13 / 26
13話
しおりを挟む
放課後になって先生に呼び出され、私と婚約者アリオス様は午後の授業で何が起きたのか報告を受けていた。
ギーナはいつも違い魔法が下手になり、それを嘲笑した同じグループの生徒を魔法で攻撃する。
動機は力の差を見せたかったと推測できてしまい、そこからミアラナ伯爵家とロルアド侯爵家が結んだ契約の話となっていた。
どうやら契約を結ぶ際に魔法学園の理事長が証人となっていたようで、ギーナの環境が変わり問題を起こさなくなって欲しかったようだ。
環境が変わっても問題を起こし、ギーナはこれから1週間の謹慎になる。
そして私達のミアラナ伯爵家から勘当されているようで、家にあったギーナの私物は全てロルアド侯爵家の屋敷に送るらしい。
謹慎中に手続きが終わり、ギーナが何を言ったとしてもミアラナ伯爵家は無関係となるようだ。
話の後は部屋を出て廊下を歩き、私の隣にはアリオス様がいる。
今後の連絡を聞き、ゴルドーとギーナに呆れている様子だ。
「こうなることはわかりきっていたのに、ゴルドーは愚かな奴だ。それでも、私がこうしてケイトの婚約者になれたことは感謝しなければならない」
「そうですね。私としても、アリオス様とこうして話せる今が幸せです」
アリオス様の発言を聞き、私は頷く。
これからは私の屋敷に向かい、今日の出来事を話し合いたいらしい。
公爵家の立場で協力できることがあるか相談するようで、元婚約者ゴルドーと違い私を気遣ってくれる。
契約通りになるだけだから、何も問題はないはず。
これでようやく、私は妹ギーナから解放されそうだ。
◇◆◇
馬車が屋敷に到着して、今日はアリオス様が私の屋敷に来てくれた。
家族との挨拶を済ませて今日の出来事を報告すると、お父様の方にも魔法学園から連絡があったらしい。
居間で私達は集まり、お父様が今後について話す。
「契約通り、問題を起こしたギーナは勘当した。もし屋敷に戻って来たとしても、無関係だから追い払うと決めている」
「もし抗議してきた場合は、私の方で対処しましょう」
「アリオス様がそう言ってくださるのなら、頼もしい限りです……娘を危険な目に合せて欲しくないのですが、ケイト自身が一緒にいたいと望んでいるから何も言いません」
「一緒に行動してもらいますが、私が必ずケイトを守ります」
お父様が本心を話すけど、私の意思を尊重してくれている。
アリオス様の発言を聞き、私は今日の昼にギーナが問題を起こした状況を思い返していた。
契約通りゴルドーが対応するはずなのに、私に同行させようとしてくる。
強く言われると怯んでしまい、あの時は一緒に行くべきではないかと思ってしまう。
本心では絶対にゴルドーとギーナに関わりたくなかったから、アリオス様が助けてくれたのは本当に嬉しかった。
今日の出来事を経て――これからゴルドーやギーナが何を言ったとしても、私は言い返すことができそうだ。
ギーナはいつも違い魔法が下手になり、それを嘲笑した同じグループの生徒を魔法で攻撃する。
動機は力の差を見せたかったと推測できてしまい、そこからミアラナ伯爵家とロルアド侯爵家が結んだ契約の話となっていた。
どうやら契約を結ぶ際に魔法学園の理事長が証人となっていたようで、ギーナの環境が変わり問題を起こさなくなって欲しかったようだ。
環境が変わっても問題を起こし、ギーナはこれから1週間の謹慎になる。
そして私達のミアラナ伯爵家から勘当されているようで、家にあったギーナの私物は全てロルアド侯爵家の屋敷に送るらしい。
謹慎中に手続きが終わり、ギーナが何を言ったとしてもミアラナ伯爵家は無関係となるようだ。
話の後は部屋を出て廊下を歩き、私の隣にはアリオス様がいる。
今後の連絡を聞き、ゴルドーとギーナに呆れている様子だ。
「こうなることはわかりきっていたのに、ゴルドーは愚かな奴だ。それでも、私がこうしてケイトの婚約者になれたことは感謝しなければならない」
「そうですね。私としても、アリオス様とこうして話せる今が幸せです」
アリオス様の発言を聞き、私は頷く。
これからは私の屋敷に向かい、今日の出来事を話し合いたいらしい。
公爵家の立場で協力できることがあるか相談するようで、元婚約者ゴルドーと違い私を気遣ってくれる。
契約通りになるだけだから、何も問題はないはず。
これでようやく、私は妹ギーナから解放されそうだ。
◇◆◇
馬車が屋敷に到着して、今日はアリオス様が私の屋敷に来てくれた。
家族との挨拶を済ませて今日の出来事を報告すると、お父様の方にも魔法学園から連絡があったらしい。
居間で私達は集まり、お父様が今後について話す。
