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61話

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 8人の冒険者パーティ……どうやら3人が2組、2人が1組の合同パーティのようだ。

 3頭のオークは様々な武器を扱っているも、どれもトールズ魔道具店で売られていた魔道具に見える。

 モンスターに使わせるためか加工している部分はあるけれど……明らかにラッセルが作ったものだった。

「俺が先頭で戦うから、2人はサポート、他の冒険者達を助けてくれ!」

 そうノーチスが告げて、オークに斬りかかっていく。

 長刀を持ったオークは魔力で斬撃を伸ばす……ラッセルの魔道具をこんな形で使われているのに苛立つしかないけど、ノーチスは俊敏に回避していく。

 他の冒険者達は魔道具の性能に驚いていたからこそ、オークの攻撃を対処することができなかったようね。

 私は怪我をしている人達の元に向かい、回復ポーションを渡す。

「助けにきました。これを飲んでください」

「あ、ありがとう……疑っていた俺達に、ここまでしてくれるだなんて、本当に悪かった」

 助けた冒険者の人達が唖然としながらも、疑ったことを私に謝っている。

 回復ポーション代は貰うと言うよりも、無償で解決した方が心証はよさそうね。

 この考えは魔道具店の店員としてどうかと思ってしまうけど、疑心を晴らした方が利益が大きいのは間違いない。

 ノーチスとラッセルがオーク達を撃退していくけど……ラッセルが冒険者でもトップクラスのノーチスの足を引っ張っていないのは強化の魔道具によるものだ。

 実力ならノーチスの方が僅かに上だけど、ラッセルは自分が作った魔道具だから、性能がわかって対処できる。

 戦って冒険者の人達は魔道具が使えるモンスターに驚き、多彩な戦い方に苦戦していたようだけど……ラッセルとノーチスの的ではなかった。

 戦いを終えて、私の元にラッセルがやって来て。

「とりあえず一組は対処できたが……ミレイユはどうして、困惑しているんだ?」

「結構長い間魔道具の店員をやってきたと、自分の成長に驚いていたの」

 成長なのかどうなのかはわからないけど、魔道具店の今後を考えたりできるのは、こうして店員を長くやってきたからだ。

 それを成長だと思わずにはいられなくて、ラッセルの力になれているとは思う。

 それから私達は助けた冒険者に感謝されながら、次の場所にも行き、魔道具を扱う異種のオーク達を撃退することができていた。
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