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ー波乱ー105
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だが、望はその雄介の言葉にひと息吐くと、
「お前がやってみたい仕事に俺が口出すような事じゃねぇよ……好きな事をトコトンやればいいしな……だが、怪我は絶対するな……って言ってるだけだ。 前にお前が言ってただろ? 今、この時間にも助けを求めている人がいるって……。 俺も似たような仕事をしてるんだ……助けられるなら、沢山の人を救いたいって思ってるんだからな……。 じゃあさ……お前……例えば仕事を辞めて、平穏無事な仕事に就けるのか?」
雄介はその望からの問いに視線を天井へと向けて考える。
「望と一緒に平穏無事に暮らせるんやったら、今の仕事を辞めても……」
「馬鹿かっ! お前はっ!」
望はそう言うと雄介から離れて雄介の顔をジッと見つめる。
「お前さ……今まで、最短距離で今の地位まで上がって来てるんだろ? 消防士からレスキュー隊になれるって、普通はかなり大変な事なんだと思うぜ。 それなのに、お前は合格する事が出来た訳だ。 それって、すごい事なんじゃねぇのか? だから、お前にはその才能があるって訳だろ? だから、助けを求めている人の為にお前は今の仕事を限界まで辞めちゃいけねぇんだよ……。 それに今の仕事、好きなんだろ? なら、尚更、辞めたら……ダメなんだってっ!」
望はそう訴えるように雄介の腕を掴みながら説得するように言う。
「せやけど……望の事、もう、ずっと悲しませるような事しとうないし……」
その雄介の言葉に望は顔を俯けると、
「俺が、お前の仕事の邪魔なら……別れようか?」
「はぁ!? 何言うてんねん! それはさっき言ったばかりやろ? 俺はずっと望の側に居るってな……」
「だから、言ってんだ! 俺が仕事の邪魔になるんなら、別れるってな! 言うが、俺はお前の事が嫌いになって別れようって言ってるんじゃねぇんだからな。 なら、このまま別れた方がいいんじゃねぇのか? 友達としているんだったら、お前の仕事の邪魔にはならねぇだろうが……」
「もう、ええ! 暫く考えさせてくれへんか? このままじゃ埒あかへんし……」
雄介はそう言うと部屋着をさっさと着てベッドへと横になる。
望の方もそんな雄介の後にパジャマへと着替えるのだ。 そして、今日は雄介とは反対側を向いてしまう。
今日はどうして、こんな事になってしまったのであろうか? こんな事では明日からの仕事に身が入らなそうだ。
もう、体の方はとっくに雄介との話し合いで冷めてしまっていた。
望は窓の外に見える闇を見つめる。
例えくだらない喧嘩だとしても、それは恋人達にとっては重要な話し合い場でもある。 だが、今回の喧嘩は何となくだが長引きそうな予感だ。
「お前がやってみたい仕事に俺が口出すような事じゃねぇよ……好きな事をトコトンやればいいしな……だが、怪我は絶対するな……って言ってるだけだ。 前にお前が言ってただろ? 今、この時間にも助けを求めている人がいるって……。 俺も似たような仕事をしてるんだ……助けられるなら、沢山の人を救いたいって思ってるんだからな……。 じゃあさ……お前……例えば仕事を辞めて、平穏無事な仕事に就けるのか?」
雄介はその望からの問いに視線を天井へと向けて考える。
「望と一緒に平穏無事に暮らせるんやったら、今の仕事を辞めても……」
「馬鹿かっ! お前はっ!」
望はそう言うと雄介から離れて雄介の顔をジッと見つめる。
「お前さ……今まで、最短距離で今の地位まで上がって来てるんだろ? 消防士からレスキュー隊になれるって、普通はかなり大変な事なんだと思うぜ。 それなのに、お前は合格する事が出来た訳だ。 それって、すごい事なんじゃねぇのか? だから、お前にはその才能があるって訳だろ? だから、助けを求めている人の為にお前は今の仕事を限界まで辞めちゃいけねぇんだよ……。 それに今の仕事、好きなんだろ? なら、尚更、辞めたら……ダメなんだってっ!」
望はそう訴えるように雄介の腕を掴みながら説得するように言う。
「せやけど……望の事、もう、ずっと悲しませるような事しとうないし……」
その雄介の言葉に望は顔を俯けると、
「俺が、お前の仕事の邪魔なら……別れようか?」
「はぁ!? 何言うてんねん! それはさっき言ったばかりやろ? 俺はずっと望の側に居るってな……」
「だから、言ってんだ! 俺が仕事の邪魔になるんなら、別れるってな! 言うが、俺はお前の事が嫌いになって別れようって言ってるんじゃねぇんだからな。 なら、このまま別れた方がいいんじゃねぇのか? 友達としているんだったら、お前の仕事の邪魔にはならねぇだろうが……」
「もう、ええ! 暫く考えさせてくれへんか? このままじゃ埒あかへんし……」
雄介はそう言うと部屋着をさっさと着てベッドへと横になる。
望の方もそんな雄介の後にパジャマへと着替えるのだ。 そして、今日は雄介とは反対側を向いてしまう。
今日はどうして、こんな事になってしまったのであろうか? こんな事では明日からの仕事に身が入らなそうだ。
もう、体の方はとっくに雄介との話し合いで冷めてしまっていた。
望は窓の外に見える闇を見つめる。
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