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第1章 勘当旅編
15話 久々のぬいぐるみ作り
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「本当に変わってない……」
翌朝、起床した私は呟いた。窓から見える空は昨日と同じで青い。雨もあまり降らないのかもしれない。
船長さんの言っていたクセがあるとは白夜のことだと理解した。
「まぁぐっすり眠れたから気にしてないけど」
『そりゃよかったじゃねぇか』
テーブルの上でラディウスが不機嫌そうに言う。寝るときからそこに置いていたので今回は移動していない。
「なんで?眠れなかったの?」
『ずっと明るいこともそうだが、こんなゴツゴツした場所で眠れるか!』
「でもアンゼータのときはテーブルに移動してたじゃん」
『あれは起きてから移動したんだ!頭が冴えちまったからな!』
ラディウスはいつもより高く跳ねながら言った。
よほど眠れなかったみたいだ。
「そうだったんだ……。じゃあ次からはベッドで寝る?」
『もちろんだ!あと、お前に踏み潰されるの嫌だから角っこで寝るからな!』
「私そんなに寝相悪くないよ?」
自分で言うのもなんだが、私は寝相はいい。家で寝ていたときはもちらん、宿屋でも毛布が床に落ちたことはない。
『悪くはないが、寝返り打ったときに潰されそうになったんだよ!』
「そんな場所にいるラディウスも悪いんじゃないの?寝返りを打つなって言われてもできないし」
『……そうだな……』
正論を返されたせいかラディウスは飛び跳ねるのをやめておとなしく賛同した。一気にしおれたラディウスをかわいいと思いながら、ふと疑問が思い浮かぶ。
もしラディウスが潰れてしまったらどうなるのだろう。それこそ魂が抜け出て、ただのぬいぐるみになるのだろうか。
しかしそんな恐ろしいことを試すことはできないため忘れることにした。
小さなパンを2つ食べて部屋を出ると主人のお兄さんに挨拶する。
「おはようございまーす」
「おはようございます。よく眠れましたか?』
「はい!
あの、1つ聞きたいことがあるんですけど……」
「何でしょうか?」
「リル村ってどこにありますか?」
昨日、酒場のお姉さんに聞くのを忘れてしまっていた。
お兄さんは少し考えたあと私に目線を合わせてくれる。
「ここから東に行ったところにありますよ。それに街道が通っているので歩きやすいと思います」
「わかりました!ありがとうございます!」
「お気をつけて」
宿屋を出て町の入口に向かう。まだ朝だとは思うが、昨日着いた時と同じように人通りは少なかった。夜が来ないのでみんな時間には無頓着なのかもしれない。
コルタル港を出て、教えてもらった通り東に進む。リル村はホワイトドラゴンと関係があるみたいなのでワクワクが止まらない。
しかし、いろいろ考えているうちにあることを思い出して足を止めた。
「だ、大事なこと忘れてた……」
『何だよ、宿屋に忘れ物でもしたか?』
「ぬいぐるみ全然作ってなーーい!」
『大事じゃねぇだろ⁉』
ラディウスに鋭いツッコミを入れられたが、私にとっては大事なこと。
世界のことや初めて見る景色に興奮して頭から抜け落ちていたのだ。
「どうしよう⁉思い出したら作りたくなってきちゃった!」
『ハハハハハ!おいおい、そもそも素材がねぇだろ』
「あ、そこら辺の草から作るから大丈夫だよ」
『はぁ⁉草からだと⁉』
ビックリして迫ってきたラディウスにしっかりと首を縦に振る。
草を素材にすると布よりかなり格好悪くなってしまうが、円形の物だったら作れるようになった。
今は素材になるような物を持っていないため作るなら草だ。
「うん。でも何作ろう……」
『お、思いつかねぇなら今は作るのやめとけ』
「どうして?」
『完成図も思い描けてねぇのに作れるわけないだろ。それに、もし俺みたいに喋りだしたらどうすんだ?』
『え?喋ったら楽しい――あれ、なんだろう?」
道から外れた草むらに何か薄い緑色のブヨブヨしたモノが落ちている。
ジッと見つめていると少しずつ這うようにして移動していた。
「動いてる⁉」
『あれは確か、スライムじゃねぇか?』
「それって魔物?」
『ああ。って魔物じゃなかったら何になるんだよ……』
初めて見るスライムに好奇心が溢れ出てくる。
顔もなく、液体のような個体のような不思議な体。
「近づいても大丈夫かな?」
『どうだったか。でも向こうもこっちには気づいてると思うから
凶暴ではなさそうだな』
「なんとか仲良く――あっ!そうだっ!」
