【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー天災ー111

　そしたら、やはり最初は本当にひたすら謝るだけの雄介だったのだが、ちゃんとした言い訳があった。

　それだって本当に謝ってから申し訳無さそうに言い訳を言ってきたのだから誠意が伝わって来たようにも思える。

　確かにどんな事についても言い訳はつきものだが、雄介の場合には本当に謝る事を先にしてきてくれた事で十分に誠意が伝わったからなのか、許す事が出来たのかもしれない。　望だってそんなに意地悪な性格ではない。　やはり、その雄介の言い訳も受け止められてこそ恋人としての優しさの一つだからだ。

　望はその日も雄介の事で考え事をしていて、眠れずにいた。

　次の朝、望は起きるものの、ここの所あまり寝ていなかったせいか目の下にはクマが出来ていた。　そんな様子の望に和也が気付かない訳がない。　だからなのか和也は心配そうに望へと声を掛けるのだ。

「望……大丈夫なのか？」
「あ、ああ……まぁな」

　そう望は言うものの、やはり今の望の状況では誰が見ても調子が悪そうなのか一目瞭然だ。

「ホンマに大丈夫なんか？　少し休んだ方がいいと違う？　望は地震が起きてからちゃんと休んでないやろ？」
「まぁ、平気だって……ほら、俺なんかよりさ、患者さんの方が大変な思いしてるんだからな」