【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー平和ー7

　明日は望達は丁度オフの日でもある。

　望は確かに今はやることが沢山あってか忙しいのではあるのだが、裕実の一言で久しぶりに何もかもオフにしようと思ったのであろう。

　望の性格上、誰かに背中を押してもらえなければ、このまま忙しい日々を送っていたのかもしれない。

　だが裕実の優しい言葉で明日のオフにはゆっくりしようと決めたようだ。　ただ雄介が望に合わせてゆっくりしてくれるのか分からない。

　最近ろくに話をしていない雄介と望。　だから、どちらの状況も把握出来ていないのが現状だ。

　望はまだパソコンの前に座り黙ってしまっている。

　そんな望に和也と裕実は視線を合わせ、何か心の中で話をしているのかもしれない。

　そして裕実は口を開と、

「望さん。　今日、夕飯を望さん家で食べてもよろしいですか?」

　その言葉に和也も頭を頷かせている。　そう和也も裕実の意見に同じことを思っていたからだ。

　一応、相談を受けたことには解決しないと意味がない。

　裕実達は望の言葉を待つ。

「ああ……いいけど……。　雄介の邪魔をしない程度にだな」
「それじゃあ、ダメなんですってば！」

　何故だか、急に声を荒らげる裕実。

「今日の夕食時にはどんなに忙しくても雄介さんにも同席してもらいますからね！」

　急に声を荒らげた裕実に望は目を丸くして裕実のことを見上げると、そこには真剣な眼差しで望のことを見ている裕実の姿があった。

　あまり声を荒らげない裕実だからちょっとビックリしたという所だろう。

「分かったって……雄介にそう伝えておくよ」

　裕実の言葉にはそう素直に答える望。

　今の二人というのは、年下とか仕事場での医者と看護師とかの関係ではない。　親友だからこそ裕実が望に対して声を荒らげることが出来たのであろう。

　望はやっと椅子から腰を上げるとロッカールームへと消えていく。

　そんな後ろ姿に裕実と和也が安堵の溜め息を漏らしていた事は言うまでもないことであろう。

　望がロッカールームから出て来ると、今度は和也が着替えに向かい、そして部屋の電気を消し望達は病院を後にする。