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72話
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魔獣人の2人はそれぞれ剣、メイスを握りしめ、ノーチスに迫っていく。
私は魔本を広げで炎の壁を出すも、2人は痛みを気にせずに突っ込んでくる。
「動きは鈍った!」
体力と魔力を消費しながらも、ノーチスは剣を振るうことで斬撃を伸ばす。
1人は吹っ飛んで意識をなくすも、もう1人の狙いは私にあった。
「ミレイユ!?」
「――っっ!?」
私は魔本に魔力を籠めることで、膨大な水を放つ。
それを受け止めながらも一人が私に迫ろうとするけど、私の目的は動きを鈍らせることにあった。
「やるな!」
ノーチスがそう叫びながら、加速して強力な一撃を敵に放つ。
直撃した魔獣人は吹き飛んで意識をなくすけど、それを眺めながら。
「魔獣人は生け捕り、もしくは殺害と聞いているから殺す気でやったが……両断できないとはな」
ノーチスが唖然としているけど、これで残りはクイムだけだ。
そんな中、クイムは楽し気に笑い、両手を叩きながら。
「はっ、ははは! そいつらは自我を無くした俺の駒、失敗作だが……今ので動きは理解できた」
「ふん。実力を試す為の捨て駒ということか」
「違うな……そいつらは俺の指示を聞く。俺を守ることを最優先するから、邪魔になる可能性が高かったんだよ!」
そう叫んだと同時に――クイムは背中の翼をはばたかせ、私達に魔力を止めた暴風を飛ばす。
「私が防ぐから!」
魔本に魔力を籠めて風の盾を出して相殺するけど、加速したクイムが一気にノーチスの間合いに入って来ていた。
「ぐッッ!?」
剣で拳による一撃を受け止めるも、ノーチスは吹き飛んでいく。
「ノーチス!?」
「これで終わりだ!」
私の風魔法を間近で受けて動きは鈍っているけど、クイムは吹き飛んでいない。
魔力は高いけど、この距離での貫手を受ければ、私の体は貫かれてしまう。
後ろに下がってもクイムが接近して……私は思わず目を閉じると、クイムが横に吹き飛んでいた。
「えっ……」
私が驚いていると、目の前にはラッセルがやって来て。
「魔道具で急いで来たが、まさか、クイムが魔獣人だとは……ミレイユは俺が守ってみせよう」
どうやらラッセルの剣に魔力を籠めた閃光がクイムに直撃したことで、私に対するクイムの攻撃は届かなかった。
ギリギリ助かったことに安堵しながら、私達はクイムを倒そうとしていた。
私は魔本を広げで炎の壁を出すも、2人は痛みを気にせずに突っ込んでくる。
「動きは鈍った!」
体力と魔力を消費しながらも、ノーチスは剣を振るうことで斬撃を伸ばす。
1人は吹っ飛んで意識をなくすも、もう1人の狙いは私にあった。
「ミレイユ!?」
「――っっ!?」
私は魔本に魔力を籠めることで、膨大な水を放つ。
それを受け止めながらも一人が私に迫ろうとするけど、私の目的は動きを鈍らせることにあった。
「やるな!」
ノーチスがそう叫びながら、加速して強力な一撃を敵に放つ。
直撃した魔獣人は吹き飛んで意識をなくすけど、それを眺めながら。
「魔獣人は生け捕り、もしくは殺害と聞いているから殺す気でやったが……両断できないとはな」
ノーチスが唖然としているけど、これで残りはクイムだけだ。
そんな中、クイムは楽し気に笑い、両手を叩きながら。
「はっ、ははは! そいつらは自我を無くした俺の駒、失敗作だが……今ので動きは理解できた」
「ふん。実力を試す為の捨て駒ということか」
「違うな……そいつらは俺の指示を聞く。俺を守ることを最優先するから、邪魔になる可能性が高かったんだよ!」
そう叫んだと同時に――クイムは背中の翼をはばたかせ、私達に魔力を止めた暴風を飛ばす。
「私が防ぐから!」
魔本に魔力を籠めて風の盾を出して相殺するけど、加速したクイムが一気にノーチスの間合いに入って来ていた。
「ぐッッ!?」
剣で拳による一撃を受け止めるも、ノーチスは吹き飛んでいく。
「ノーチス!?」
「これで終わりだ!」
私の風魔法を間近で受けて動きは鈍っているけど、クイムは吹き飛んでいない。
魔力は高いけど、この距離での貫手を受ければ、私の体は貫かれてしまう。
後ろに下がってもクイムが接近して……私は思わず目を閉じると、クイムが横に吹き飛んでいた。
「えっ……」
私が驚いていると、目の前にはラッセルがやって来て。
「魔道具で急いで来たが、まさか、クイムが魔獣人だとは……ミレイユは俺が守ってみせよう」
どうやらラッセルの剣に魔力を籠めた閃光がクイムに直撃したことで、私に対するクイムの攻撃は届かなかった。
ギリギリ助かったことに安堵しながら、私達はクイムを倒そうとしていた。
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