婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません

黒木 楓

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70話

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 あれから翌日――私達はルジャス領に乗り込んでいた。

 私達は屋敷に侵入して、護衛を無力化することに成功する。

 カルス、ミュリナ、グランの捕獲が目的だけど、私達の戦力は強大だ。

 ジャック様とイレック様。
 そして、ローウォン家と関わりのある魔法士の精鋭達と、ジャック様と親しい凄腕の冒険者達。

 これがローウォン家の総力で――ルジャス家の屋敷、大部屋で私達は元凶グランと対面していた。

 もうカルスと新たな婚約者ミュリナは捕らえることに成功して、グランも追い詰めている。

「禁魔法で強化された護衛達は協力だったけど、私達の敵ではない……これが、ローウォン家の力だ」

 イレック様がグランを睨みながら告げるけど、これは総戦力をルジャス領につぎ込めたらからこそね。

 本来の予定通り戦力を分けていたら危なかった……ルジャス領を調査していたのは正解だ。

 苦そうな表情を浮かべているグランに対して、ジャック様が叫ぶ。

「護衛にかけられた禁魔法から、貴様が元凶なのは間違いない……今すぐにパトリシアの呪いを解け!」

 完全に追い詰められている状況で、イレック様も頷いて。

「呪いを解けば拷問しないが……解かないと言うのなら3日の間、この場に居る者達が総力をあげて貴様を苦しめる」

 これは本心からの発言だけど、この状況でもグランは笑みを浮かべながら呟く。

「パトリシアに対する呪いは俺にしか解けないが、解く気は一切ない!!」

「……なんだと?」

「俺は負けたが、最期に嫌がらせはしておこう……俺達は終わり、パトリシアも終わる!」

 楽しげに叫ぶグランは、本気でどんな目に合っても私の呪いを解く気はないようだ。

 恐怖していたけど……その後ジャック様の力によって、私の呪いは解かれることとなっていた。
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