1,228 / 2,140
ー崩落ー108
しおりを挟む
それから望の方も仕事を終わらせたのか着替え家に向かうのだ。
今日は雄介がいる日で望が玄関へと向かうと雄介は玄関へと顔を出して来る。 だが今日の望は本当に暗い表情をしながら雄介の事を見上げるのだ。
いや寧ろ今日の望は今にも泣きそうな顔と言った方がいいのかもしれない。
「今日はどないしたん? そないな暗い顔して……」
今まで望がこんな暗い表情で帰って来たのは初めてな事なのかもしれない。 もしかしたら仕事場で信じられない事でも起きて、それを家にまで持ち込んで来たのであろうか。 いや、もし、そんな事が起きたとしても望の場合は家に持ち込んだ事はないのだが、本当に今日はどうしたのであろうか。
望は雄介の言葉に思いっきり首を振る。
「ほんなら、何?」
一瞬黙った望だったのだが、
「とりあえず、中に入ってから話すよ」
望は靴を脱ぎながら、そう言うと雄介と一緒にリビングの方へと向かう。
「とりあえず、飯は食べるか?」
「ああ……」
そう明るく言う雄介に対して未だに暗い声で返事する望。
テーブルの上には雄介が作った料理が並べられる。
「ほんで、どないしたん?」
また、その質問に望は黙ってしまったのだが、やっとの事で口を開き、
「雄介はさ……」
その後の言葉が続かない望。
だが今日は珍しく雄介が先に口を開くのだ。
「何があったんか? っていうのは分からへんが……俺はお前以外は絶対に好きにならへんで……」
その雄介の言葉に目を丸くする望。
「なんで……俺が言いたい事分かってんだよ」
「簡単やって……。 望が言葉を濁す時っていうのはそういう事やろ? それに、その事を言って顔色も変えたしな」
「まぁ、そうなんだけどよ。 実はさ……歩夢が雄介の事を好きになったって言ってたんだよ」
「前まで、歩夢は望の事が好きやって言っておったのに?」
「お前があの事故の時に歩夢の事連れ出したんだろ? その時にお前の事……ってアイツは言ってたんだけどさ、お前、まさか、あの時に歩夢に何かしたんじゃねぇだろうな?」
「……へ? 俺は特別に何もしてへんぞ。 望に言われた通りにアイツの事、無理矢理外に連れ出しただけやしな」
「本当にだな?」
まだ望の中では疑いが晴れてないのか睨むように雄介の事を見上げる。
今日は雄介がいる日で望が玄関へと向かうと雄介は玄関へと顔を出して来る。 だが今日の望は本当に暗い表情をしながら雄介の事を見上げるのだ。
いや寧ろ今日の望は今にも泣きそうな顔と言った方がいいのかもしれない。
「今日はどないしたん? そないな暗い顔して……」
今まで望がこんな暗い表情で帰って来たのは初めてな事なのかもしれない。 もしかしたら仕事場で信じられない事でも起きて、それを家にまで持ち込んで来たのであろうか。 いや、もし、そんな事が起きたとしても望の場合は家に持ち込んだ事はないのだが、本当に今日はどうしたのであろうか。
望は雄介の言葉に思いっきり首を振る。
「ほんなら、何?」
一瞬黙った望だったのだが、
「とりあえず、中に入ってから話すよ」
望は靴を脱ぎながら、そう言うと雄介と一緒にリビングの方へと向かう。
「とりあえず、飯は食べるか?」
「ああ……」
そう明るく言う雄介に対して未だに暗い声で返事する望。
テーブルの上には雄介が作った料理が並べられる。
「ほんで、どないしたん?」
また、その質問に望は黙ってしまったのだが、やっとの事で口を開き、
「雄介はさ……」
その後の言葉が続かない望。
だが今日は珍しく雄介が先に口を開くのだ。
「何があったんか? っていうのは分からへんが……俺はお前以外は絶対に好きにならへんで……」
その雄介の言葉に目を丸くする望。
「なんで……俺が言いたい事分かってんだよ」
「簡単やって……。 望が言葉を濁す時っていうのはそういう事やろ? それに、その事を言って顔色も変えたしな」
「まぁ、そうなんだけどよ。 実はさ……歩夢が雄介の事を好きになったって言ってたんだよ」
「前まで、歩夢は望の事が好きやって言っておったのに?」
「お前があの事故の時に歩夢の事連れ出したんだろ? その時にお前の事……ってアイツは言ってたんだけどさ、お前、まさか、あの時に歩夢に何かしたんじゃねぇだろうな?」
「……へ? 俺は特別に何もしてへんぞ。 望に言われた通りにアイツの事、無理矢理外に連れ出しただけやしな」
「本当にだな?」
まだ望の中では疑いが晴れてないのか睨むように雄介の事を見上げる。
0
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~
ゆるり
ファンタジー
☆第17回ファンタジー小説大賞で【癒し系ほっこり賞】を受賞しました!☆
ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。
最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。
この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう!
