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ー海上ー36
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「離せよっ!」
「嫌ややって……なんかこのまま望がどっかに行ってまう気がして、今は離したくないねんけど……」
「馬鹿っ! 俺は風呂に入りたいだけだ! 何処にも行かねぇからさ、それに、俺の今の居場所っていうのはここしかないんだからさ」
最初の方は勢いよく言っていた望だったのだが最後の方は心なしか小さくなってきたようにも思える。
「そりゃな、そうやねんけど……」
どうやら雄介は最後の方は声が小さくなってしまった言葉が気になったらしいのだが……。
「じゃあ、何がそんなに不安なんだよ」
「んー……それが俺には何かっていうのが分からんのや。 ただな、何かこう望の事を引き止めたかったっていうんか」
「分かった……なら、逆にもう離せ」
望の方はそうぶっきらぼうに言うと雄介の顔に手を当てて雄介から離れて行ってしまう。
「まったく、相変わらずやっちゃなー」
「そこもいいって言ったのは何処のどいつだ!? それに、明日はお前仕事じゃなかったのか!?」
「ん? それって、一緒に風呂に入ってもええって事なんか?」
「そこまでは言ってないから」
「ホンマにさっきの望とは大違いやんな」
そうボソボソと言っていた雄介なのだが、どうやら、その声は望の耳に入っていたようだ。
「何か言ったか?」
望は雄介の眼前に顔を突き出す。
「あー、やー、何も……」
そう言いながらも完全に望の瞳から視線を外してしまっている雄介。 これは何やら望に隠し事をしている証拠だろう。
そんな雄介の様子に望は一つ息を吐くと、
「……ったく、お前って分かりやすすぎ……」
「ん? 俺は素直な性格やもん」
「開き直んな……ったく……一緒に風呂に入りたければ入ってもいいぞ」
望はそう小さな声で雄介に告げると先にお風呂場へと向かうのだ。
雄介の方はその望の声をちゃんと聞き取っていたのであろう。 望が下へと向けると雄介の方も動き出す。
雄介はお風呂場へと向かうと先にシャワーを浴びている望の背後へと立つのだ。
「体……洗ったろうか?」
「それは遠慮しとく、お前に頼むとろくな事ないからな」
「ほな、俺はこんな狭い風呂の中でどうしてろっちゅねん」
「自分の体を洗ってればいいだろうが……浴槽で体も洗えるだろ?」
「んー……まぁ、納得行けへんけど、それで我慢するわぁ」
雄介はそう言うと望の言う通りに浴槽の方へと入って自分の体を洗い始めるのだ。
「嫌ややって……なんかこのまま望がどっかに行ってまう気がして、今は離したくないねんけど……」
「馬鹿っ! 俺は風呂に入りたいだけだ! 何処にも行かねぇからさ、それに、俺の今の居場所っていうのはここしかないんだからさ」
最初の方は勢いよく言っていた望だったのだが最後の方は心なしか小さくなってきたようにも思える。
「そりゃな、そうやねんけど……」
どうやら雄介は最後の方は声が小さくなってしまった言葉が気になったらしいのだが……。
「じゃあ、何がそんなに不安なんだよ」
「んー……それが俺には何かっていうのが分からんのや。 ただな、何かこう望の事を引き止めたかったっていうんか」
「分かった……なら、逆にもう離せ」
望の方はそうぶっきらぼうに言うと雄介の顔に手を当てて雄介から離れて行ってしまう。
「まったく、相変わらずやっちゃなー」
「そこもいいって言ったのは何処のどいつだ!? それに、明日はお前仕事じゃなかったのか!?」
「ん? それって、一緒に風呂に入ってもええって事なんか?」
「そこまでは言ってないから」
「ホンマにさっきの望とは大違いやんな」
そうボソボソと言っていた雄介なのだが、どうやら、その声は望の耳に入っていたようだ。
「何か言ったか?」
望は雄介の眼前に顔を突き出す。
「あー、やー、何も……」
そう言いながらも完全に望の瞳から視線を外してしまっている雄介。 これは何やら望に隠し事をしている証拠だろう。
そんな雄介の様子に望は一つ息を吐くと、
「……ったく、お前って分かりやすすぎ……」
「ん? 俺は素直な性格やもん」
「開き直んな……ったく……一緒に風呂に入りたければ入ってもいいぞ」
望はそう小さな声で雄介に告げると先にお風呂場へと向かうのだ。
雄介の方はその望の声をちゃんと聞き取っていたのであろう。 望が下へと向けると雄介の方も動き出す。
雄介はお風呂場へと向かうと先にシャワーを浴びている望の背後へと立つのだ。
「体……洗ったろうか?」
「それは遠慮しとく、お前に頼むとろくな事ないからな」
「ほな、俺はこんな狭い風呂の中でどうしてろっちゅねん」
「自分の体を洗ってればいいだろうが……浴槽で体も洗えるだろ?」
「んー……まぁ、納得行けへんけど、それで我慢するわぁ」
雄介はそう言うと望の言う通りに浴槽の方へと入って自分の体を洗い始めるのだ。
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