1,285 / 2,140
ー過去ー27
しおりを挟む
「俺もそんな気がするよ。 雄介と和也じゃ、俺からしてみたら違う感じがするんだよなぁ。 どう違うのか? っていうのは分からないんだけどさぁ」
「僕は和也と付き合ってみて今は良かったって思ってますからね。 それはそれでいいんじゃないんでしょうか?」
「まぁ、そうだな。 さて、そろそろ寝るか」
「そうですね……では、おやすみなさい」
裕実はそう言うと目蓋を閉じる。 望の方も裕実とほぼ同じ位に瞳を閉じた。
そして次の朝。 三人はそれぞれの目覚まし時計で目を覚ますのだが、和也は客間と望の部屋の間にある襖を思いっきり開け大きな声で、
「おはよー!」
と叫ぶのだが朝から和也は二人からの冷たい視線で体を固まらせる。
「和也! 失礼過ぎます!」
「お前の大きな声には慣れたけどさぁ、いきなり、そこを開けるのは止めてくれねぇか? 俺達は今着替えてんだからな……」
「はいはい……分かりましたよ」
和也は朝から二人にそう攻撃されてしまい大人しく襖を閉めると仕方なく自分も着替え始める。
「何も二人して言わなくてもいいじゃねぇか」
どうやら雄介がいない時というのは完全に和也は蚊帳の外扱いだ。
やがて襖の方は開けられ、
「和也ー、中に入って来てもいいですよー」
「もういいよ。 着替え始めたしな……」
「そうですか。 じゃあ、僕達は先に下に行ってますね」
裕実は和也にそう告げると望にアイコンタクトを送り下へと向かう。
「和也って、本当に分かりやすい性格ですよねぇ」
「だろー」
「多分、僕がああ言ったから、今、いじけてますよ」
「とりあえず、そろそろ和也が可愛そうだし、裕実から和也にキスでもしてやれよ。 但し、俺がいない所でな。 流石に俺がそんな所見てらんねぇし」
「分かりました……。 じゃあ、今行って来ますね」
「ああ……」
望は裕実に手を振ると朝ご飯を作る為にキッチンへと向かい裕実の方は二階へと引き返すと和也の様子をうかがうようにドアの隙間から和也の事を見るのだ。
和也はどうやらベッドの端に座り靴下を履いていた。
裕実は和也に気付かれないようにドアをゆっくりと開け忍足で部屋の中へと入り和也の体を抱き締める。
「和也……ゴメンなさい……」
「何がだよ」
「今日は和也の事構って上げなくて」
「別に俺の方は気にしてねぇよ。 裕実の気持ちも分かるし、望の気持ちも分かるしな」
「僕は和也と付き合ってみて今は良かったって思ってますからね。 それはそれでいいんじゃないんでしょうか?」
「まぁ、そうだな。 さて、そろそろ寝るか」
「そうですね……では、おやすみなさい」
裕実はそう言うと目蓋を閉じる。 望の方も裕実とほぼ同じ位に瞳を閉じた。
そして次の朝。 三人はそれぞれの目覚まし時計で目を覚ますのだが、和也は客間と望の部屋の間にある襖を思いっきり開け大きな声で、
「おはよー!」
と叫ぶのだが朝から和也は二人からの冷たい視線で体を固まらせる。
「和也! 失礼過ぎます!」
「お前の大きな声には慣れたけどさぁ、いきなり、そこを開けるのは止めてくれねぇか? 俺達は今着替えてんだからな……」
「はいはい……分かりましたよ」
和也は朝から二人にそう攻撃されてしまい大人しく襖を閉めると仕方なく自分も着替え始める。
「何も二人して言わなくてもいいじゃねぇか」
どうやら雄介がいない時というのは完全に和也は蚊帳の外扱いだ。
やがて襖の方は開けられ、
「和也ー、中に入って来てもいいですよー」
「もういいよ。 着替え始めたしな……」
「そうですか。 じゃあ、僕達は先に下に行ってますね」
裕実は和也にそう告げると望にアイコンタクトを送り下へと向かう。
「和也って、本当に分かりやすい性格ですよねぇ」
「だろー」
「多分、僕がああ言ったから、今、いじけてますよ」
