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14話

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 家族との話を終えて、アリオス様は数時間後には帰ってしまう。

 私の部屋に来てもらい、助けてくれたことを改めてアリオス様にお礼を言いたかった。

「今日はありがとうございました……アリオス様がいてくれなけば、ゴルドー様の言うとおりにしていたかもしれません」

「婚約者として当然のことをしたまでだ」

「今度は何か言われたとしても、私の意思で拒んでみせます」

「そこまで気負わなくていいのではないか? 何かあれば私に相談して欲しい」

 そうアリオス様が言ってくれる辺り、私はあまり自信のない表情をしているのでしょう。

 確かにこうして決意しても、実際に行動できるかはわからない。

 アリオス様の気遣いが嬉しくて、私は頷く。

「そうですね……魔法の授業でもそうでしたけど、私は自信が持てないみたいです」

「授業の時に考えたのだが、ケイトは自分の腕輪を作ってみるのはどうだろうか?」

 確かに……私が作った腕輪の力によりゴルドーやギーナが魔法の性能を向上させていたけど、それなら自分のを作れば問題ない気がする。

 提案に納得したけど、私としては自分の腕輪よりもアリオス様の腕輪を作りたい。

 困惑が顔に出てしまい、アリオス様は私を眺めて。

「ケイトが作る腕輪の力を知り提案したのだが、嫌だろうか?」

「嫌ではありませんけど、その……私よりも、アリオス様の腕輪を先に作りたいです」

 私の返答が予想外だったようで、アリオス様は驚いている。

 私を眺めて硬直していたアリオス様だけど、なにか閃いた様子だ。

「それなら、今回は最初から私とケイトでお揃いの腕輪を作るというのはどうだろうか? 最初からお揃いの腕輪を作った場合は、お互いの位置がわかる効果もあるらしい」

「そうなんですか?」

「ゴルドーとギーナの腕輪は見た目こそ同じだが、最初からお揃いで作ったわけではないから場所がわかる力はないようだ」

 ギーナに作ったのを見てゴルドーから命令されたから、お揃いの腕輪だけど私が1個ずつ作った形だ。

 最初からお揃いの腕輪を作ると、アリオス様の言った通りの効果が発揮されるかもしれない。

「お互いの位置を知ることができると、人の多い王都でデートした時に私が迷っていなくなったとしても大丈夫そうですね」

「王都だと、ケイトは迷子になるかもしれないのか……それなら、なおさらお揃いの腕輪を作って欲しい」

 アリオス様を困惑させてしまったけど、頼まれたことにより自信が持てる。

 私もアリオス様の位置をずっと知りたいから、全力でお揃いの腕輪を作ろうとしていた。
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