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7話

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 あれから私は3年生になって、妹のミラーナが入学して1カ月が経っていた。

『ミレイユ様は地味だけど、ミラーナ様は明るくて可愛いな』

『まったくね。これならミラーナ様が婚約者の方がいいんじゃないかしら?』

 ラッセルから聞いた周囲の評判も、私の目的通りになっている。

 結局――フレディ殿下を改心させることができなかった。

 3年生になって、私はあえて成績を落とすことで主席候補から外れていた。

 それによって今まで成績がよかったのは偶然とか、汚い手を使っていたと言われるけど、これも私の評判が悪いせいだ。

 × × ×

 そして数日後の早朝――屋敷で妹ミラーナが宣戦布告したことで、決別の時がやってきた。

「お姉様はフルディ殿下に相応しくありません……私が貰ってもよろしいですね?」

「……構いませんよ」

 私の返事が信じられないのか、ミラーナは硬直していた。

 勝ち誇っていたミラーナが唖然としている様子で、信じられないものを見るような目を私に向けながら。

「……今、なんと言いましたか?」

「構いませんよ。と言いました……お父様とお母様に伝えに行きましょうか」

 これから第二王子の婚約者になるのだから、立場はミラーナが上となる。

 恐らく正式に決まるまで数日かかるはず――決まったタイミングを見計らって、私はこの国を出よう。

 念入りに準備をしていたし、私が扱う魔法は実力をできる限り隠していたけど先生並の力があり、これなら1人で生きられるはず。

「……ようやくフルディ殿下を諦めてくれましたか。学園内での反応から当然ですね。今まで内緒にしていましたけど、入学して1ヶ月もの間、私は成績だけの愚かな姉を持って可哀想だと哀れまれたんですよ」

 満面の笑顔で、幸せを噛みしめながらミラーナが私を馬鹿にして勝ち誇っている。

「お姉様は成績だけは優秀ですから、私の部下としておいてあげます」

「そうですか」

 そんな未来は絶対に訪れないけど、今は賛同しておこう。

 お父様とお母様も乗り気で、話を聞いたフルディ殿下も受け入れているようだ。

 私は正式に決まる時を待ち望んでいて――その時がやってきた。
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