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ー崩落ー95
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そう望が言うと、もう歩夢は望に言いたい事がなくなったのか大人しくなったようだ。
「先に言っておくが、お前が俺に対する事情と今俺がお前に対して治療する事は別もんだからな。 仕事とプライベートは別もんだって事だ……流石に自分の目の前に嫌な奴が居たとしても怪我をしていたら治療するって事だ。 それに、俺は雄介に心動かされた人間だ。 雄介以外に俺が他の人を愛する事は、もう、これ以上はない。 俺が凄く雄介の事が好きだからな……それに恋っていうのは一方通行じゃダメなんだよ。 相手に自分の気持ちを押し付けるだけじゃあダメなんだ。 まぁ、好きになってしまったのなら自分をアピールする事は大切な事ではあるんだけどさ。 好きなら好きで構わない……だけど、相手を困らせてしまうのはどうかと思うぜ。 お前はアメリカで恋愛に対して何を教わってきたっていうのは知らねぇんだけど……一人の人を大切に想う方が、恋人を守れるって事や温かみが分かるんじゃねぇかな? それも、俺は雄介に教わった事なんだけどな」
望はそう淡々を話をしながら歩夢の治療を進めている。
そんな中歩夢は軽く息を吐くと、
「雄兄さんより先に、僕が兄さんに告白してれば良かったのかな? そうしたら、僕が勝っていたのかもしれないしね」
「いーや……例え、歩夢が先に俺に告白してきたって、俺は多分雄介の方を取っていたかもしれねぇな。 あの和也さえも俺は振ったんだからさ」
「へ? 梅沢さんも兄さんの事好きだったの!?」
「まぁな……」
と望はそこで言葉を一旦切ると、
「お前はとりあえず大丈夫だ。 まぁ、一応、病院に行けたらCT位は受けてくれよな」
歩夢は一応その望の言葉に頷いたものの、さっきの話が気になるらしく、
「兄さん……さっきの話の続き聞かせてよー。 みんなの治療終わったんでしょう?」
「もう、これ以上お前に話す事はねぇよ。 それに、まだ親父の方診てないしな……」
望は立ち上がると和也の事を探し始める。 だが、どうやら和也はまだこの場所には来てないようだ。
「迎えに行くか……」
そう望は独り言を呟くと大きな爆発音と共に裕二の事を担いだ和也が中へと入って来たのだ。
「悪いな……遅くなっちまって……。 それよか、もう、ここから一歩も外には出れなくなっちまったぜ。 外はもう火の海化しちまったからな。 院長もだけど、俺のお菓子も取りに行ってたんだ。 流石に全員分とまではいかないけどさ、各仲間同士分位は確保出来るかもしれねぇって思ってな。 確かに腹の足しには全然足らないのかもしれねぇけど、でも、無いよりはマシだろうって思ってな」
「お前まさか……こういう事を予測して!? あんなに大量のお菓子を持ってきてたのか?」
「流石にこんな事故に巻き込まれるとは思ってもなかった事だけど、スキーの時みたいに何か起きたら? とは考えてはいたけどな……まぁ、もしもって時の為っていうのも少しはあったのかもな」
「そうか……」
「それよか、望……何とか親父さんは連れて来たんだけどさ……親父さんは大丈夫なのか?」
和也はそう言いながらゆっくりと裕二の事を床へと下ろすのだ。
望は聴診器を当てて鼓動等色々と調べるのだが内臓関係は異常は無さそうだ。
「変な音も無いし、とりあえずは大丈夫なのかな? 体を庇った時に背中や腰にダメージはあったのかもしれねぇけど、今のところ、そこ以外は異常無しなのかもしれねぇ」
「なら、良かったな」
「まぁな。 とりあえず、後は救助隊を待つだけか……」
そう望は言うと今まで動きっぱなしだった事もあってか色々と安心も出来たのであろう。 ゆっくりと腰を床へと落とすのだ。
そこへ裕実が来て、
「和也……。 今、和也が持ってきたお菓子僕が皆さんに分けてきますよ」
「ああ、ありがとう……」
和也は自分で持ってきたお菓子が入っているリュックを裕実へと渡す。
「いつ、救助隊が来るか分からない状態だから、少しずつ食べるようにも言うんぜ」
「はい!」
裕実はそう笑顔で返事すると和也が持って来たお菓子を分けに向かう。
「俺の方は飴位は持ち歩くようにはしてるんだけどな。 まさか、お前はあんなにお菓子持ち歩いているなんて思ってもみなかったことだぜ」
「まぁ、本当は全部、自分で食うつもりだったんだけどな……まぁ、なんか役に立ったみたいでよかったのかも……」
「みたいだな。 さっきはそれを馬鹿にして悪かったな」
「それはちょっと違うのかもー。 さっき言っただろ? 本当はそれ自分一人で食うつもりだったんだって……」
「でも、実際は和也はそれを独り占めしねぇで、みんなに分けたんだからいいんじゃねぇのか?」
「前回の望のおかげでもあるんだけどな。 まぁ、ただのお菓子好きっていうのもあるんだけどな」
「まぁな……。 それよか、今は何時なんだろ?」
「昼の十二時位なのかな? もしかしたら夜の十二時なのかもしれねぇけど……」