カビたパンを持っていたことを思い出した。さっそく袋から包んでいる服ごと取り出す。
最初よりもカビは広がっていて正直気味が悪いが、服には移ってないみたいなので少し安心した。
ラディウスは肩から覗き込むと嫌悪を示す。
『うわ、随分侵食してるな……』
「食べるかな?」
スライムの近くに落として様子を見る。するとスライムはパンの周りを1周したあとフワリと覆いかぶさった。
「あ、食べちゃった」
『お前がやったんだろ。まぁそう簡単に腹壊すとは思えんがな』
そのまま眺めているとスライムはポヨンと跳ねて私の前に出て、また5回ぐらい飛び跳ねた。
喜んでいるように見えるし、たぶん悪い意味ではないと思う。
『まさか、もっとよこせって言ってるのか?』
「おいしかったの?」
そう言うとスライムはまた飛び跳ねた。言葉を理解しているみたいだし、
跳ねている姿がラディウスみたいでかわいい。
「じゃあ全部あげるね!」
残りのカビたパンをスライムの前に置くと、平べったく伸びてパンの下に潜り込んだ。
パンを食べなかったことと伸びることビックリしで瞬きを繰り返す。
「食べないの?」
『らしいな。見ろよ』
再びスライムを見るとパンを落とさないようにゆっくりどこかに運んでいた。仲間にあげるつもりなのかもしれない。
『追いかけるなよ……』
「え、そ、そんなことしないよ?」
念を押されて動きを止める。せっかくなのでついていきたかったのに、
そう言われたら諦めるしかない。自制心と戦いながらスライムを見送った。
「かわいかったなー。そうだ!スライムをモチーフにしよう!」
「おいおいおい、お前本気で作るのか⁉」
「うん!」
草で編むのは大変だが修正するのは布に比べれば簡単だ。
その辺の草を引き抜いて編み始める。スライムに目はなかったが落ちていた赤い木の実で目を作り、
あっという間に完成させるとラディウスがため息をついた。
『作っちまった……』
「何がそんなに嫌なの?」
『だから、俺みたいに喋りだしたらどうすんだって言ってるだろ。
ソイツが凶暴だったらお前、世話できるのか?』
「さぁ……。実際にやってみないとわからないや」
『そうかよ……』
ラディウスは大きなため息をつくと黙り込んでしまった。やっぱり嫌なのだろう。
でも「壊せ」とまでは言ってこないので、内心謝りながら草スライムを手に持って歩き始めた。
長い間無言が続く。ずっとこのままでも大丈夫ではあるが、静かな時間が長いと退屈になってくる。
何を話そうか考えようとしたとき、突然草スライムが跳ねて足元に転がった。
「ん?勝手に動いた?」
『ま、まさか……』
ラディウスとジッと見つめていると草スライムはクルリと顔がある方に向きを変える。そして大きく飛び跳ねた。
『こんにちはー!』
翌朝、起床した私は呟いた。窓から見える空は昨日と同じで青い。雨もあまり降らないのかもしれない。
船長さんの言っていたクセがあるとは白夜のことだと理解した。
「まぁぐっすり眠れたから気にしてないけど」
『そりゃよかったじゃねぇか』
テーブルの上でラディウスが不機嫌そうに言う。寝るときからそこに置いていたので今回は移動していない。
「なんで?眠れなかったの?」
『ずっと明るいこともそうだが、こんなゴツゴツした場所で眠れるか!』
「でもアンゼータのときはテーブルに移動してたじゃん」
『あれは起きてから移動したんだ!頭が冴えちまったからな!』
ラディウスはいつもより高く跳ねながら言った。
よほど眠れなかったみたいだ。
「そうだったんだ……。じゃあ次からはベッドで寝る?」
『もちろんだ!あと、お前に踏み潰されるの嫌だから角っこで寝るからな!』
「私そんなに寝相悪くないよ?」
自分で言うのもなんだが、私は寝相はいい。家で寝ていたときはもちらん、宿屋でも毛布が床に落ちたことはない。
『悪くはないが、寝返り打ったときに潰されそうになったんだよ!』
「そんな場所にいるラディウスも悪いんじゃないの?寝返りを打つなって言われてもできないし」
『……そうだな……』
正論を返されたせいかラディウスは飛び跳ねるのをやめておとなしく賛同した。一気にしおれたラディウスをかわいいと思いながら、ふと疑問が思い浮かぶ。
もしラディウスが潰れてしまったらどうなるのだろう。それこそ魂が抜け出て、ただのぬいぐるみになるのだろうか。
しかしそんな恐ろしいことを試すことはできないため忘れることにした。
小さなパンを2つ食べて部屋を出ると主人のお兄さんに挨拶する。
「おはようございまーす」
「おはようございます。よく眠れましたか?』
「はい!
