【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー空間ー189

　雄介はやはり昨日の疲れがあったのであろう。　どうやら直ぐに寝入ってしまったようだ。

　それから数時間後。　雄介はメールによって起こされるのだ。

「今頃……誰やねん」

　そう悪態を吐きながら携帯を開くのだが、悪態を吐いていたのがそれが嘘かのように直ぐに笑顔へと変えるのだった。

　そうメールの相手は望だったからだ。　そこには、

『今から帰る』

　とだけ書いてあった。

「案外、早かったんやな」

　そう雄介は独り言を漏らすと起き上がる。

　案外早かったと思われたのだが、もう外は真っ暗で時計に視線を向けると既に夜の七時を回っていた。

「ん？　もう、こないな時間やったんかいなぁ」

　雄介は未だに痛む背中を引きづりながらも階下へと向かい冷蔵庫の中を漁ると望の為に夕飯を作り始める。

　今終わったのなら、多分、一時間以内には帰宅出来るだろう。　それくらいで出来る物を探す。

「玉子あるし、オムライスやな！」

　そう独り言を漏らすと雄介はオムライスを作り始める。

　今日、望には雄介の車で行かせた。　そう雄介の車にはナビがある。　だから安心して待っていられるという所であろう。　さっきの望からのメールで住所も教えておいたのだから、それを入力すれば大丈夫なのだから。

　それから雄介が夕飯を作り終えてソファでのんびりとしていると雄介の家特有の引戸の門の扉が開く音が聴こえてくる。

「ただいま」

　という望の声に反応して雄介は急いで玄関へと向かうのだ。

　それはまるで旦那さんが仕事から帰って来て奥さんがお出迎えするという新婚さんのようだ。