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15話

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 私はルドロス国で陛下達の会話を魔道具経由で聞いていたけど、捕らえる気でいるようだ。

 今すぐに動いたとしても数日かかるはずで、この森から出る気はないから大丈夫だと思っている。

 それでも、王の間の会話を聞いてから、ハロルドは緊迫している様子だった。 

「ハロルド、そんなに気を張らなくても大丈夫よ」

「そ、そうですか? 流石に相手は一国、それも滅亡の危機で何をしてくるかわかりませんが……」

 ハロルドの言うことも理解できるけど、この森の中なら問題はない。

「一番不安なのは森の外でハロルドが捕らわれることだったから、ここに居てくれるのなら大丈夫よ」

「俺としては、エレナさんを守りたかったのですが……まだ実力不足のようです」

「あ、ありがとう。こうしてハロルドが傍に居てくれるだけで十分よ」

 どうやらここまで気を張っていたのは、私を守るつもりでいたからのようね。

 それはかなり嬉しくて……確実にハロルドが安心できる時は、私を連れ戻すために誰かがやって来てからになりそうだ。

「準備とかもあるだろうし、騎士隊が来るのは数日かかるから……食料を補充しに行きましょう」

「はい!」

 もし食材がなくなったとしても、人化したウォルフとズビアに任せればいい。

 そして5日が経ち――森の中に武装した騎士隊が侵入してきていることを理解していた。

 私は森内ならどこでも確認することができて、騎士隊の表情は必死の様子だ。

 そのことをハロルドに伝えながら、私は推測する。

「彼等はもし失敗したら、人生の終わりだと考えていそうね」

「はい……それでも、エレナ様の居るこの森なら問題はないでしょう」

 悪いのは、そんな命令を出したルドロス国だ。

 そしてルドロス国の騎士隊が森を抜けて……私の屋敷の敷地内に入ろうとしている。

 彼等は騎士隊の中でも精鋭だと判断するも、敷地内に入ることは一切できなかった。
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