あの、1つ聞きたいことがあるんですけど……」
「何でしょうか?」
「リル村ってどこにありますか?」
昨日、酒場のお姉さんに聞くのを忘れてしまっていた。
お兄さんは少し考えたあと私に目線を合わせてくれる。
「ここから東に行ったところにありますよ。それに街道が通っているので歩きやすいと思います」
「わかりました!ありがとうございます!」
「お気をつけて」
宿屋を出て町の入口に向かう。まだ朝だとは思うが、昨日着いた時と同じように人通りは少なかった。夜が来ないのでみんな時間には無頓着なのかもしれない。
コルタル港を出て、教えてもらった通り東に進む。リル村はホワイトドラゴンと関係があるみたいなのでワクワクが止まらない。
しかし、いろいろ考えているうちにあることを思い出して足を止めた。
「だ、大事なこと忘れてた……」
『何だよ、宿屋に忘れ物でもしたか?』
「ぬいぐるみ全然作ってなーーい!」
『大事じゃねぇだろ⁉』
ラディウスに鋭いツッコミを入れられたが、私にとっては大事なこと。
世界のことや初めて見る景色に興奮して頭から抜け落ちていたのだ。
「どうしよう⁉思い出したら作りたくなってきちゃった!」
『ハハハハハ!おいおい、そもそも素材がねぇだろ』
「あ、そこら辺の草から作るから大丈夫だよ」
『はぁ⁉草からだと⁉』
ビックリして迫ってきたラディウスにしっかりと首を縦に振る。
草を素材にすると布よりかなり格好悪くなってしまうが、円形の物だったら作れるようになった。
今は素材になるような物を持っていないため作るなら草だ。
「うん。でも何作ろう……」
『お、思いつかねぇなら今は作るのやめとけ』
「どうして?」
『完成図も思い描けてねぇのに作れるわけないだろ。それに、もし俺みたいに喋りだしたらどうすんだ?』
『え?喋ったら楽しい――あれ、なんだろう?」
道から外れた草むらに何か薄い緑色のブヨブヨしたモノが落ちている。
ジッと見つめていると少しずつ這うようにして移動していた。
「動いてる⁉」
『あれは確か、スライムじゃねぇか?』
「それって魔物?」
『ああ。って魔物じゃなかったら何になるんだよ……』
初めて見るスライムに好奇心が溢れ出てくる。
顔もなく、液体のような個体のような不思議な体。
「近づいても大丈夫かな?」
『どうだったか。でも向こうもこっちには気づいてると思うから
凶暴ではなさそうだな』
「なんとか仲良く――あっ!そうだっ!」
カビたパンを持っていたことを思い出した。さっそく袋から包んでいる服ごと取り出す。
最初よりもカビは広がっていて正直気味が悪いが、服には移ってないみたいなので少し安心した。
ラディウスは肩から覗き込むと嫌悪を示す。
『うわ、随分侵食してるな……』
「食べるかな?」
スライムの近くに落として様子を見る。するとスライムはパンの周りを1周したあとフワリと覆いかぶさった。
「あ、食べちゃった」
『お前がやったんだろ。まぁそう簡単に腹壊すとは思えんがな』
そのまま眺めているとスライムはポヨンと跳ねて私の前に出て、また5回ぐらい飛び跳ねた。
喜んでいるように見えるし、たぶん悪い意味ではないと思う。
『まさか、もっとよこせって言ってるのか?』
「おいしかったの?」
そう言うとスライムはまた飛び跳ねた。言葉を理解しているみたいだし、
跳ねている姿がラディウスみたいでかわいい。
「じゃあ全部あげるね!」
残りのカビたパンをスライムの前に置くと、平べったく伸びてパンの下に潜り込んだ。
パンを食べなかったことと伸びることビックリしで瞬きを繰り返す。
「食べないの?」
『らしいな。見ろよ』
再びスライムを見るとパンを落とさないようにゆっくりどこかに運んでいた。仲間にあげるつもりなのかもしれない。
『追いかけるなよ……』
「え、そ、そんなことしないよ?」
念を押されて動きを止める。せっかくなのでついていきたかったのに、
そう言われたら諦めるしかない。自制心と戦いながらスライムを見送った。
「かわいかったなー。そうだ!スライムをモチーフにしよう!」
「おいおいおい、お前本気で作るのか⁉」
「うん!」
草で編むのは大変だが修正するのは布に比べれば簡単だ。
その辺の草を引き抜いて編み始める。スライムに目はなかったが落ちていた赤い木の実で目を作り、
あっという間に完成させるとラディウスがため息をついた。
『作っちまった……』
「何がそんなに嫌なの?」
『だから、俺みたいに喋りだしたらどうすんだって言ってるだろ。
ソイツが凶暴だったらお前、世話できるのか?』
「さぁ……。実際にやってみないとわからないや」
『そうかよ……』
ラディウスは大きなため息をつくと黙り込んでしまった。やっぱり嫌なのだろう。
でも「壊せ」とまでは言ってこないので、内心謝りながら草スライムを手に持って歩き始めた。
長い間無言が続く。ずっとこのままでも大丈夫ではあるが、静かな時間が長いと退屈になってくる。
何を話そうか考えようとしたとき、突然草スライムが跳ねて足元に転がった。
「ん?勝手に動いた?」
『ま、まさか……』
ラディウスとジッと見つめていると草スライムはクルリと顔がある方に向きを変える。そして大きく飛び跳ねた。
『こんにちはー!』
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