そうこの非常用出口内は窓も何も無い状態なのだから今が昼間なのか? それとも夜なのか? というにのは分からない。
その時、望と和也の前に颯斗が現れ、
「先に言っておくが、お前が俺に対する事情と今俺がお前に対して治療する事は別もんだからな。 仕事とプライベートは別もんだって事だ……流石に自分の目の前に嫌な奴が居たとしても怪我をしていたら治療するって事だ。 それに、俺は雄介に心動かされた人間だ。 雄介以外に俺が他の人を愛する事は、もう、これ以上はない。 俺が凄く雄介の事が好きだからな……それに恋っていうのは一方通行じゃダメなんだよ。 相手に自分の気持ちを押し付けるだけじゃあダメなんだ。 まぁ、好きになってしまったのなら自分をアピールする事は大切な事ではあるんだけどさ。 好きなら好きで構わない……だけど、相手を困らせてしまうのはどうかと思うぜ。 お前はアメリカで恋愛に対して何を教わってきたっていうのは知らねぇんだけど……一人の人を大切に想う方が、恋人を守れるって事や温かみが分かるんじゃねぇかな? それも、俺は雄介に教わった事なんだけどな」
望はそう淡々を話をしながら歩夢の治療を進めている。
そんな中歩夢は軽く息を吐くと、
「雄兄さんより先に、僕が兄さんに告白してれば良かったのかな? そうしたら、僕が勝っていたのかもしれないしね」
「いーや……例え、歩夢が先に俺に告白してきたって、俺は多分雄介の方を取っていたかもしれねぇな。 あの和也さえも俺は振ったんだからさ」
「へ? 梅沢さんも兄さんの事好きだったの!?」
「まぁな……」
と望はそこで言葉を一旦切ると、
「お前はとりあえず大丈夫だ。 まぁ、一応、病院に行けたらCT位は受けてくれよな」
歩夢は一応その望の言葉に頷いたものの、さっきの話が気になるらしく、
「兄さん……さっきの話の続き聞かせてよー。 みんなの治療終わったんでしょう?」
「もう、これ以上お前に話す事はねぇよ。 それに、まだ親父の方診てないしな……」
望は立ち上がると和也の事を探し始める。 だが、どうやら和也はまだこの場所には来てないようだ。
「迎えに行くか……」
そう望は独り言を呟くと大きな爆発音と共に裕二の事を担いだ和也が中へと入って来たのだ。
「悪いな……遅くなっちまって……。 それよか、もう、ここから一歩も外には出れなくなっちまったぜ。 外はもう火の海化しちまったからな。 院長もだけど、俺のお菓子も取りに行ってたんだ。 流石に全員分とまではいかないけどさ、各仲間同士分位は確保出来るかもしれねぇって思ってな。 確かに腹の足しには全然足らないのかもしれねぇけど、でも、無いよりはマシだろうって思ってな」
「お前まさか……こういう事を予測して!? あんなに大量のお菓子を持ってきてたのか?」
「流石にこんな事故に巻き込まれるとは思ってもなかった事だけど、スキーの時みたいに何か起きたら? とは考えてはいたけどな……まぁ、もしもって時の為っていうのも少しはあったのかもな」
「そうか……」
「それよか、望……何とか親父さんは連れて来たんだけどさ……親父さんは大丈夫なのか?」
和也はそう言いながらゆっくりと裕二の事を床へと下ろすのだ。
望は聴診器を当てて鼓動等色々と調べるのだが内臓関係は異常は無さそうだ。
「変な音も無いし、とりあえずは大丈夫なのかな? 体を庇った時に背中や腰にダメージはあったのかもしれねぇけど、今のところ、そこ以外は異常無しなのかもしれねぇ」
「なら、良かったな」
「まぁな。 とりあえず、後は救助隊を待つだけか……」
そう望は言うと今まで動きっぱなしだった事もあってか色々と安心も出来たのであろう。 ゆっくりと腰を床へと落とすのだ。
そこへ裕実が来て、
「和也……。 今、和也が持ってきたお菓子僕が皆さんに分けてきますよ」
「ああ、ありがとう……」
和也は自分で持ってきたお菓子が入っているリュックを裕実へと渡す。
「いつ、救助隊が来るか分からない状態だから、少しずつ食べるようにも言うんぜ」
「はい!」
裕実はそう笑顔で返事すると和也が持って来たお菓子を分けに向かう。
「俺の方は飴位は持ち歩くようにはしてるんだけどな。 まさか、お前はあんなにお菓子持ち歩いているなんて思ってもみなかったことだぜ」
「まぁ、本当は全部、自分で食うつもりだったんだけどな……まぁ、なんか役に立ったみたいでよかったのかも……」
「みたいだな。 さっきはそれを馬鹿にして悪かったな」
「それはちょっと違うのかもー。 さっき言っただろ? 本当はそれ自分一人で食うつもりだったんだって……」
「でも、実際は和也はそれを独り占めしねぇで、みんなに分けたんだからいいんじゃねぇのか?」
「前回の望のおかげでもあるんだけどな。 まぁ、ただのお菓子好きっていうのもあるんだけどな」
「まぁな……。 それよか、今は何時なんだろ?」
「昼の十二時位なのかな? もしかしたら夜の十二時なのかもしれねぇけど……」
そうこの非常用出口内は窓も何も無い状態なのだから今が昼間なのか? それとも夜なのか? というにのは分からない。
その時、望と和也の前に颯斗が現れ、
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