【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー雪山ー36

「そりゃな……お風呂では望には手を出さないって言ったしな」
「だからって……」

　望はそこで言葉を詰まらせてしまう。

「だから……なんや？」

　そう雄介のいつもより低い声がトイレの中から聴こえてくる。

　それはまだ雄介がさっきの事を怒っているという証拠だろう。

　望はひと息吐くと顔を赤くし頭を俯かせ、

「だからってな……一人でする事は……ねぇだろうって……」
「……そういう風に言うてくれてるけどなぁ、望はあの場でやらせてくれたんか？」

　そう言う雄介のストレートな言葉に再び黙ってしまう望。

　しばらく沈黙した後に望は今まで隠れて話をしていたのだが、雄介の前へと姿を見せ雄介の前まで行くと徐に雄介のモノを咥えるのだ。

　いきなりの望の行動にパニックになったのは雄介の方だ。

「ちょ……ぁ……あー……えーと……望？」

　普段の望ならこんな事はしない。

　だから雄介の方がパニック状態になってしまったのかもしれない。

　トイレ内には望が雄介のモノを舐める音が響き渡る。

　だが人間というのは『欲』というものには本当に勝てる事は出来ない。

　それに一人でやるより二人でやった方が気持ちいいというのは分かってしまっているのだから。　それにも増して恋人がやってくれているのだから内心では飛び上がってしまう程、今の雄介にとっては嬉しい事なのかもしれない。

　少し怒ってしまっていた雄介なのだが、やはり、そこは人間というのか恋人にこういう事をされたら、もう怒る気にはなれないだろう。

　とりあえず話は後にして今は望に任せようとしたようだ。

　流石にまださっき教えただけあって上手くはないのだが、雄介からしてみたら十分過ぎる程だ。

　一人でやってる時よりも声が出そうになるのだが、そこは手で口を塞いで我慢する雄介。

　いや、もしかしたら今日和也達がここに泊まっていなければ口を塞いでいなかったのかもしれないのだが。

　せっかく今日は望と二人きりの時間を和也達に邪魔されているのかもしれないという事だ。