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ー平和ー72
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その頃、裕実達は銀行強盗犯達に連れて行かれ犯人達のアジトだと思われる場所に監禁されていた。
だが、その場所は倉庫等ではなく、
「ここは、どうやら、ただの家みたいだね」
朔望や裕実はもうロープで縛られてなく、部屋内は自由に歩くことが出来るらしい。 ただドアは外から鍵を掛けられていて簡単には外には出られないようだ。
「そうみたいですね。 一般家庭の二階みたいですよ」
裕実は窓際に向かうと、周りの風景を確認する。
「そういえば、強盗達に人質にされた女性が僕達と一緒にいないようなんだけど? その女性はどうしたんだろ?」
「僕達とは別の部屋に居るのでしょうか?」
「この間取りだと、この家はそんなに広くなさそうな感じだけどなぁ」
その朔望の言葉に裕実は少し考えると、
「……もしかして、その女性も犯人達の仲間だったんじゃないんでしょうか? だって、あの時、犯人に指名された時にそんなに焦った様子ではなかったようですしね」
「そっか……確かにそうなのかもしれないよね。 普通なら、もっと抵抗する筈だしねぇ。 そう! 特に大切な人が居るならば、もっと抵抗する筈なのに、あの女性はそんなに抵抗せずに、あっさりと犯人達に連れて行かれたって感じだったしね」
「……ということは僕達がやったことは無駄骨だったっていう事でしょうか?」
裕実はそうぼそりと言うのだ。
「無駄骨……ね。 ま、それはそれで別にいいんだけどさ」
朔望は腰を下ろすと、
「ベッドもあるけど……一つしかないのか。 じゃあ、本宮さんと一緒に寝るしかないのかな?」
「……って、吉良さんは、ここに泊まって行く気ですか?」
裕実はあまり人と話さないタイプではあるのだが、どうやら朔望は望とそっくりだからなのかこう気兼ねなく話せているようにも思える。
「流石に、本宮さんはここに泊まる気はないか」
「ありませんよー。 せめて、今日中にはここから出ますよ! だって、和也の方も心配してますしね」
「そっか……"和也"……ね。 やっぱり、本宮さんは梅沢さんのことが本当に好きなんだ」
「好きですよ! 好きに決まってるじゃないですか!」
裕実は朔望の近くまで行くと、四つん這いになって、乗り出しそう強く朔望に向かって言うのだ。
「……ん? あ、ああ……ちょ、分かったって……」
「本当に吉良さんは人を愛したことはないんですか? いつでも恋人の事って心配するもんなんですよ! 例え、喧嘩していても! 好きなのは好きなんですから!」
だが、その場所は倉庫等ではなく、
「ここは、どうやら、ただの家みたいだね」
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「そうみたいですね。 一般家庭の二階みたいですよ」
裕実は窓際に向かうと、周りの風景を確認する。
「そういえば、強盗達に人質にされた女性が僕達と一緒にいないようなんだけど? その女性はどうしたんだろ?」
「僕達とは別の部屋に居るのでしょうか?」
「この間取りだと、この家はそんなに広くなさそうな感じだけどなぁ」
その朔望の言葉に裕実は少し考えると、
「……もしかして、その女性も犯人達の仲間だったんじゃないんでしょうか? だって、あの時、犯人に指名された時にそんなに焦った様子ではなかったようですしね」
「そっか……確かにそうなのかもしれないよね。 普通なら、もっと抵抗する筈だしねぇ。 そう! 特に大切な人が居るならば、もっと抵抗する筈なのに、あの女性はそんなに抵抗せずに、あっさりと犯人達に連れて行かれたって感じだったしね」
「……ということは僕達がやったことは無駄骨だったっていう事でしょうか?」
裕実はそうぼそりと言うのだ。
「無駄骨……ね。 ま、それはそれで別にいいんだけどさ」
朔望は腰を下ろすと、
「ベッドもあるけど……一つしかないのか。 じゃあ、本宮さんと一緒に寝るしかないのかな?」
「……って、吉良さんは、ここに泊まって行く気ですか?」
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「流石に、本宮さんはここに泊まる気はないか」
「ありませんよー。 せめて、今日中にはここから出ますよ! だって、和也の方も心配してますしね」
「そっか……"和也"……ね。 やっぱり、本宮さんは梅沢さんのことが本当に好きなんだ」
「好きですよ! 好きに決まってるじゃないですか!」
裕実は朔望の近くまで行くと、四つん這いになって、乗り出しそう強く朔望に向かって言うのだ。
「……ん? あ、ああ……ちょ、分かったって……」
「本当に吉良さんは人を愛したことはないんですか? いつでも恋人の事って心配するもんなんですよ! 例え、喧嘩していても! 好きなのは好きなんですから!」
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