「契約通り、問題を起こしたギーナは勘当した。もし屋敷に戻って来たとしても、無関係だから追い払うと決めている」
「もし抗議してきた場合は、私の方で対処しましょう」
「アリオス様がそう言ってくださるのなら、頼もしい限りです……娘を危険な目に合せて欲しくないのですが、ケイト自身が一緒にいたいと望んでいるから何も言いません」
「一緒に行動してもらいますが、私が必ずケイトを守ります」
お父様が本心を話すけど、私の意思を尊重してくれている。
アリオス様の発言を聞き、私は今日の昼にギーナが問題を起こした状況を思い返していた。
契約通りゴルドーが対応するはずなのに、私に同行させようとしてくる。
強く言われると怯んでしまい、あの時は一緒に行くべきではないかと思ってしまう。
本心では絶対にゴルドーとギーナに関わりたくなかったから、アリオス様が助けてくれたのは本当に嬉しかった。
今日の出来事を経て――これからゴルドーやギーナが何を言ったとしても、私は言い返すことができそうだ。
1,153
お気に入りに追加
1,809
あなたにおすすめの小説
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【完結】『お姉様に似合うから譲るわ。』そう言う妹は、私に婚約者まで譲ってくれました。
まりぃべる
恋愛
妹は、私にいつもいろいろな物を譲ってくれる。
私に絶対似合うから、と言って。
…て、え?婚約者まで!?
いいのかしら。このままいくと私があの美丈夫と言われている方と結婚となってしまいますよ。
私がその方と結婚するとしたら、妹は無事に誰かと結婚出来るのかしら?
☆★
ごくごく普通の、お話です☆
まりぃべるの世界観ですので、理解して読んで頂けると幸いです。
☆★☆★
全21話です。
出来上がっておりますので、随時更新していきます。
【完結】婚約破棄はしたいけれど傍にいてほしいなんて言われましても、私は貴方の母親ではありません
すだもみぢ
恋愛
「彼女は私のことを好きなんだって。だから君とは婚約解消しようと思う」
他の女性に言い寄られて舞い上がり、10年続いた婚約を一方的に解消してきた王太子。
今まで婚約者だと思うからこそ、彼のフォローもアドバイスもしていたけれど、まだそれを当たり前のように求めてくる彼に驚けば。
「君とは結婚しないけれど、ずっと私の側にいて助けてくれるんだろう?」
貴方は私を母親だとでも思っているのでしょうか。正直気持ち悪いんですけれど。
王妃様も「あの子のためを思って我慢して」としか言わないし。
あんな男となんてもう結婚したくないから我慢するのも嫌だし、非難されるのもイヤ。なんとかうまいこと立ち回って幸せになるんだから!
一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。
木山楽斗
恋愛
「君とは一年後に離婚するつもりだ」
結婚して早々、私は夫であるマグナスからそんなことを告げられた。
彼曰く、これは親に言われて仕方なくした結婚であり、義理を果たした後は自由な独り身に戻りたいらしい。
身勝手な要求ではあったが、その気持ちが理解できない訳ではなかった。私もまた、親に言われて結婚したからだ。
こうして私は、一年間の期限付きで夫婦生活を送ることになった。
マグナスは紳士的な人物であり、最初に言ってきた要求以外は良き夫であった。故に私は、それなりに楽しい生活を送ることができた。
「もう少し様子を見たいと思っている。流石に一年では両親も納得しそうにない」
一年が経った後、マグナスはそんなことを言ってきた。
それに関しては、私も納得した。彼の言う通り、流石に離婚までが早すぎると思ったからだ。
それから一年後も、マグナスは離婚の話をしなかった。まだ様子を見たいということなのだろう。
夫がいつ離婚を切り出してくるのか、そんなことを思いながら私は日々を過ごしている。今の所、その気配はまったくないのだが。
自分勝手な側妃を見習えとおっしゃったのですから、わたくしの望む未来を手にすると決めました。
Mayoi
恋愛
国王キングズリーの寵愛を受ける側妃メラニー。
二人から見下される正妃クローディア。
正妃として国王に苦言を呈すれば嫉妬だと言われ、逆に側妃を見習うように言わる始末。
国王であるキングズリーがそう言ったのだからクローディアも決心する。
クローディアは自らの望む未来を手にすべく、密かに手を回す。
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる