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70話

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 ワイバーンが森を焼き払おうと火炎の息吹を放ち、それを防ぐために私の聖魔力と森の魔力を使っている。

「私が、ワイバーンを仕留めて来ます!」

 このままだと私達が不利になると理解したズビアが、木に登り蹴り上げることで空を飛んでいるワイバーンに迫り、対処に出ていた。

 その瞬間を待っていたように、ライオスが急に笑い出して。

「ははは! 3人居た仲間の1人が消えました……これで終わりです!」

 そう言って――私は、これがライオスの狙いだと理解する。

 敷地の前に居るライオスは金色の杖を取り出して――私は、その正体を知っていた。

 この国の魔力と国民の魔力と意志を取り込んだ杖にして、この国の切札。

 どうやらラーゴアが使ったのはライオスの魔道具によるもので、だからこそ弱かったのでしょう。

「ぐっっ……使わせたら終わりだ!」

 そう叫んだウォルフが杖の発動前に潰すために動き、私は侵入遮断の結界を解除する。

 私達の初動が遅いのは致命的で――ライオスは頭上に杖をかざし、杖の力を解放していた。

 膨大な魔力が、白い光の巨大な柱となってライオスに降り注がれていく。

 それが一気に膨大となって、森全体を包み、そこに居るライオスとラーゴア以外の生物、魔力を消す気なのでしょう。

「ウォルフ! 対処法は前の杖と同じよ!」

「了解いたしました!!」

 私は身にまとっていた魔道具を使い、ウォルフと共にこの場で杖の魔力を受け流そうとしていた。

 モニターで眺めていたハロルドも魔道具を駆使してくれて、私も協力して受け流そうとするも、ウォルフが呟く。

「こ、これは……無理だ……」

 これは技術ではどうにもならないほどの力で……これが本来の、この国に備えていた切札の力。

 それでも――私とハロルドはこの日常を守るため、絶対に諦めない。

 ハロルドが魔道具を駆使して、私がハロルドを信じて魔力を送った結果――ルドロス国が蓄えていた魔力を全て、受け流すことに成功していた。
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