないし」
「そんなこと言ったら、俺の方が居心地悪いじゃねぇか」
「ほなら、とりあえず望も行くか?」
「ああ、そうだな」
そう言うと二人は美里の病室を出て行く。
0
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
出産は一番の快楽
及川雨音
BL
出産するのが快感の出産フェチな両性具有総受け話。
とにかく出産が好きすぎて出産出産言いまくってます。出産がゲシュタルト崩壊気味。
【注意事項】
*受けは出産したいだけなので、相手や産まれた子どもに興味はないです。
*寝取られ(NTR)属性持ち攻め有りの複数ヤンデレ攻め
*倫理観・道徳観・貞操観が皆無、不謹慎注意
*軽く出産シーン有り
*ボテ腹、母乳、アクメ、授乳、女性器、おっぱい描写有り
続編)
*近親相姦・母子相姦要素有り
*奇形発言注意
*カニバリズム発言有り
淫紋付けたら逆襲!!巨根絶倫種付けでメス奴隷に堕とされる悪魔ちゃん♂
朝井染両
BL
お久しぶりです!
ご飯を二日食べずに寝ていたら、身体が生きようとしてエロ小説が書き終わりました。人間って不思議ですね。
こういう間抜けな受けが好きなんだと思います。可愛いね~ばかだね~可愛いね~と大切にしてあげたいですね。
合意のようで合意ではないのでお気をつけ下さい。幸せラブラブエンドなのでご安心下さい。
ご飯食べます。
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
クソザコ乳首くんの出張アクメ
掌
BL
おさわりOK♡の家事代行サービスで働くようになった、ベロキス大好きむっつりヤンキー系ツン男子のクソザコ乳首くんが、出張先のどすけべおぢさんの家で乳首穴開き体操着でセクハラ責めされ、とことんクソザコアクメさせられる話。他腋嗅ぎ、マイクロビキニなど。フィクションとしてライトにお楽しみください。
ネタの一部はお友達からご提供いただきました。ありがとうございました!
pixiv/ムーンライトノベルズにも同作品を投稿しています。
なにかありましたら(web拍手)
http://bit.ly/38kXFb0
Twitter垢・拍手返信はこちらから
https://twitter.com/show1write
ある宅配便のお兄さんの話
てんつぶ
BL
宅配便のお兄さん(モブ)×淫乱平凡DKのNTR。
ひたすらえっちなことだけしているお話です。
諸々タグ御確認の上、お好きな方どうぞ~。
※こちらを原作としたシチュエーション&BLドラマボイスを公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる