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4話
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馬車が目的地に到着して、移動中に私はこれからの行動を聞いていた。
草原に到着して、私とアリオス様はこれから魔力を宿した動物で人を襲う魔物を倒す必要がある。
目撃情報があった場所を探し回るようで、アリオス様の魔法なら近づくことで位置が精確にわかるようだ。
これからアリオス様はフレイムパンサーの討伐をするようで、超危険なモンスターが国内にいたことに私は驚いている。
フレイムパンサーは二足歩行もできる豹の魔物だけど、名前通り炎を操るらしい。
村を襲う場合は炎を使い騒ぎを起こしてから奇襲するぐらいの知恵があるようで、早急に対処しなければならない魔物なのは聞いたことがあった。
本来は私が待機する予定だった馬車は、戦う魔物が危険過ぎるから離れた場所で待機してもらうようだ。
歩いてフレイムパンサーを探し数十分が経つと、私達は赤い毛並みが目立つ大きい豹の姿を目にすることができた。
アリオス様の魔法は近づけば精確にわかるからか、馬車から出て短時間の間に出会えたことを驚いてしまう。
「本当にいましたね……アリオス様は、これからどうするつもりですか?」
「私が剣と魔法でフレイムパンサーと戦う。ケイトは私の後ろで見ているといい」
「わかりました」
その発言の後に、アリオス様は剣を鞘から抜いて振り抜く。
魔力を籠めると斬撃を飛ばせるようだけど、いきなり斬られたことでフレイムパンサーが反撃に出る。
口から炎の弾丸を吐いて迫ってきたから、私は防御魔法を使い魔力の見えない盾を発生させて防ぐことにしていた。
炎の弾丸を弾き飛ばすと、前からアリオス様の驚いた声が聞こえる。
「なっっ!? フレイムパンサーの魔法攻撃を、ケイトは防げるのか!?」
「授業で使う機会はありませんけど、私は防御魔法が得意なので力になれそうです」
「なるほど……ここまで防御力があるのなら、私は攻撃に専念できそうだ!」
私は防御魔法に長けていて、属性魔法は風魔法と金属魔法が使える。
問題はどれも威力がほとんどないことで、相手の攻撃を受け流したり魔力による盾を張ることが得意だった。
私は魔力で作られた透明の盾を発生させてアリオス様を守り、フレイムパンサーは猛攻を受けて倒せている。
依頼の討伐は問題なく終わり、私は安堵していた。
倒したフレイムパンサーの解体とかは馬車の人に任せるようで、アリオス様は私を眺めて。
「防御魔法も成績がつくのなら、ケイトは間違いなく上位に入りそうだな」
「学園には防御魔法を扱う授業はありませんからね」
「魔法の攻撃はそれ以上の攻撃で対処するのが学園の方針で、その方が向上すると考えられているからだ」
私は例外的な存在のようで、普通は防御するより攻撃するという思考になるらしい。
それは妹ギーナを見ていれば納得できるし、私が変なのだと思う。
それでも……今日はアリオス様の役に立てたし、実戦でこそ私の力は発揮されそうだ。
「今日は私自身のことが知れました。来て本当によかったです」
「自分のことを知ってよかったか。来たことを後悔していないようなら、私としても嬉しい……ケイトは金属魔法が得意で、ギーナとゴルドーに腕輪を作ったことはあるか?」
「それは、ありますけど……どうかしましたか?」
依頼を終えて馬車の元まで歩いていると、アリオス様が私に尋ねる。
質問の意味がわからなかったけど、今日の戦いから気になることがあるようだ。
「ゴルドーは腕輪を着けてから成績を向上させていた。そしてギーナも同じ腕輪を着けていたから、ケイトが作った物なら色々と納得できる」
「成績を向上させたことと、私の作った腕輪に何か関係があるのでしょうか?」
「推測になるが、ケイトの魔法の実力が私の想像より遥かに高かったから間違いないはずだ……君の作る腕輪には、魔力を強化する力がある」
「……えっ?」
「高位の金属魔法で作られた腕輪の力だ。作り手のケイトが傍にいることで魔力を補充することができ、それにより強くなっていたのならゴルドーの急成長も納得できる」
私の防御魔法が強力と判明したことで、その私が作った腕輪を着けた際に効果があるとアリオス様は考えたようだ。
「魔力の補充については知りませんでしたけど、確かに今までゴルドー様と会った後は疲れてしまう気がします」
「恐らく無意識にケイトは腕庭魔力補充をしていたのだろう。今後はギーナやゴルドーに魔力を与えないと意識すれば、補充することはないはずだ」
高位の金属魔法で作られた腕輪についてアリオス様は知っているようで、説明を聞き私は言うとおりにしよう。
今まで眠る前は疲れて苦しかったけど、ギーナやゴルドーに魔力を補充していたからなら納得できる。
