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26話

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 翌日――私はラッセルに案内されながら都市の外でモンスターを狩ろうとするも、案内された平原にはモンスターが居なかった。

「ラッセル。どういうこと?」

 私が尋ねると、ラッセルは困惑しながら。

「どうやら冒険者達が、都市の近くに居るモンスターを倒したようだ。ここから離れた場所に森やダンジョンがあって、そこにはモンスターが生息しているけど……数が多すぎるから止めておいた方がいい」

 どうやらラッセルとしては、私を危険な場所に向かわせたくないようだ。

「ミレイユが不安になるのも解るけど、しばらく待って欲しい」

「……わかったわ」

 そう言われたから……私は暫くの間、モンスターを狩りに行くのを止めようと決意していた。

 × × ×

 決意して――2週間が経つけど、ラッセルの目論見は外れてお客さんはあまり来ない。

「そろそろモンスターを倒して、素材を売ってくるわね」

 しばらく待った私はラッセルに告げると、ラッセルが焦ったような表情を浮かべて。

「待ってくれ! それなら俺に行かせてくれ……これでは、あまりにも惨めすぎる……」

 最初は成功しないってリバイスに何度も言われていたのに、ラッセルのメンタルはボロボロになっていた。

 そんなラッセルの力になりたいと思っているけど……ラッセルとしては、嫌なようね。

「こんなの……俺はフルディと同じじゃないか……」

 どうやらラッセルは、私を利用していると思い込んでいるみたいだ。

 フルディと同じになると考えていたから、私が動くべきではないと思っていたみたいだけど……これに関しては言っておきたいことがある。

「全然違うから。それは自分をあまりにも卑下しすぎよ」

「そ、そうだな」

 自分でも想像していないほどに重圧のある声が出ていたけど、そこは絶対に違うと理解してほしかった。 

 何度も心配されながら、私は都市フーラスの外に出て、モンスターを狩ろうとしていた。

 何とかしないといけないけど、とりあえずモンスターを倒しに行こう。

「それでも……まだ、早すぎるんじゃないかな?」

 私が危険な目に合うことを想像してか、ラッセルが心配してくれる。

「無理そうなら帰ってくるわ」

「俺としては、こうして2人きりで居られる時間も好きなんだけど」

 そう言われると、行くのを止めようか考えてしまう。

 これは……ラッセルは本心で言っているのか、私を引き留めるために言っているのか解らない。

「元々、私1人の時はこうして生活する予定だったもの、ラッセルが力になってくれたように、私もラッセルの力になるわ」

 何の権力も無くなっているというのに、こうして都市に住めて問題なく暮らせているのはラッセルのお陰だ。

「喜ぶべきなんだけど、なんだか養ってもらっているような……いや、俺がその分頑張ればいいんだ」

 ラッセルはそう言ってやる気を出しているけど……そもそもお客さんが来ないと、何の意味もないのよね。

 私はトールズ魔道具店を出て……これからモンスターを倒しながら、どうすればいいのか考えることにしよう。
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