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ー雪山ー203
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その時さっきまで元気だった雄介が体の不調を訴え始める。
「なんやろ? 急に寒くなってきたわぁ」
そう両腕を押さえて訴える雄介。
「……寒く?」
とりあえず今は暖炉の方にも火がついていて暖かい筈だ。 だが夜中にもなってきているのだから冷えて来ているのかもしれない。 確かに先程よりかは冷えて来たようにも感じるのだが、雄介の言うように『寒い』って言う程ではないような気がする。
そこに何かを察した望。 雄介の額へと手を置くと足で骨折したせいなのか熱が出て来ているようにも思える。 だから雄介は寒いと言っていたのであろう。 確かに雄介の場合には足は骨折しているものの出血はあまりない、だが骨折しているのだから足の内部の方では出血はしているという事にはなる。 内部出血をしている事によって血液の循環が悪くなっているのであろう。 それで雄介は寒いと訴えているのかもしれない。
「熱っていうのか、体の内部で血液循環が悪くなっているのかもしれねぇな。 ちょっと、時間がやべぇのかも……!」
そう望は軽く独り言を漏らすと和也に、
「和也ー隣の部屋に確か毛布があった筈だから、持ってきてくれねぇか? 悪いけど、裕実には外の雪持ってきてもらえると助かるんだけど……」
望がそう言うと二人は文句も言わずにスッと動き出し和也は毛布を持ってきて裕実はこの寒い中、外に出て雪を運びに向かうのだ。
「はい! 毛布! 丁度、四枚あったし! 流石にこれからの時間寒くなるだろうしな……どうせ、今日はもう寝ないつもりだろうけど……寒さ対策はしておかないとな」
「ああ、ありがとう。 まぁ、確かに俺の方は寝ないつもりだけどな。 でも、雄介やお前等はみんな寝てもいいからな」
「まぁ、それはいいんだけど……望一人残して寝てなんかいられないしさ……とりあえず、雄介は絶対寝るんだからなっ! 後は裕実交代で寝るからさ」
「ああ、ありがとうな……」
和也は雄介に毛布を掛けると望にもその毛布を渡す。 後の二枚は床へと置く和也。
「望さーん! 雪、持って来ましたよっ!」
「重たいのにありがとうな」
「いいんですよー。 僕達にはこんな事しか出来ませんからね」
「いや、十分だよ」
そう言うと望はいきなりその桶の中に手を突っ込むのだ。 そして、その桶の中に入れた手を冷やして、そのまま雄介の額へと持っていく。
「お、お前! な、何して!?」
「タオルがない状況じゃあ、こうやってお前の頭を冷やすしかないだろっ!?」
「あんなぁ、一晩中、そんな事一人でやっておったら、望の方が手凍傷になんぞっ! ほんで、使えなくなったらどないすんねん!」
「そんな事、言われなくても分かってるっ! だけど、誰かがこうしないと雄介も危なくなんだろうが……!」
「た、確かにそうなのかもしれねぇけど、な、望……雄介の為に一生懸命になるのは分かるんだけどさ……凍傷でもう二度とメスとか握れなくなってもいいのか?」
「だから、分かってるって言ってんだろうがっ! 俺がやらなきゃ誰がやるんだよっ!」
「なんやろ? 急に寒くなってきたわぁ」
そう両腕を押さえて訴える雄介。
「……寒く?」
とりあえず今は暖炉の方にも火がついていて暖かい筈だ。 だが夜中にもなってきているのだから冷えて来ているのかもしれない。 確かに先程よりかは冷えて来たようにも感じるのだが、雄介の言うように『寒い』って言う程ではないような気がする。
そこに何かを察した望。 雄介の額へと手を置くと足で骨折したせいなのか熱が出て来ているようにも思える。 だから雄介は寒いと言っていたのであろう。 確かに雄介の場合には足は骨折しているものの出血はあまりない、だが骨折しているのだから足の内部の方では出血はしているという事にはなる。 内部出血をしている事によって血液の循環が悪くなっているのであろう。 それで雄介は寒いと訴えているのかもしれない。
「熱っていうのか、体の内部で血液循環が悪くなっているのかもしれねぇな。 ちょっと、時間がやべぇのかも……!」
そう望は軽く独り言を漏らすと和也に、
「和也ー隣の部屋に確か毛布があった筈だから、持ってきてくれねぇか? 悪いけど、裕実には外の雪持ってきてもらえると助かるんだけど……」
望がそう言うと二人は文句も言わずにスッと動き出し和也は毛布を持ってきて裕実はこの寒い中、外に出て雪を運びに向かうのだ。
「はい! 毛布! 丁度、四枚あったし! 流石にこれからの時間寒くなるだろうしな……どうせ、今日はもう寝ないつもりだろうけど……寒さ対策はしておかないとな」
「ああ、ありがとう。 まぁ、確かに俺の方は寝ないつもりだけどな。 でも、雄介やお前等はみんな寝てもいいからな」
「まぁ、それはいいんだけど……望一人残して寝てなんかいられないしさ……とりあえず、雄介は絶対寝るんだからなっ! 後は裕実交代で寝るからさ」
「ああ、ありがとうな……」
和也は雄介に毛布を掛けると望にもその毛布を渡す。 後の二枚は床へと置く和也。
「望さーん! 雪、持って来ましたよっ!」
「重たいのにありがとうな」
「いいんですよー。 僕達にはこんな事しか出来ませんからね」
「いや、十分だよ」
そう言うと望はいきなりその桶の中に手を突っ込むのだ。 そして、その桶の中に入れた手を冷やして、そのまま雄介の額へと持っていく。
「お、お前! な、何して!?」
「タオルがない状況じゃあ、こうやってお前の頭を冷やすしかないだろっ!?」
「あんなぁ、一晩中、そんな事一人でやっておったら、望の方が手凍傷になんぞっ! ほんで、使えなくなったらどないすんねん!」
「そんな事、言われなくても分かってるっ! だけど、誰かがこうしないと雄介も危なくなんだろうが……!」
「た、確かにそうなのかもしれねぇけど、な、望……雄介の為に一生懸命になるのは分かるんだけどさ……凍傷でもう二度とメスとか握れなくなってもいいのか?」
「だから、分かってるって言ってんだろうがっ! 俺がやらなきゃ誰がやるんだよっ!」
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