もうギーナとゴルドーの腕輪に魔力を補充しないから、妹と元婚約者の力が衰えていくのは間違いなさそうだ。
草原に到着して、私とアリオス様はこれから魔力を宿した動物で人を襲う魔物を倒す必要がある。
目撃情報があった場所を探し回るようで、アリオス様の魔法なら近づくことで位置が精確にわかるようだ。
これからアリオス様はフレイムパンサーの討伐をするようで、超危険なモンスターが国内にいたことに私は驚いている。
フレイムパンサーは二足歩行もできる豹の魔物だけど、名前通り炎を操るらしい。
村を襲う場合は炎を使い騒ぎを起こしてから奇襲するぐらいの知恵があるようで、早急に対処しなければならない魔物なのは聞いたことがあった。
本来は私が待機する予定だった馬車は、戦う魔物が危険過ぎるから離れた場所で待機してもらうようだ。
歩いてフレイムパンサーを探し数十分が経つと、私達は赤い毛並みが目立つ大きい豹の姿を目にすることができた。
アリオス様の魔法は近づけば精確にわかるからか、馬車から出て短時間の間に出会えたことを驚いてしまう。
「本当にいましたね……アリオス様は、これからどうするつもりですか?」
「私が剣と魔法でフレイムパンサーと戦う。ケイトは私の後ろで見ているといい」
「わかりました」
その発言の後に、アリオス様は剣を鞘から抜いて振り抜く。
魔力を籠めると斬撃を飛ばせるようだけど、いきなり斬られたことでフレイムパンサーが反撃に出る。
口から炎の弾丸を吐いて迫ってきたから、私は防御魔法を使い魔力の見えない盾を発生させて防ぐことにしていた。
炎の弾丸を弾き飛ばすと、前からアリオス様の驚いた声が聞こえる。
「なっっ!? フレイムパンサーの魔法攻撃を、ケイトは防げるのか!?」
「授業で使う機会はありませんけど、私は防御魔法が得意なので力になれそうです」
「なるほど……ここまで防御力があるのなら、私は攻撃に専念できそうだ!」
私は防御魔法に長けていて、属性魔法は風魔法と金属魔法が使える。
問題はどれも威力がほとんどないことで、相手の攻撃を受け流したり魔力による盾を張ることが得意だった。
私は魔力で作られた透明の盾を発生させてアリオス様を守り、フレイムパンサーは猛攻を受けて倒せている。
依頼の討伐は問題なく終わり、私は安堵していた。
倒したフレイムパンサーの解体とかは馬車の人に任せるようで、アリオス様は私を眺めて。
「防御魔法も成績がつくのなら、ケイトは間違いなく上位に入りそうだな」
「学園には防御魔法を扱う授業はありませんからね」
「魔法の攻撃はそれ以上の攻撃で対処するのが学園の方針で、その方が向上すると考えられているからだ」
私は例外的な存在のようで、普通は防御するより攻撃するという思考になるらしい。
それは妹ギーナを見ていれば納得できるし、私が変なのだと思う。
それでも……今日はアリオス様の役に立てたし、実戦でこそ私の力は発揮されそうだ。
「今日は私自身のことが知れました。来て本当によかったです」
「自分のことを知ってよかったか。来たことを後悔していないようなら、私としても嬉しい……ケイトは金属魔法が得意で、ギーナとゴルドーに腕輪を作ったことはあるか?」
「それは、ありますけど……どうかしましたか?」
依頼を終えて馬車の元まで歩いていると、アリオス様が私に尋ねる。
質問の意味がわからなかったけど、今日の戦いから気になることがあるようだ。
「ゴルドーは腕輪を着けてから成績を向上させていた。そしてギーナも同じ腕輪を着けていたから、ケイトが作った物なら色々と納得できる」
「成績を向上させたことと、私の作った腕輪に何か関係があるのでしょうか?」
「推測になるが、ケイトの魔法の実力が私の想像より遥かに高かったから間違いないはずだ……君の作る腕輪には、魔力を強化する力がある」
「……えっ?」
「高位の金属魔法で作られた腕輪の力だ。作り手のケイトが傍にいることで魔力を補充することができ、それにより強くなっていたのならゴルドーの急成長も納得できる」
私の防御魔法が強力と判明したことで、その私が作った腕輪を着けた際に効果があるとアリオス様は考えたようだ。
「魔力の補充については知りませんでしたけど、確かに今までゴルドー様と会った後は疲れてしまう気がします」
「恐らく無意識にケイトは腕庭魔力補充をしていたのだろう。今後はギーナやゴルドーに魔力を与えないと意識すれば、補充することはないはずだ」
高位の金属魔法で作られた腕輪についてアリオス様は知っているようで、説明を聞き私は言うとおりにしよう。
今まで眠る前は疲れて苦しかったけど、ギーナやゴルドーに魔力を補充していたからなら納得できる。
もうギーナとゴルドーの腕輪に魔力を補充しないから、妹と元婚約者の力が衰えていくのは間違いなさそうだ。
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