【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー雪山ー108

　望はそう返事をすると雄介の携帯にメールを打ち始める。

『今日は和也の所に泊まる事にしたからよ。　明日はそのまま和也と一緒に仕事に行くな。　まぁ、今日は初めて和也の家に泊まりから楽しみではあるんだけどさ』

　きっと雄介は明日の朝まで携帯は見れないのかもしれないのだが、とりあえず望はメールをすると携帯を閉じて内ポケットへとしまう。

「終わったか？　もうすぐ、スーパーだから、望は車の中で待っててくれよ。　適当に食材選んで買って来るからさ」
「あ、ああ……分かった……んじゃあ、俺は車で待ってるな」

　その望の言葉に和也は頷くと、もう目の前にある駐車場へと向かって車を止める。

「じゃあ、ここで望は大人しく待っている事」

　車を降りてドアを閉める間際に望のそう言う和也。

「あのなー、子供じゃあるまいし、流石にはしゃぐなんて事はしねぇよ」
「うん……まぁ、確かにそうだな」

　そう言うと和也は走ってスーパーの方へと向かうのだ。

　和也がスーパーへと向かうと流石は夕方のスーパーだけあってかなり混んでいる。

　籠を持って歩くのにも困難な位な人混みを掻き分けて食材を見つけると籠の中へと入れていく。

「後は何が必要なのかな？　あ！　望の為にミネラルウォーターとか！？」とでも思ったのであろう。　ミネラルウォーターがある場所へと向かうと和也はそれも籠の中に入れてレジの方へと向かうのだが思った以上に時間が掛かってしまっている事に気づく。

　確かに今時間というのは主婦層は少ない時間帯でもあるのだが、会社帰りのサラリーマンだとか独り暮らしのお年寄りがお惣菜コーナーで繰り返される値下げ品を狙って来る時間だからなのかもしれない。

　とりあえず思った以上の人混みに和也は何とかレジへと向かうのだ。