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39話

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 今まで考えたことがなかったけど、ラッセルは他の魔道具店から目をつけられていると考えている。

 それがブレスドラゴンと私達が戦う理由なのは考えすぎな気もするけど、可能性はあった。

「他の魔道具店……妨害してくるかもしれないって、どうすればいいの?」

 今までそんなことを考えたことすらなかった私は、不安になりながらラッセルに尋ねると。

「相手もバレたら終わりだから、目立った行動をとろうとはしない……魔道具で証拠を手に入れたら終わるから、俺が言ったけどそこまで気をつけなくてもいいとは思うな」

 そこまで言われて……今回の偶然を装ったブレスドラゴンとの戦いは、確かに他の魔道具店の妨害工作の可能性があるような気がする。

 今は問題がないのなら、私はラッセルにこれからのことを聞く。

「忙しくなって私も魔道具作りを教わっているけど、ラッセルは大丈夫なの?」

 あれから、暇ではなくなってモンスターを狩りに行かなくなったから、私は店員をしつつ魔道具について学んでもいた。

 閉店後に聞いて、開店中に試しているけど……経営もしているラッセルの負担になっているのではないかと考えてしまうと。

「問題ない。むしろ楽しいんだ……ここまで手伝ってくれるだなんて、本当に嬉しいよ」

 私としても、ラッセルの力になれたことが嬉しかった。

 もしかしたら……フルディと最初に出会った頃、こんな関係になりたかったのかもしれない。

 お互いが楽しく一緒に暮らす。

 もう諦めていたことが、今になって手に入ったことに……私は感激するしかなかった。
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