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81話

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 元捜索隊のクイムは私を捕えるという本来の目的を忘れ、仕留めようと全力で攻撃をしかけていた。

 今のフルディはクイムと違い、明らかに加減している。

 宿している魔力から、本気なら終わっていたかもしれない……そう考えて、私は尋ねる。

「フルディ、貴方はアイレスの洗脳を受けていないの!?」

「ミラーナがアイレスに利用されて死んだ。それ以降……俺は自我を取り戻すことができている」

 クイムは首輪の力で言えなかった「アイレス」と名前を口にしたことに私達が驚いていると、話は続く。

「ミラーナは最期、俺に敵意を向けた……」

 私も敵意を向けているけど、それ以上にとてつもない嫌悪感がきているのを自覚している。

 これもアイレスの力なのかもしれないけど、フルディは私を睨んで。

「俺はお前が幸せなのが許せない! お前を捕えて、ドルーダに地獄を見せてやる!!」

 そう叫びながら、フルディはラッセルとノーチスの攻撃を防いでいく。

 私は回復ポーションを飲みつつ、フルディの攻撃を防ぎながら魔力攻撃を行う。

 そして――フルディは動けなくなり、体が崩壊し始めていた。

「な……ど、どうして……」

 魔法が使えなくなり、ラッセルとノーチスから離れながらフルディが困惑していた。

 そんなフルディに対して、私は告げる。

「もし、貴方が本気で私達を殺そうとしていたら、勝てなかったかもしれないわ」

 ラッセルとノーチスは私の傍に居たから、フルディは本気で攻撃できなかった。

 万一にも私を巻き込んで殺せば、本来の目的が果たせなくなるから。

 フルディは確かに強くなっている。

 私、ラッセル、ノーチスでも勝てない程だけど……それでも、加減して勝てるほど力の差はない。

 攻撃は相殺され、私の魔力切れを待とうとしていたけど、フルディはラッセルとノーチスを魔法で攻撃できない。

 3対1という状況で目的を果たそうと欲張った結果……フルディの膨大な魔力は尽きようとしていた。
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