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ー波乱ー59
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和也はひと息吐くと腕を組み、
「確かに裕実の事は心配なんだけどな……だけど、俺は仕事は仕事って分たいんだよ。 だから、望の提案は凄く嬉しいんだけど、仕事の方は仕事でちゃんとこなす。 裕実は今はこんな状態だから仕事は出来ねぇのかもしれねぇけど、俺の方は普通に動けるのだから仕事はする」
「お前な……お前の考えって、前から思ってたんだけどさ、ちょっと、おかしくないか?」
そう言われ望は真剣な瞳で和也の事を見上げる。
そこに入って来たのは雄介だ。
「望はな……ホンマに和也は裕実の事を好きなんか? って聞きたいんやと思うで……」
そう望の心の中で言おうとしている言葉を言う雄介。
雄介の中で望はこういう話を苦手としているからこそ望のフォローに入ったのであろう。
「もし、俺が和也と同じ立場やったら、望のその言葉に甘えて、ずっと、恋人の側に居ると思うわぁ」
「まぁ、普通なら、雄介と同じ意見なんだろうな。 で、答えは? 本当に裕実の事が好きだったら裕実の方を取るんだろ?」
望はそう優しく和也に告げたつもりだったのだが和也の方はまだいい顔はしていない。
ただ、拳を握り何かに耐えようとしているというところであろうか。
「……確かに俺は裕実の事が好きだよ。 だけど、俺には出来ないんだよ。 裕実と患者さんを天秤にかけるって事はさ。 勿論、裕実の事は大事だし、患者さんの事も大事だからな。 だから、俺は冷静に考えて出した結果が今は仕事の方を優先するっていう事にしちまったんだかた仕方ねぇだろ?」
「……そう言うけどなぁ。 媚薬の効果って凄いって聞くで、ま、薬によってはちゃうらしいねんけど。 ホンマやったら、誰にでも求めてまうっていう位らしいしな。 それやのに、裕実は我慢して、和也にだけに抱いて欲しいって思うたんやろな? せやから必死こいて裕実は我慢してたんとちゃうんか?」
「だけどっ!」
「望はな、ちゃんと和也にそこのところ聞きたいんやと思うで。 ホンマに和也は裕実の事が好きなんか!? って、そろそろ、和也……望の気持ち分かってやれや。 望はさ、こういうことに関してこうストレートに聞けるタイプやないんやしな」
「確かに裕実の事は心配なんだけどな……だけど、俺は仕事は仕事って分たいんだよ。 だから、望の提案は凄く嬉しいんだけど、仕事の方は仕事でちゃんとこなす。 裕実は今はこんな状態だから仕事は出来ねぇのかもしれねぇけど、俺の方は普通に動けるのだから仕事はする」
「お前な……お前の考えって、前から思ってたんだけどさ、ちょっと、おかしくないか?」
そう言われ望は真剣な瞳で和也の事を見上げる。
そこに入って来たのは雄介だ。
「望はな……ホンマに和也は裕実の事を好きなんか? って聞きたいんやと思うで……」
そう望の心の中で言おうとしている言葉を言う雄介。
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「もし、俺が和也と同じ立場やったら、望のその言葉に甘えて、ずっと、恋人の側に居ると思うわぁ」
「まぁ、普通なら、雄介と同じ意見なんだろうな。 で、答えは? 本当に裕実の事が好きだったら裕実の方を取るんだろ?」
望はそう優しく和也に告げたつもりだったのだが和也の方はまだいい顔はしていない。
ただ、拳を握り何かに耐えようとしているというところであろうか。
「……確かに俺は裕実の事が好きだよ。 だけど、俺には出来ないんだよ。 裕実と患者さんを天秤にかけるって事はさ。 勿論、裕実の事は大事だし、患者さんの事も大事だからな。 だから、俺は冷静に考えて出した結果が今は仕事の方を優先するっていう事にしちまったんだかた仕方ねぇだろ?」
「……そう言うけどなぁ。 媚薬の効果って凄いって聞くで、ま、薬によってはちゃうらしいねんけど。 ホンマやったら、誰にでも求めてまうっていう位らしいしな。 それやのに、裕実は我慢して、和也にだけに抱いて欲しいって思うたんやろな? せやから必死こいて裕実は我慢してたんとちゃうんか?」
「だけどっ!」
「望はな、ちゃんと和也にそこのところ聞きたいんやと思うで。 ホンマに和也は裕実の事が好きなんか!? って、そろそろ、和也……望の気持ち分かってやれや。 望はさ、こういうことに関してこうストレートに聞けるタイプやないんやしな」
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