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28話
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ラッセルが私に持たせた魔道具と、危機感を覚えて冒険者になるよう頑張っていた私。
どうやら他の冒険者達が驚くぐらい、今の私は強いみたいだけど……気になったことがあるから、私は尋ねる。
「どうして倒れている人に、回復ポーションを渡さないの?」
4人のパーティで1人は意識はあるも朦朧としていて、血を流している。
苦戦していたモンスターは私が倒したし、もうポーションを飲む余裕はあるはず。
「ポーションは高価だから買ってなかった。金ならあるのに買えない今、こうなると買っておけばよかったと思ってしまう……」
「ポーションなら、あるわよ?」
私がそう言うと、3人の冒険者は驚いた表情を浮かべるけど……魔道具店を経営しているから、無料で渡したくはない。
そう考えていると、1人の青年が私の前に立って。
「カネは出す……いくら払えばいい?」
やけに警戒している様子で尋ねてきたから、私が金額を口にすると。
「いや、それは安過ぎるだろ……魔道具店と変わらないじゃないか」
「ええ。魔道具店の店員ですから」
「そ、そうか……でも、俺達は街の魔道具店で貴方を見たことがないのだが……」
もしかしたら、魔道具店の立地が悪いのかもしれない。
いきなりリバイスに頼んで借りてた店だから、これでリバイスを責めるのは筋違いでしょう。
× × ×
あれから回復ポーションを売って感謝された私は冒険者ギルドに行き、倒したモンスターを解体した部位を売ることに成功する。
これで当分は大丈夫だと思うけど、今回は更に収穫があった。
――今回のように冒険者を助けながら、トールズ魔道具店を紹介すれば、宣伝になる。
問題は、冒険者は基本的に危険を回避するから、そんな状況は今日以外にあまりなさそうということね。
「それでもこれで……私は、ラッセルの力になれたはず」
とにかく、何もやらないよりは遙かにいいから……何日かに一度、私はモンスターを狩ると決めていた。
どうやら他の冒険者達が驚くぐらい、今の私は強いみたいだけど……気になったことがあるから、私は尋ねる。
「どうして倒れている人に、回復ポーションを渡さないの?」
4人のパーティで1人は意識はあるも朦朧としていて、血を流している。
苦戦していたモンスターは私が倒したし、もうポーションを飲む余裕はあるはず。
「ポーションは高価だから買ってなかった。金ならあるのに買えない今、こうなると買っておけばよかったと思ってしまう……」
「ポーションなら、あるわよ?」
私がそう言うと、3人の冒険者は驚いた表情を浮かべるけど……魔道具店を経営しているから、無料で渡したくはない。
そう考えていると、1人の青年が私の前に立って。
「カネは出す……いくら払えばいい?」
やけに警戒している様子で尋ねてきたから、私が金額を口にすると。
「いや、それは安過ぎるだろ……魔道具店と変わらないじゃないか」
「ええ。魔道具店の店員ですから」
「そ、そうか……でも、俺達は街の魔道具店で貴方を見たことがないのだが……」
もしかしたら、魔道具店の立地が悪いのかもしれない。
いきなりリバイスに頼んで借りてた店だから、これでリバイスを責めるのは筋違いでしょう。
× × ×
あれから回復ポーションを売って感謝された私は冒険者ギルドに行き、倒したモンスターを解体した部位を売ることに成功する。
これで当分は大丈夫だと思うけど、今回は更に収穫があった。
――今回のように冒険者を助けながら、トールズ魔道具店を紹介すれば、宣伝になる。
問題は、冒険者は基本的に危険を回避するから、そんな状況は今日以外にあまりなさそうということね。
「それでもこれで……私は、ラッセルの力になれたはず」
とにかく、何もやらないよりは遙かにいいから……何日かに一度、私はモンスターを狩ると決めていた。
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