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49話

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 あれから1週間が経って、トールズ魔道具店は今日も繁盛している。

 人だかりができるほどでもないけど、結構な頻度でお客様がやって来て、魔道具を購入してくれる。

 誰も居ない時は商品の補充や魔道具の作成……私も、4カ月目になると店に貢献できていると実感できて嬉しい。

 誰も居なくて暇な時間ができることも何回かあるけど、その時にラッセルが私に聞く。

「リバイスの話だが……もし戻って欲しいと頼まれたら、ミレイユはどうする?」

 ここ1週間もの間、ラッセルが何かを気にしている様子だったけど、きっとこのことでしょう。

 リバイスの話だとラッセル1人で経営はできず、人を雇おうにも信頼できる人が居ない。

 誰でも構わないと募集をすれば、他の店の刺客が働こうとするのは間違いないらしくて、私には離れて欲しくないはず。

「絶対に帰りたくないわ。今こうしてトールズ魔道具店で働けているのが、私にとって幸せだもの」

「そ、そうか……トールズ魔道具店。か」

 トールズ魔道具店が大事だと言った方がいいと思ったのに、ラッセルが少し落ち込んでいそうなのが気になってしまう。 

 ここ最近は素材も全部購入しているけど、時々は身体を動かしたくなってしまう。

 次の定休日はダンジョンか森に素材集めに行こうと決意しながら動いていると――今日の閉店時間になろうとしていた。

 そして――あと数分で閉店というタイミング、お客様は誰も居ないから、私達が準備をしようとした時。

「ミレイユ様!? ようやく見つけました!」 

 そんな叫び声が聞こえて……知らない4人の兵士らしき人が、トールズ魔道具店に入ってくる。

「……もう店を閉めよう。何者だ?」

 そう言って看板をかけながらラッセルが言って、一番装飾が豪華な兵士が前に出て、それと同時に兵士達が店の外に出ていた。

「私はクイムと言います。ミレイユ様の捜索隊のリーダーを務めています。マルーア家は、ずっとミレイユ様を捜索していました」

「どうして?」

 私が冷たい声を出すも、クイムは気にせずに告げる。

「はっ! ミレイユ様の妹ミラーナ様が、フルディと共にドルーダ殿下から国外追放を言い渡されたからです!」

 ドルーダ殿下はしっかり殿下と呼びながらも、フルディは呼び捨てにしている。

 それだけである程度察してしまうけど……私に戻る気は一切なかった。
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