「とりあえず、そろそろ和也が可愛そうだし、裕実から和也にキスでもしてやれよ。 但し、俺がいない所でな。 流石に俺がそんな所見てらんねぇし」
「分かりました……。 じゃあ、今行って来ますね」
「ああ……」
望は裕実に手を振ると朝ご飯を作る為にキッチンへと向かい裕実の方は二階へと引き返すと和也の様子をうかがうようにドアの隙間から和也の事を見るのだ。
和也はどうやらベッドの端に座り靴下を履いていた。
裕実は和也に気付かれないようにドアをゆっくりと開け忍足で部屋の中へと入り和也の体を抱き締める。
「和也……ゴメンなさい……」
「何がだよ」
「今日は和也の事構って上げなくて」
「別に俺の方は気にしてねぇよ。 裕実の気持ちも分かるし、望の気持ちも分かるしな」
0
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
ストレスを感じすぎた社畜くんが、急におもらししちゃう話
こじらせた処女
BL
社会人になってから一年が経った健斗(けんと)は、住んでいた部屋が火事で焼けてしまい、大家に突然退去命令を出されてしまう。家具やら引越し費用やらを捻出できず、大学の同期であった祐樹(ゆうき)の家に転がり込むこととなった。
家賃は折半。しかし毎日終電ギリギリまで仕事がある健斗は洗濯も炊事も祐樹に任せっきりになりがちだった。罪悪感に駆られるも、疲弊しきってボロボロの体では家事をすることができない日々。社会人として自立できていない焦燥感、日々の疲れ。体にも心にも余裕がなくなった健斗はある日おねしょをしてしまう。手伝おうとした祐樹に当たり散らしてしまい、喧嘩になってしまい、それが張り詰めていた糸を切るきっかけになったのか、その日の夜、帰宅した健斗は玄関から動けなくなってしまい…?
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
転生先がハードモードで笑ってます。
夏里黒絵
BL
周りに劣等感を抱く春乃は事故に会いテンプレな転生を果たす。
目を開けると転生と言えばいかにも!な、剣と魔法の世界に飛ばされていた。とりあえず容姿を確認しようと鏡を見て絶句、丸々と肉ずいたその幼体。白豚と言われても否定できないほど醜い姿だった。それに横腹を始めとした全身が痛い、痣だらけなのだ。その痣を見て幼体の7年間の記憶が蘇ってきた。どうやら公爵家の横暴訳アリ白豚令息に転生したようだ。
人間として底辺なリンシャに強い精神的ショックを受け、春乃改めリンシャ アルマディカは引きこもりになってしまう。
しかしとあるきっかけで前世の思い出せていなかった記憶を思い出し、ここはBLゲームの世界で自分は主人公を虐める言わば悪役令息だと思い出し、ストーリーを終わらせれば望み薄だが元の世界に戻れる可能性を感じ動き出す。しかし動くのが遅かったようで…
色々と無自覚な主人公が、最悪な悪役令息として(いるつもりで)ストーリーのエンディングを目指すも、気づくのが遅く、手遅れだったので思うようにストーリーが進まないお話。
R15は保険です。不定期更新。小説なんて書くの初めてな作者の行き当たりばったりなご都合主義ストーリーになりそうです。
婚約者の恋
うりぼう
BL
親が決めた婚約者に突然婚約を破棄したいと言われた。
そんな時、俺は「前世」の記憶を取り戻した!
婚約破棄?
どうぞどうぞ
それよりも魔法と剣の世界を楽しみたい!
……のになんで王子はしつこく追いかけてくるんですかね?
そんな主人公のお話。
※異世界転生
※エセファンタジー
※なんちゃって王室
※なんちゃって魔法
※婚約破棄
※婚約解消を解消
※みんなちょろい
※普通に日本食出てきます
※とんでも展開
※細かいツッコミはなしでお願いします
※勇者の料理番とほんの少しだけリンクしてます
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる