婚約者の王子が危険すぎるから、奪おうと目論んでいた妹に譲ります

69話

　ノーチスから魔獣人という存在について聞くけど……モンスターと同化した人で、見た目が獣人のように見えるらしい。

　モンスターを操作できる3人組のようで、都市フーラスの周辺で被害を起こしているようで、モンスターの力を持っているからかとてつもなく強いらしい。

「……今日、俺達に報告に来たのは、先月のように対処して欲しいということか？」

「その通りだが、今回は先月よりも遙かに危険だ。やっていることは盗賊と同じだが、トールズ魔道具店の武器を持っている者ばかり狙っている辺り、誰かが監視しているのかもしれねぇ」

　外で監視して、買い物をした冒険者を標的にして魔獣人に連絡し、始末する。

　その結果がお客様の減少で……この行動が続くと、赤字になる可能性が高い。

「このままだとトールズ魔道具店は終わる……俺は行こう！」

「トールズ魔道具店を壊そうとしている人達を見ることができそうだから、私も行くわ！」

　私達の返答を聞くと、ノーチスは頷いて。

「わかった。相手が人間だから場所はわからない……だから、トールズ魔道具店で武器を購入した冒険者パーティが、明日フーラスの都市周辺をうろつくことになっている」

　それって……囮だと思うしかないのだけど、大丈夫なのだろうか。

　トールズ魔道具店を監視している人が居るのなら、魔道具を購入した人が外に出たタイミングで、魔道具を使って連絡をとるのでしょう。

　そしてアイレス商会は魔獣人に連絡をとって、その冒険者パーティを始末するはず。

　そこを――私、ラッセル、ノーチスが叩こうと決めていた。