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ー波乱ー60
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「仕事とプライベート抜きにだ……」
その質問に対して、和也は、
「それなら、裕実に決まってるだろっ!」
「なら……」
「なぁー?」
望と雄介は視線を合わせると、ほぼ同時に言葉を発する。
「でも……今は仕事だから……。 それに望には言ってなかったけど、その患者さんとは約束してたんだ。 その手術の時には必ず俺も入るって……」
「何で、そういう事、早く言わないんだよ」
「まさか、こんな事になるなんて思ってもみなかった事だし、いや、俺はむしろ、手術する患者さんにはみんなと約束してるんだよ。 検温とかで仲良くなっておいて、患者さんの事安心させておいて、手術に臨んでもらってたんだよ。 知り合いがいれば気持ち的には安心出来るもんだろ? それで、安心して患者さん達は俺達に体を預けられるんじゃねぇかな? って思ってさ……」
その和也の言葉に望は納得したような表情になると、
「だから、俺が担当する患者さんは手術の時にあまり嫌がるだとか怖がるだとかっていう表情を見せなかったっていう訳だ。 まさか、お前のおかげだったとは思わなかった事だったぜ。 まぁ、それは置いておいてだ……。 裕実はどうするんだよ? アイツ言ってたじゃねぇか、完全に体中にあるものを抜ききらないと薬の効果は抜けないって……」
「それは……完全に仕事が終わってから、俺が何とかするからさ」
「じゃあ、裕実は苦しませたまま放っておくのか!? 今、裕実は大人しくしてるけど、和也の話聞きながら相当我慢してるんだと思うぜ」
望は和也に迫り今は裕実が何も言えない状態を悟ってか望は裕実の代わりに言っているようなもんだ。
和也はその望の言葉に俯き考えると、
「分かった……」
そう小さな声で呟く。
「俺は望と一緒に手術室に向かう。 雄介……悪いけど、俺が戻って来るまで裕実の事見ててくれねぇかな? 親友だから安心して頼む事が出来るんだからさ」
和也はそこで一旦、言葉を切ると、
「……最悪、裕実の事はお前に任せるからよ」
その和也の言葉を聞いて流石に黙っていられなくなった雄介は車椅子で和也の前まで移動し、
「ちょ、それは流石にアカンねんやろ!? 何考えとんねん和也!!」
「ってさ、俺の事、責めるけどさ! 俺だって、誰かに裕実の事、渡したくねぇよ! だけど、今の状況じゃあ、仕方ねぇじゃねぇか! どっちも天秤にはかけられないってさっき言っただろ! 俺からしてみたら、どっちも大事なもんなんだからよ。 手術を待つ患者さん! そして、家族や知り合い、恋人や子供も奥さんもいるのかもしれねぇんだぞ! その人達を悲しませたくねぇんだよ! たかが、俺一人の恋人の為にな……それに、裕実の場合には後数時間、我慢すれば楽になる訳だろ? だけど、患者さんの場合にはこれからまた一生苦しまなきゃならねぇんじゃねぇのか? だから、俺はそう判断した結果だ! 仕事が無ければ、今すぐにでも裕実の事を抱いていたさっ!」
その質問に対して、和也は、
「それなら、裕実に決まってるだろっ!」
「なら……」
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望と雄介は視線を合わせると、ほぼ同時に言葉を発する。
「でも……今は仕事だから……。 それに望には言ってなかったけど、その患者さんとは約束してたんだ。 その手術の時には必ず俺も入るって……」
「何で、そういう事、早く言わないんだよ」
「まさか、こんな事になるなんて思ってもみなかった事だし、いや、俺はむしろ、手術する患者さんにはみんなと約束してるんだよ。 検温とかで仲良くなっておいて、患者さんの事安心させておいて、手術に臨んでもらってたんだよ。 知り合いがいれば気持ち的には安心出来るもんだろ? それで、安心して患者さん達は俺達に体を預けられるんじゃねぇかな? って思ってさ……」
その和也の言葉に望は納得したような表情になると、
「だから、俺が担当する患者さんは手術の時にあまり嫌がるだとか怖がるだとかっていう表情を見せなかったっていう訳だ。 まさか、お前のおかげだったとは思わなかった事だったぜ。 まぁ、それは置いておいてだ……。 裕実はどうするんだよ? アイツ言ってたじゃねぇか、完全に体中にあるものを抜ききらないと薬の効果は抜けないって……」
「それは……完全に仕事が終わってから、俺が何とかするからさ」
「じゃあ、裕実は苦しませたまま放っておくのか!? 今、裕実は大人しくしてるけど、和也の話聞きながら相当我慢してるんだと思うぜ」
望は和也に迫り今は裕実が何も言えない状態を悟ってか望は裕実の代わりに言っているようなもんだ。
和也はその望の言葉に俯き考えると、
「分かった……」
そう小さな声で呟く。
「俺は望と一緒に手術室に向かう。 雄介……悪いけど、俺が戻って来るまで裕実の事見ててくれねぇかな? 親友だから安心して頼む事が出来るんだからさ」
和也はそこで一旦、言葉を切ると、
「……最悪、裕実の事はお前に任せるからよ」
その和也の言葉を聞いて流石に黙っていられなくなった雄介は車椅子で和也の前まで移動し、
「ちょ、それは流石にアカンねんやろ!? 何考えとんねん和也!!」
「ってさ、俺の事、責めるけどさ! 俺だって、誰かに裕実の事、渡したくねぇよ! だけど、今の状況じゃあ、仕方ねぇじゃねぇか! どっちも天秤にはかけられないってさっき言っただろ! 俺からしてみたら、どっちも大事なもんなんだからよ。 手術を待つ患者さん! そして、家族や知り合い、恋人や子供も奥さんもいるのかもしれねぇんだぞ! その人達を悲しませたくねぇんだよ! たかが、俺一人の恋人の為にな……それに、裕実の場合には後数時間、我慢すれば楽になる訳だろ? だけど、患者さんの場合にはこれからまた一生苦しまなきゃならねぇんじゃねぇのか? だから、俺はそう判断した結果だ! 仕事が無ければ、今すぐにでも裕実の事を抱いていたさっ!」
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