【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー平和ー103

「そっか……なら、また、明後日な」

　和也はそう言うと、朔望の背中を押し望の病室を出て行く。

　和也達が病室からいなくなってから、五分もしないうちに雄介は学生らしい服装でGパンにシャツにリュックというカジュアルな服装で入って来る。

「ほな、帰るか?」
「ああ、そうだな」
「せやけど、今日は車で来てないし、歩きで帰ることになるんやけどええか？」
「たまにはいいんじゃねぇの?」

　雄介は会話をしている間に望の荷物を持つと、先に病室を出て行く。

　久々に病院から出た望は、腕を天へと伸ばし体を伸ばすのだ。

「久しぶりに外に出たような気がするわぁ」
「そうやろな……。　一ヶ月も入院しとったら、久しぶりってのも無理ないわぁ」
「まぁな……」
「とりあえず、夕食の買い物して行かなぁアカンねんけど」
「そうなのか。　じゃあ、いつものスーパーで買い物して帰るか?   ってか、雄介が作る飯も久しぶりような気がするしなぁ」
「あ、まぁ……ここんとこ忙しかったしな。　忙しいで思い出したんやけど、前より少し落ち着いたし、望との時間が出来るようになったんやけど……」
「そうなのか？」

　望はその雄介の言葉に笑顔になると、望は雄介の少し後ろを歩いていたのだが、足を一歩出し雄介と歩みを揃える。

「しかし、あの地震からかなり経ったけどさぁ、いつの間にか、前と変わらない街になってたよな」
「そう言われてみればそやね。　あの時はホンマ、何もかもなくなっていたけど、今は、あの地震があったのが嘘みたいやわぁ。   でも、いいように考えれば、一瞬にして地震で街並みは無くなってもうたけど、新しく生まれ変われるっていういい機会になったんと違うかなぁ？　確かに、昔のままっていうのもええとは思うねんけどな。　日本は地震が多い国やし、人の力で更に地震に強い街になってった方がええのかなぁ？　ってな……」
「確かにそうだよな。　今は耐震構造のマンションとか一軒家とか出来るんだから、また、地震が起きた時には、沢山の人達が生き残ることが出来る訳だしさ」
「そういうこっちゃ」