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58話

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 アイレス商会の陰謀によって、私とラッセルが経営しているトールズ魔道具店は冒険者ギルドと魔方協会から警戒されているらしい。

「……冒険者ギルドとしては、どうしている?」

 ラッセルが冒険者ギルドの行動を確認すると、ノーチスは私達を眺めて。

「それは対処しようと動いているが、異種のモンスター、オーク型のモンスターだが強い上に数が多い……魔道具に関しては倒した奴の物だけど、大体俺が倒してるな」

 どうやら10体ぐらいいるみたいだけど、ピンチになるとすぐに逃亡するらしい。

 ノーチスが2体、他の冒険者は弱っている所を1体倒せたみたいだけど、まだ6体が都市フーラスの近くで被害を出している。

「俺達の元にやって来たというのは、当事者だからというのもあるが……その魔道具を手に入れたのか?」

「そうだ。確認して欲しい」

 どうやらここからが本題のようで、ノーチスはテーブルにナイフと首輪の魔道具をテーブルに置いていた。

 このナイフは魔力を使うと刀身が燃えて、前方に炎の弾丸を飛ばせる魔力武器だけど……間違いなくラッセルが作ったものだ。

 違う点は柄が解っているという点で、これがきっとモンスターでも扱えるように加工した部分なのでしょう。

 問題は首輪の方で……トールズ魔道具店では、首輪を扱っていない。

 私とラッセルが首輪に注目していると、ノーチスが首輪を指差して。

「この首輪の魔道具が原因だと、俺は考えている……モンスターに魔道具を扱える知性をつける魔道具なんて前代未聞だから、ギルド側でもどうすればいいのかわからねぇみたいだな」

「これは俺の方で調べてみるけど、犯人の特定は厳しそうだ」

 そうラッセルが言って、ノーチスが首輪の魔道具をラッセルに渡す。

 このままいくと、店の中を調べようとギルドが動くかもしれない。

 そうなると記憶操作の魔道具が見つかるし……あれはもう、今の内に壊すしかないような気がする。

「明日、俺は問題となっている異種のオークを倒す依頼を受けているから行くつもりだ。場所はわかっている……来るか?」

「ああ……行こう」

 どうやらこれも、ノーチスが私達と話したかった理由なのでしょう。

 私とラッセルは頷き、ノーチスと共に異種のオークと戦おうとしていた。
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