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47話

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 あれから3カ月が経って、トールズ魔道具店は有名になっていた。

 今日は定休日だから店の中で魔道具の仕入れや準備をしていて、昼食を食べている時。

「まさかここまで上手くいくとは思わなかった……これも全て、ミレイユのお陰だ!」

 ラッセルがそう言ってくれるけど、それは普通に言い過ぎでしょう。

「どう考えてもラッセルの魔道具経営がよかったのよ」

「そ、そうかな……それでも最初のことを考えると、ミレイユのお陰だと言うしかない!」

 そうラッセルが言うのならそうしておこうと、私達は食べ終えた食器を片付けているとベルが鳴る。

 ラッセルが案内すると……そこには、楽しげな表情を浮かべているリバイスの姿があった。

 リバイスは月に1回やって来て、色々と教えてくれる。

 私達が繁盛しているのが嬉しい様子だけど、今日はいつもよりも真面目な表情をしていた。

「リバイス、何かあったのか?」

「まあね……トールズ魔道具店が繁栄しているのは私としても嬉しいけど、初動がよかったせいで他の魔道具店に目をつけられている」

 他の魔道具店と聞かれて、ラッセルが強張った表情を浮かべながら。

「競い合うライバルだから警戒はしていたけど……遂に動き始めたのか」

「一番危険なのはアイレス商会かな。あの商会は元から色々と黒い噂が絶えないし本店が隣国にあるから、潰そうと動いてもおかしくはない」

 アイレス商会……私は聞いたことがないけど、ラッセルが息を呑んでいる。

「そんなに凄いの?」

「凄いよ。戦闘用とか尋問用とかの魔道具に長けていて……売るために戦争を引き起こそうとしているとか、黒い噂が絶えないんだ」

 それに関しては言いがかりのような気がすると考えていると、リバイスが私を見て。

「噂だから勝手にそう思われてる可能性もあるけど、アイレス商会は何度もやっているのは間違いないんだ。それを揉消したりなかったことにする能力に長けているけど……商会の家の者や、私のような者は危険だと知っている」

 そこまで言われて、私はアイレス商会に戦慄するしかない。

 そんな商会に目をつけられて大丈夫なのだろうかと、トールズ魔道具店の未来が不安になってしまうと。

「相手は大きな商会でこっちは1店だけ……普通なら取り込めないか考えるだろうから、潰すまではいかないと思う」

「トールズ魔道具店はラッセルが作った希少な魔道具が多いから、ラッセルの言う通りだが……気になっていることがある」

 そうリバイスが言って、私とラッセルがリバイスを眺めると。

「最近、トールズ魔道具店、ミレイユの詳細を尋ねる者が数組居た」

「えっ?」

 ラッセルではなくて、私だけなのが気になっていると。

「理由は解らないが……もしかしたら、連れ戻そうとしているのかもしれないな」

 私を連れ戻そうと、誰かが動いているかもしれない。

 マルーア家に何かあったのかもしれないけど、私に戻る気は一切なかった。
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