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ー天災ー141

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 そして雄介が帰る前日の夕方。

 相変わらず四人でソファでゆっくりしていると急に和也が、

「あのさ、後で俺達看護師が集まって、話があるみたいなんだよな」
「えぇ!? そうだったのか? その話、俺聞いてねぇぞ」
「だって、今言ったし」

 そう言われると先が言えなくなってしまった望。

「……んで、暫くここには帰って来ないしさ、明日には雄介はここを立つんだろ? なら、ニ人で」

 そうニヤニヤしながら言ってくる和也に雄介と望は見つめ合う。

「あー、もしかして、和也、まさか!? 俺達の為にセッティングして?」
「あ、いや、それは違うかな?」

 と雄介が最後まで言葉を言い切らないうちに言葉を被せてくる。 そして本当の事なのか真面目にそこは言ってるらしい。

「その話はマジだから」

 そう言うと今度は裕実の方へとその話題を振る。

「なぁ、本宮、そうだよな?」
「はい! そうですから」

 と裕実の方も真面目に頷いているのだからそうなのであろう。

 和也一人だけではその話は真実味はないのだが、裕実も看護師の一人なのだから二人がそう言うのだから、その話は間違いない。

「そっか、そういう事なんか」

 と雄介はポツリと口にすると再び望の方へと視線をチラリと向ける。

 確かに数日前にも望とはやったのだが、その時は本当に雄介には余裕さえなかった。 なら、また今日はという事なら少しは時間を掛けて出来るのかもしれないと思ったのかもしれない。

「じゃあ、とりあえず、そういう事だからさ……ま、後はお二人でゆっくりとした時間だな」

 そういう風に真面目に言っている和也なのだが、やはり、そこは意味ありげだ。

 暫くして時間になると和也も裕実も部屋を出て行く。

 再び二人だけの空間となってしまった部屋。

「ほんで、どないする?」

 その言葉に望は隣にいる雄介の顔を見上げる。

「今日は予想外の展開だったから、後は望次第なんやけどな」
「……流石に今日はな、もう、洋服とかも汚したくねぇし、今は洋服だって貴重なんだからな」
「そっか、ほな、今日はええか?」

 その雄介の言葉に望は首を傾げる。

「それは、どういう意味だ?」
「……へ? ああ、しなくてもいいって意味やけど」
「え? あ、そうだな……なら」

 そこで言葉を止めてしまう望。 なんで望はそこで言葉を止めてしまったのであろうか? それでは望の方がいいのか? 悪いのか? が分からない。

「ほな、風呂位は? ええねんやろ?」
「え? あ、まぁ、風呂位ならな」

 とは言っているものの望は何かを想像してしまっているのか風呂というキーワードだけで顔を真っ赤にさせていた。
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