……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは?
***
ゲーム生活をのんびり楽しむ話。
バトルもありますが、基本はスローライフ。
主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。
カクヨム様にて先行公開しております。
転生令息の、のんびりまったりな日々
かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。
※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。
痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。
※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.
天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します
バナナ男さん
BL
享年59歳、ハッピーエンドで人生の幕を閉じた大樹は、生前の善行から神様の幹部候補に選ばれたがそれを断りあの世に行く事を望んだ。
しかし自分の人生を変えてくれた「アルバード英雄記」がこれから起こる未来を綴った予言書であった事を知り、その本の主人公である呪われた英雄<レオンハルト>を助けたいと望むも、運命を変えることはできないときっぱり告げられてしまう。
しかしそれでも自分なりのハッピーエンドを目指すと誓い転生ーーーしかし平凡の代名詞である大樹が転生したのは平凡な平民ではなく・・?
少年マンガとBLの半々の作品が読みたくてコツコツ書いていたら物凄い量になってしまったため投稿してみることにしました。
(後に)美形の英雄 ✕ (中身おじいちゃん)平凡、攻ヤンデレ注意です。
文章を書くことに関して素人ですので、変な言い回しや文章はソッと目を滑らして頂けると幸いです。
また歴史的な知識や出てくる施設などの設定も作者の無知ゆえの全てファンタジーのものだと思って下さい。
俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜
明太子
BL
伯爵令息のエスメラルダは幼い頃から恋心を抱いていたレオンスタリア王国の国王であるキースと結婚し、王妃となった。
しかし、当のキースからは冷遇され、1人寂しく別居生活を送っている。
それでもキースへの想いを捨てきれないエスメラルダ。
だが、その思いも虚しく、エスメラルダはキースが別の令嬢を新しい妃を迎えようとしている場面に遭遇してしまう。
流石に心が折れてしまったエスメラルダは離婚を決意するが…?
エスメラルダの一途な初恋はキースに届くのか?
そして、キースの本当の気持ちは?
分かりづらい伏線とそこそこのどんでん返しありな喜怒哀楽激しめ王妃のシリアス?コメディ?こじらせ初恋BLです!
※R指定は保険です。
おてんばプロレスの女神たち ~レディーコングSAKIの日本上陸~
ちひろ
青春
バンコクおてんばプロレスで死闘を演じてきたレディーコングSAKIが、ついに憧れの国・日本へ。大学の聴講生として籍を置きながら、おてんば女子プロレスごっこ団体の聖地・ニューおてんば温泉で「試練の七番勝負」に挑む。青春派プロレスノベル『おてんばプロレスの女神たち』のアナザーストーリー。
終わりゆく世界で祝福を
赤オニ
BL
世界はあと五年以内に終わりを迎える。
幼い頃からそう言い聞かされ、生まれてから四回目の五年以内を迎えた。
世界は少しずつ、しかし確実に終わりへと近付いている。
終わりゆく世界で俺とユヅは穏やかで静かな日々を送っていた。
ユヅが世界を破滅へと導く元凶だと、知るまでは。
地味で冴えない俺の最高なポディション。
どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。
オマケに丸い伊達メガネ。
高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。
そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。
あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。
俺のポディションは片隅に限るな。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる