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ChapterⅡ 新たな闘い

第5話

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 Dギアコンビは、なかなか順調だった。
 彼らは、ピンクホテルのある街からは離れ、別の街での依頼に勤しんでいた。

 無償で護衛をすると言うと、彼の仕事の手伝いを——つまり雑用だが——申し出てくれた。

 ギアは、レストよりも頭ひとつ分以上の背がある大男。
 でも、その身体の筋肉らしきものは、全くの伊達(ダテ)だ。
 武器の扱いは素人に近く、持たせておくとしたら鈍器類か。

 叩くのは得意のようだし……と、初対面のドアの叩きっぷりを頭の中で呼び起こした。

 ついでに、棍棒を持たせた絵を思い浮かべ、レストはひとりでニヤリとする。
 似合いすぎるっ。

「おい、その顔。もしかしてまた、‟オネーサン“か?」
 呆れ顔のギアが、レストのナイフを研ぎながら聞く。

「違うって。こん棒の———」
 ギアの手元に目をやって、レストが叫ぶ。
「いや、ちょっとそれ、削ってんだろ!」

 ナイフが明らかに細くなっている。

「……研ぎすぎたか」

 すまなそうな彼に「まぁ、いいさ」と言う。
「そうだ。その代わりと言ったらナンだけど、オレにメイカーの仕事を教えてくれないか?」


 ゼフィアの言葉が気になっていた。

『ロードマスターにもなれる』と彼女は言った。
 だが、レストは実質、暗殺者(アサシン)。

 依頼を受け、実行する。単純な仕事だ。
 その過程で魂を回収し、メイカーに渡すというのは、まだ納得できた。

 だが、『浄化』となると勝手が少し違いそうだ。
 やってみる、とは言ったものの、話は宙に浮いたままだった。
 彼女は忙しいのか、なかなか会えず、説明もない。

「オレにできるのか、やりたいのか、見極めたい」

 ギアは腕組みをして、最もらしく頷いている。
「いつからやる?」
「いつからでも」


 依頼の合間にこうした時間が持てるのは助かった。
 でないと、彼女を求めてしまう。
 俺は、相当、重症だった。




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